ツイスターズのレビュー・感想・評価
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初めての4DX体験
以前から4DXというものを試してみたいと思っており、これぞという映画だったので初めて4DXを体験してみました。普通の映画と違い体験後に自分以外の感想を聞きたかったので、あまり乗り気ではなさそうな妻を少し強引に誘い、県内には4つしかない中の一番自宅から近い(それでも車で約1時間)映画館を探して予約を取りました。これだけ上映館数が少ないと直ぐに席が埋まってしまうのではと思い、予約開始からすぐに席を確保、普通の映画よりプラス1,000円という料金だった。その時点での予約状況はガラガラでした。
当日、映画館に入ると思っていたよりも混んでおり、4席1セットで前には男子高校生らしき3名、隣はおそらく私より年配の女性が一人座っており、各自でいろいろな楽しみ方があるのではと感じた。劇場内の温度は高めに最初は設定されており、後で分かったのですが本編が始まれば4DX効果で快適な温度に徐々になっていきました。
予告が終わり、映像を観ながら、上下左右に椅子が動き、水や風が出てきて、4DXってこんな感じですよという体感の時間。前に座っている高校生たちの座席がグラングランと動くのを見ながら、「意外と揺れるな、これ最後まで持つかな...、隣のお年寄りは大丈夫か」等かなり不安に感じ、ドキドキ感いっぱいだったのが正直なところ。絶叫系が苦手な隣の妻を見ると少しこわばっている感じ。「大丈夫?」と一声かけ、あまり合わないようだったら途中で出ようと考えながら、本編開始。
結論としては、映画鑑賞という観点からは私は全く合いませんでした。席の動きや4DX効果が気になってストーリーに入り込めない感じ。席の揺れなどは徐々に慣れてきたのですが、どうもずっと気になって映画を観ているという気分にはならず、通常の映画を観ている時とは違う脳内物質が出ている感じでした。私は映画の余韻が好きなのですが、それを十分には楽しめず、アトラクションに乗った後のちょっとした虚脱感、疲労感みたいなものが残りました。逆に妻は非常に楽しんだようで、いつもの映画鑑賞より入り込め、次から4DXなしだと物足りないかもと言っていました。映画の楽しみ方は人それぞれ色々なんだなぁと改めて思った次第です。
4DXで鑑賞された他の皆さんが書いている通り、4DXに適した映画であることは間違いないと思いますので、未体験の方は機会があれば、是非試してみてください!
わたしをトルネードにつれてって
研究の為、或いは迫力ある映像撮影の為に巨大竜巻を追う人々(Tornado wrangler :竜巻カウボーイ と言うんだと今回初めて知りました)を描くディザスター・ムービーです。と聞くと、まさしく同じテーマの1996年作(ヤン・デボン監督)の『ツイスター』を思い出します。あのリメイクなのかな、続編なのかな。そんな記述をどこにも見つけられないので、やや不安な思いを抱きつつ劇場へ。
まず結論から言うと、前作と類似のお話ですが、全く別物でリメイクでも続編でもありません。そして、非常によく練られた物語でした。技術の進化を反映して前作より映像の迫力が増しただけでなく、ドラマとしての骨組みが堅牢で、失敗と後悔からの再生物語としてもスッキリしていました。
女性研究者役のデイジー・エドガー=ジョーンズが非常に魅力的に描かれている上に、チャラいインフルエンサーと思わせた男が実は・・の展開にもまんまと振り回されてしまいました。人物描写にメリハリが効いています。そして何だかんだと言っても、クライマックス巨大竜巻シーンでは、拳を握りしめてハラハラしてしまいました。
こんな大仕掛けのエンタメ作品に地味な『ミナリ』(2020) の監督を起用した事にアメリカ映画の健全さを感じます。勿論、勝算を十分に計算したのでしょうが、才能ある監督にはより大きなチャンスが与えられてこそビジネスは広がり映画界は進歩できるのです。ヒットが見込める漫画を原作にし、イケメン俳優の起用ありきで、手練れ監督に頼み、制作委員会方式でリスク分散を図る日本映画界には出来ないことだな。
街と人が飛んでいく
良いところ
日常の風景がそのまま竜巻で破壊される様がリアル
人物像のミスリードが上手い
?なところ
やる気のない天才ってのはめんどい
科学的にただしいのかな?
