「大富豪=トム・ハンクス」アビゲイル サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
大富豪=トム・ハンクス
「誘拐した少女は吸血鬼だった...」というB級感丸出しのアイデアに、大作映画さながらのクオリティ。おバカ映画を想像していたのに、「わたしたち、本気なの!」と言わんばかりのまさかの完成度に驚き。こんなことある?笑笑 冒頭から分かる。これ、おもろいヤツや!
ポスター鑑賞だったから前情報ほとんど無しだったけど、これ系の映画には似つかわしくキャストがしっかりしてる。だって若手MARVEL女優が出てるんだよ!?ディズニー俳優だって!どうなってんだ!いやぁ、ポスターですっかり騙されてしまった。これだから映画ってやめられないんだよ、、、😍
キャラ付けが秀逸なおかげで、アイデアだけを握りしめた1発もので終わらず、屋敷内で起こる不自然死に迫りつつ、ありがちだけど見応えあるドラマで、観客を終始楽しませてくれる。ただビビり散らかす、安っぽいB級ホラーとは訳が違う。もちろんホラー要素はしっかりあるんだけど、それ以上に個性的でひと癖もふた癖もある誘拐犯たちがみんないい味出していて、次第にそんな彼らに夢中になってしまう。しかも、相手の素性を探らないこと、という設定も生かされて色んな展開を見せてくれる。この誘拐だけのために結成された、ワケあり犯罪者グループ。いいよいいよぉ、こういうの大好物だよぉ...。ピーター最高だよぉ...。
この映画、カメラワークが『あれ?今日見に来たのってナイブズ・アウトだっけ?』って勘違いするレベルで上手すぎる。カメラワークに力を入れるだけで、こんな上質で上品なサスペンスホラーになるんだ。おかげで微塵も安っぽくない。いちいち緊張感あるし、下手な演出もないから画に退屈しない。
カメラワークと言えば、ゴア描写の見せ方もまた素晴らしい。しっかりR15+、なんならそれ以上の高品質な血しぶき、臓物、人体破壊が見れてすごく楽しかったし、十字架のとこなんか特にナイスカット過ぎてたまらなかった。たまたまB級ぽい設定の映画だったけど、この監督とカメラマンなら大物ホラーの続編とかも全然任せられるぞ!
いっぱいのグロ、いっぱいのゴア。最終的に行き着く先はわりとシンプルで予想できるけど、吸血鬼というやり尽くされたネタでここまで楽しませてくれたってだけで大満足です。「夏目アラタの結婚」でも感じたけど、目元と歯並びだけで恐怖って演出できるものなんだな。
今どきこんな思い切ったホラー、しかもこんな爽快感たっぷりのグロ映画を見れることなんて中々ないから、すごく貴重な体験でございました。血しぶきブシャーッ!