「トマト祭り&泥レス」アビゲイル bionさんの映画レビュー(感想・評価)
トマト祭り&泥レス
誘拐した女の子が、ヴァンパイアだった。しかも超パワフルな。
アイデア一発勝負の作品かと思いきや、いろんな飽きさせない仕掛けがある。日光を浴びたヴァンパイアの体は、焼け焦げるを通り越して、爆発してしまう。それに吹き出す血の量が半端じゃない上に、赤黒くなっているので、トマト祭りの中で泥レスしているように見える。
アビゲイルを誘拐する面々もキャラが立っていて面白い。こんなヤツが仲間にいたら終わりでしょって感じの人間が2人。筋肉バカとパンチドランカーの疑いのあるラップ好き兄ちゃんが色々と掻き乱す。
リーダー格のメガネは、頭がキレそうだが、裏がありそうで油断ならない。コイツが、アビゲイルに太ももをブッ刺された時に放つ罵詈雑言が面白い。ありとあらゆる悪態言葉を繋げて叫ぶんだけど、それでも怒りがおさまらずFワードを連発する。
本性を表してもなおバレエにこだわるアビゲイル。チャイコフスキーの白鳥の湖が流れるなか、華麗に踊りながら獲物を仕留めていく。
いたいけな少女から狡猾なヴァンパイアの表情に変わる瞬間が見もの。邪悪な顔は『エスター』とタメをはります。
緊張感を保ちながら、時々繰り出されるブラックユーモア。充実した一作でございます。
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