広い平地があると竜巻の規模も大きくなるのかな、日本とは桁違いな大きさの竜巻が頻繁かつ身近に発生してる。これはもう自然災害と放っておくことはできないレベルで被害が出てる、らしい。
ここまではリアルなのかSFなのか分からない。そのせいか解決策自体もトンデモ説なのか可能性なのか最後までわからんかった。それはそれとして、ヒロインが天気を読む天才でその能力ゆえに大失敗してトラウマを抱えてる。そのヒロインを如何に引っ張り出すか、とか凡人が天才の気まぐれに引っ掻き回される展開かおもったら、なんか普通の恋愛ものだった。そんで最後の最後でマシントラブルでギリギリの緊張感を出す、とかすでに使い古されてストレスでしかないような表現とか、なんか途中から見たかったものからズレて行ってたけど、竜巻はリアルと思わせるものだし、街一つ丸ごと消し飛ぶ様は大迫力。これはいい音響の映画館で見た方がいい。できるなら4DXとかtheaterXとかで見た方が良かったと思わせる映像だった。
ドルビーで堪能しました。
1996年のツイスターはうっすらと覚えていますが、本作もとても面白かったです。とてつもない竜巻に驚きますが、演出、脚本、ヒロインがとても洗練されていてよく、仲間たちとのやりとりも小気味よい。ドルビー上映にまにあってラッキーでした。Fly Me to the Moonに通じるアメリカの凄さ、明るさを感じました。
4DXを体感してみたい!
竜巻を追っかける人達のお話。
最初から最後まで竜巻だらけの本作。
B級っぽいのかと思いきやストーリーはしっかりしているし、飽きさせない。
竜巻に挑むのが若者達の為か、BGMもノリが良く竜巻に挑む勢いがカッコイイし気持ちいいです。
この迫力はスクリーンで観るのが間違いなくオススメですが、他の方が言う4DXの凄さってものを体感してみたいですね。
地元にはないんで😅
デイジー🌼エドガー=ジョーンズを愛でる作品
「ミナリ」のリー・アイザック・チョンの新作は何とザッツ・エンターテイメント。オクラホマを舞台に巨大な竜巻と対決する人々を描いた。
主演は「ザリガニの鳴くところ」のデイジー🌼エドガー=ジョーンズ💕ホント癒される。大好きだ。
カントリーな音楽も玄人好みで👍
個人的には彼女とタッグを組むグレン・パウエルのドヤ顔がどうしても受け入れられず減点🙇🙏デイジー🌼との距離が近過ぎてハラハラしたけどロマンスには至らず😮💨
リケジョ
パニック映画はあまり好みではないのですが、今作は、近年国内海外を問わず頻発している竜巻に気象学で切り込んでいくところに興味を感じました。見所は凄まじい竜巻の描写(一体、どうやって撮影したのでしょう!)だと思いますが、個人的には竜巻対策を試行錯誤している実験シーンの方をもっと詳しく見たかったです。ケイト役のデイジー・エドガー=ジョーンズはぴったりの役どころでしたね。私の周りにも彼女のような雰囲気のリケジョがいました。すごい美女なのに、興味の対象は科学っていう(笑)。「ザリガニの鳴くところ」(22)もよかったですが、今作の方がはまり役という気がしました。グレン・パウエルもまるで当て書きのようにはまってましたね。まあ、そういう展開だよな~っという違和感のない印象でした。
トルネード・ラングラー
2024年8月22日(木)
このレビューを書き出す時点で映画.comのレビューが364件、評価3.9なのに映画は当たっていないようだ。公開から3週間が過ぎて、もう1日1、2回小さなスクリーンでの上映になっている。近場で一番大きなスクリーン(キャパ301)で上映されている新宿ピカデリーで「ツイスターズ」を。(新宿ピカデリーには4Dはありません。相変わらず和製アニメで多くの上映回数が占められているのが残念。)
ヤン・デ・ポン監督の「ツイスター」は28年前の公開時に観たが、竜巻から逃げるヘレン・ハントの顔くらいで内容は殆ど記憶にない。
本作は、ディザスタームービーだが、トルネードを見せるだけでなく、ドラマ部分も良く出来ている。
