「やっとパズルのピースが埋まった!」アンジェントルメン 竜さんの映画レビュー(感想・評価)
やっとパズルのピースが埋まった!
世界大戦でアメリカがなぜあんなに遅く参戦したのか、この映画に答えがあった!
そして、ナチスがアフリカの一部まで占領できる強い国であったのに、なぜ早期に離脱したのか。
学校の授業では決して語られない事実をこの映画では、教えてくれる。つまりこの映画は、真実に基づいて作られた映画である。パズルの最後の1枚が埋まった瞬間だ。
更に、この主人公が007シリーズのボンドのモデルであることも。今のスパイ映画の原点であるから、もし、この事実がなければ、Mission Impossibleも作られなかったのかもしれない。それだけ重要な出来事であり、観る価値のある映画である。スパイ映画の当局は一切関与しない(できない)は、指示を出している当局がばれると国際問題に発展するし、映画のクライマックスでも、このルールはしっかり守られていて、スッキリする。
しかし、映画を観ていて日本人の側に、立つと少々複雑な気持ちになる。
この映画のミッションの成功がドイツを弱体化させアメリカの参戦を許し、日本の戦争を長期化させ、たくさんの死者と原子爆弾投下による世界で唯一の原爆被害国になったから。歴史を変える出来事であったのは間違いない。
しかし、このミッションがなく、もしくは失敗していて、ドイツが勝ち続けていたら、日本は現在も軍隊を率いて戦い続け、平和のない世の中だったかもしれない。
(敗戦により平和になったが、武力の放棄により、お金はあっても発言力も取り上げられアメリカのいいなりになっているのは、本当の平和と言えるのだろうか?)
ドイツの非人道的な行為は、やはり世界の批判を浴びていただろう。乳首に電流を流す拷問って酷すぎる(苦笑)
だから、ナチスは絶対悪で必ず滅ぼさないといけない存在である視点で映画を観ると、痛快極まりない。
箇所箇所に使う時間の比重も、大切な場面はしっかりと、それ以外はあっさり流す展開。非常に内容が詰まっているのに、2時間以上の時間があっという間に終わってしまう。間延びしている間もないくらい、次々と場面が変わり、見終わった後は、非常にスッキリした気持ちになる。
何事も冷静さを失った時点で負け。驕り高ぶって余裕をかましていたドイツが負けるのは、確定要素満載だったわけだ。