ケイト(ディジー・エドガー・ジョーンズ)は、竜巻に立ち向かう強い面と、友人3人を亡くした竜巻のトラウマで弱気になる面を併せ持っている。
最初はケイトをシティガールと馬鹿にしていたタイラー(グレン・パウエル)も竜巻を追ううちに彼女の的確な判断を認める。
当初、テンガロンハット被ってYOUTUBEで中継し、自分のキャラクターTシャツを売っているチャラい男に見えたが、実はその売上で被災者に援助しているタイラーにケイトの見方が変わったり、ケイトをオクラホマに呼んだハビのスポンサーが怪しい不動産業者だったり。
タイラーと一緒にロデオを見に行った時、接近して来た竜巻に会場にいた人のアプリが一斉に鳴ったのにはビックリ。日本なら緊急地震速報か。
襲来した竜巻に水のないプールに逃げるが、これは理にかなっているらしい。あそこで立ってはいけない、タイラーの注意を聞かずに立ち上がった男は飛ばされる。
グレン・パウエルは、竜巻対策で車体にドリル付きで地面にドリルで固定する車に乗っているが、あれでは柔らかい地表では役に立たないのではないか?
でも、竜巻に飛ばされないようにアンカーで止めるタイプの車は実際にあるらしい。
ハビのグループが乗っている車の名前が、「案山子」「ライオン」「ブリキ男」と「オズの魔法使」関連のネーミングになっていた。ケイトは赤い靴履いてなかったけど。
映画の中でここまでこっぴどく映画館を破壊する映画もなかったのではないか。
竜巻の襲来で皆が逃げ込んだ映画館のスクリーンは後ろの壁とともに吹き飛ばされる。上映しているのはモンスター映画だが、モンスタートルネードの前に人はなすすべなし。
最初に映画館に入ったときに地下室を探すのは何故かと思ったら、オクラホマは竜巻対策で多くの建物に避難のための地下室があるそうだ。
迫りくるトルネードの威力は迫力満点だった。きっと4Dだったらガタガタになってただろう。(でも4Dで観てみたかった)
ラストの空港での二人は、お決まりのパターンだが続編に含みを持たせたかな。
ディジー・エドガー・ジョーンズは、きっと将来アン・ハサウェイのような女優になるんだろうな、と思う。
獅子と鋼男と麦わら達
半分は科学もう半分は宗教。"宗教"という単語に変な抵抗感を覚える我々日本人ですが、この映画に関してはこんなにしっくりくる単語もないし、"八百万"な我々にはピタッと嵌まるのではないでしょうかね。そして前作「ツイスター」の正当後継な上に、「オズの魔法使い」もきちんと踏襲してくる見事さ。王道な上に王道なのだが、「それの何が悪い!」と声が出そうになる快作。是非とも映画館で。主人公の母親が格好良い作品に外れなし。いやもう、それだけでも観て欲しいですよホントに。
あ、書き忘れてた。皆さんも仰ってるけどもTシャツ欲しいです。タイラーとケイト其々。笑
大スケールなアドベンチャーアクション
頭空っぽで見れるとはまさにこれ、他のレビューを見ると少し取り入れて、自分のと混ざってしまうから特に書かないけど、ホントに4DXで見るべき!
《評論家の意見》
有りがちで予想通りの展開だし、映画としての魅力は少ないが映像としては迫力があって良い。
竜巻の影響、発生条件や対処方法など細かく、正しい知識が多く、作中でプールに逃げ込むシーンは対処方法として正しく、体が中に浮いてしまうので凹みのあるところに入りポールなどに掴まるシーンも知識が分断に使われていることが分かる。
竜巻映画として楽しかった
竜巻のすごさを見る映画としてはとても面白かったです。ライバルがいけ好かないやつだから殺しちゃえってならずに惹かれ合うという話にしたのも良かったです
ただ、ツイスターが竜巻をどう観測するかという映画だったので、ツイスターズは竜巻をどうにかするって映画にしないといけないのはわからないではないですが、流石に高分子吸水ポリマーでは厳しいのではないでしょうか
絶対に4DXがいいでしょ、コレは!
【2024/08/17✩⃛初回観賞】 評価:4.5
【2024/08/22✩⃛2度目観賞】 評価:4.5 ➡︎ 4.8
夏休みでも早起きさんなのでグラシネ7:50〜のULTRA4DXもなんのその💕ってかむしろTWISTERSが面白いと感じた人なら早起き頑張ってでもこのフォーマットで楽しむべし‼️竜巻シーンはもちろんだけど、車のシーン全般の没入感ヤバい💀
お隣りに座っていらした方はあまり得意ではない方なのか終始シートの脇を強く握りしめてたほど。動き良き、風良き、水良きで結構なお点前アトラクションでした💜(←絶叫系大好物マンの感想)※火炎竜巻ではもう少し熱さを演出して欲しかったのが正直なところだけど😅
さてさて、
4DXの感想はこの辺で。
再鑑賞だからこそ感じられた🩷好き🩷ポイント👇️
●タイラーのストーカー気質。ケイトの行くとこ行くとこ全て現れ、「ロデオ会場近くにいると聞いたもんで」と言いながらモーテルの部屋にピザを届ける荒業。オクラホマの個人情報の取扱どーなってんだwww
●ケイトと竜巻のラストバトル。自分にできることは全てやったけど勢力が落ちる様子を見せない竜巻に抗うのではなく「この身を委ねます」とでも言わんばかりのハンドルから手を離して膝の上に置くシーン。竜巻発生の原理について半分科学、半分宗教と言っていたのはこのためか〜と納得。自然には勝てないよ☺
●ハビのセリフ(CV:浪川大輔)
ケイト︰「昔はパンツ1枚で歩き回ってたのに…」
ハビ︰「今でもたまにそうだよ」←これをめちゃくちゃ甘い声で言ってたのが滑稽過ぎてツボったwww
再鑑賞までに96年版を観るつもりだったのに出来なかったから、これから帰って観よかな❤ ❤ ❤
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お友達との豊洲ランチからのお茶タイムを想定してたら急遽「この後予定があるの〜」と振られてしまい、予約してる映画の時間までに2時間ちょっと空くからちょうどいい時間の映画ないかなーと探してみたら3分後スタートのこの作品がっ‼️神の助けっ‼️
96年のは未完。
トレイラーの感じだと4DX向きの映画かな?と思っていたけど、なんせお高いし、先に観たお友達の評価は「想定通りの普通の感じ」だったから、なら観なくてもいいかな〜と思っていた本作。そんな理由で観る予定は無かったけど御縁があって観てみたらナニコレめっちゃ面白いやーん‼️‼️ってなった❤
自然災害系って恐ろしくてトラウマ化しそうだからあまり観たくはないんだけど、コレは完全に現実にありそうな部分と絶対ないだろーのフィクション感がハッキリしていてトラウマ化はしなかったww(決して映画が嘘っぽいと言ってるわけではなく、むしろどこが本物でどこが技術利用なのかあたしでは判別できないほど✨)
ディザスター・ムービーとして心積もり観るをしていたから蓋を開けてみたらまさかの良質ラブコメだとわかりポジティブサプライズ💕まさに『フォールガイ』のときと同じ感覚🍀
というわけで、当初の予定通り4DXをオカワリ鑑賞で堪能してくるぞー(*´∀`*) ノ
あんな大きな竜巻怖い怖い🌪️
ケイト、ザリガニの鳴くところの子なんですね。このレビューを書く段階で知りました。気がつかんかった〜。でも可愛い。今回吹き替えで観たので、小芝風花の吹き替えも合ってましたよ。
珍しく吹き替えで観たのは4Dで観たため。なかなかの迫力。よく揺れて、風も火事の時は背中に熱さも感じて、観終わった頃にはなんか疲れてました。
冒頭から早くも竜巻で、友達3人が飛ばされてしまう。責任を感じたケイトは研究を辞めて就職したが、生き残ったもう1人から誘われて再び竜巻に向き合う。
対立していたタイラー達が人々を竜巻から助けるべく行動していて、友の支援者は被災した人々から利益を得ようとしていることを知ったケイトたちはタイラーたちと共に竜巻に立ち向かう。あまり恋愛模様に話が進まず、人間ドラマに重点を置いていたところが好印象。竜巻のシーンも迫力あって、見応えあった。
突然の日本語?!“フジワラ エフェクト”
ここまで純度100%のアメリカンムービーの鑑賞は久しぶりで興奮しました。
鑑賞後に前作の存在を知ったくらいなので予習不要です
翌日雷が酷く、自然災害の恐ろしさを人生一感じました
邦題が余計付け足しが無かったのがかなりポイント高い。
ただポスターがえげつないダサい!
科学半分、宗教半分って
4DX等で体感すべきアトラクションムービーと思いつつも、リアリティのなさすぎっぷり(日本語ヘン?)にノレず、トルネードに巻かれる気満々で臨んだ割に予想と逆方向へ通り過ぎていった感じ。マーベリックの教え子が竜巻に突っ込むのは、台風で海に行っちゃうサーファー気分でわからなくもないが、気象がデータ解析とコンピュータ予測の時代に、観天望気と勘頼みのザリガニ娘が考案した方法で竜巻が収まるとはまったく思えなかった。
竜巻銀座の町も住人も無防備すぎ。地下に竜巻シェルターとかないの? チェイサーチームも町の人たちを助けなきゃ!と言いつつ映画館に誘導してるだけだし。そもそも初っ端のが友だち3人を失う強烈さで、そこからレベルアップするディザスター感が薄く、122分が同じことの繰り返しに見えた。最後の20分を延々引っ張ったらよかったのに。
いろいろ言ったが、緊急地震速報オクラホマ版な竜巻アラートにはへーと思ったのと、デイジー・エドガー=ジョーンズのケツアゴ美女っぷりはフジワラ5レベル!
それでも映画館に行く価値がある作品があるのか。ハリウッドが出したその答えの一つが本作。巨大竜巻を描くスペクタルシーンは、まさに圧巻です。
竜巻の恐怖を描いた1996年の映画『ツイスター』の続編。超巨大竜巻が多数発生したオクラホマを舞台に、知識も性格もバラバラな寄せ集めチームが竜巻に立ち向かう姿を描いたアクションアドベンチャー作品です。
連日の酷暑、集中豪雨による水害など、日本の夏は気がめいるニュースが絶えません。海の向こうのアメリカもたびたび異常気象に見舞われており、とりわけ竜巻がもたらす被害はすさまじいものがあります。1996年の「ツイスター」は、竜巻に立ち向かう追跡者たちの奮闘を描いた異色のパニック映画でしたが、本作はその新たな現代版。これが実に見事な出来ばえなのです。
●ストーリー
ケイト・カーター(デイジー・エドガー=ジョーンズ)は、5年前の学生時代にオクラホマ州で嵐を追うハビ(アンソニー・ラモス)、アディ(キーナン・シプカ)、プラビーン(ニック・ドダーニ)、そしてボーイフレンドのジェブ(ダリル・マコーマック)とともにストームチェイサーとして働いていました。チームは竜巻の強さを弱め、さらなる研究のための資金を確保することを目指しポリアクリル酸ナトリウムのビーズを大量に竜巻に打ち込むますが、竜巻がEF5にまで激化し一同は退散しようとします。しかしアディ、プラビーン、ジェブは竜巻に飲み込まれて死亡し、ケイトとハビは生き残るのてした。
5年後。ケイトはニューヨークで自然災害を予測して被害を防ぐ仕事をしていました。彼女は、故郷オクラホマで史上最大規模の巨大竜巻が連続発生していることを知ります。 そんな時、学生時代の友人ハビが突然連絡をよこして、ケイトに彼が開発した革新的な竜巻追跡システムをテストするため、手伝うように頼んできます。
ただ、過去の竜巻との忌まわしい出来事がトラウマとなっているケイトは、もう竜巻に関わりたくないと拒絶します。それでも必死に説得してくるハビに折れたケイトは、竜巻が連続発生している故郷の対策のために戻ることを決意するのでした。
故郷に戻った彼女は、竜巻を追いかける姿を投稿することでSNSで大活躍中の人気者でクールだがタフな男タイラー・オーウェンズ(グレン・パウエル)と出会います。竜巻が猛威をふるう中、ケイトとタイラー、そして対抗するチームは、オクラホマ中央部に複数の竜巻が接近するなか、前代未聞の計画で巨大竜巻と命がけの戦いに身を投じることになるのです。
●解説
ある者は科学的な研究のために、ある者は「バズる」動画を追い求めて。それぞれの目的を秘めて竜巻を追う人々はストームチェイサーと呼ばれ、実際に活動中の死亡例も報告されています。しかし本作に悲壮感はありません。「ミナリ」で脚光を浴びたリー・アイザック・チョン監督は、竜巻多発地帯のオクラホマで撮影を実施。畏怖の念すら抱かせる自然現象を視覚効果で映像化しながら、主人公たちの特殊車両が険しい大地を疾走する様を爽快に見せていくのです。まさに追いつ追われつ、怒濤のスリルみなぎる冒険活劇です。
さらに「ツイスター」にも盛り込まれていた「オズの魔法使」へのオマージュをちりばめ、ロデオなどの伝統的な風景を35ミリフィルムに焼きつけた映像世界は、どこを切り取心でもアメリカン。人命を救う使命感と気象への好奇心を大きな瞳にたたえたケイト、一見軽薄だがカウボーイの開拓精神を今に受け継ぐタイラーが織りなすドラマも、ほどよくロマンチックで古き良きハリウッド映画のようです。
ちなみに「ツイスター」では「シャイニング」上映中のドライブインシアターが竜巻に吹っ飛ばされましたが、本作では映画館がクライマックスの舞台となります。暑気払いにもうってつけの快作です。
●感想
話の組み立てが非常にいいのです。竜巻にここまでテンションが上がるのは不謹慎では?と思いましたが、臨場感と熱量に圧倒されて一気に新たな「ツイスターズ」の世界に引き込まれた。
竜巻の中に入って花火を打ち上げたりする、お騒がせユーチューバー集団が、時代の闇をあぶり出す役回りとなっています。これがリアルな現実社会を反映しています。
気象のプロであるケイトの足を引っ張りそうに見えたアマチュアのユーチューバー集団でしたが、ケイトの参加するハビの竜巻観測プロジェクトにスポンサーの疑惑が浮上。それに不信感を抱いたケイトとタイラーが接近していくという意外な展開。
ケイトは仲間を失ったトラウマを抱え、インフルエンサーのタイラーは欲望のままに突っ走ります。違いはあれど誰よりも“竜巻おたく”の2人が、恋愛感情ではなく知識や経験によって共鳴しあっていくのです。そんなフェアな関係が気持ちいいところ。カウボーイが似合うタイラーは、野性味とおちゃめさを持ち合わせていて実に魅力的でした。
日本では巨大竜巻には縁遠く、どうしても他国の出来事と見てしまいがちです。それでも異常気象の猛威に晒されている昨今のわが国の気象を思えば、巨大竜巻が決して他山の石と無関心を決め込むのはどうかと思うのです。
●最後にひと言
コンピューターグラフィックスで何でもできるし、動画配信サービスなら好きなだけ映画も見られます。それでも映画館に行く価値がある作品があるのか。最近のハリウッドは、そんな命題に応えようと懸命です。本作はその答えの一つ。巨大竜巻が全てをのみ込む恐怖と、壮大な自然の神秘とカタルシス。観客は登場人物と一緒に竜巻を追い続け、何か見えるかを体験するのです。ケイトとタイラーは観客を運ぶ乗り物となって、感情の波を作ります。巨大竜巻を描くスペクタルシーンは、まさに圧巻。できれば巨大スクリーンとドルビーアトモスでの鑑賞をお勧めします。大きなスクリーンに没入し、余計なことを考えないで見てこそ楽しめそうですし、これが小さなテレビ画面では面白さが半減することでしょう。
全416件中、41~60件目を表示