「竜巻好きにはいい映画」ツイスターズ タニポさんの映画レビュー(感想・評価)
竜巻好きにはいい映画
午後のロードショーかと思った。
いや、午後のロードショーでも名作は放送されるのだ。だがとても午後のロードショーのように感じた。この午後のロードショー感は何なんだろう、と思って観ていた。
前作(?)(序盤に装置だけ繋がりがあるようなものが出てくる)の「ツイスター」でも思ったのだが、自ら竜巻を追いかけ突撃し、その恐ろしさに震え、困難に立ち向かう、という筋に無茶があると思った。
本作でも、その無茶な筋書きは踏襲しつつ、新たに加わった要素としては、竜巻を測るだけでは無く、竜巻を除去するような仕組み(装置?)が加わったことである。またなぜかカントリーソングなど、カントリー色が強くなった。
たしかに竜巻が除去出来るとなれば、町や人々は救うことが出来るかもしれない。そこが現実的に可能なことなのか、科学的によく知らないので、今作で描かれたことが本当に可能なのかは判らない。
だが、例え可能だとしても、地球の環境の変異などは、竜巻の一つや二つ消した所でどうなることでもないようにも思う。
大切なものは守れるかもしれない。
だが、竜巻という自然のメカニズムを破壊し続けることは、更なる自然の破壊に繋がるのではないだろうか。じっさい作品を観ていても、そこのところが分からず伝わってこなかったので、何の為に研究しているのかさっぱり分からなかった。
「天気が好きでね」だけならば、竜巻を追いかける必然性はあまり強くない。
実験を思いついたから?
それだったら、思いついたことを試さずにはいられない狂気を描く必要も感じる。
どのキャラクターもじっさい何を考えているのか分からない。
良くも悪くもそのせいで、先読みはあまり出来ない映画だった。
一種の冒険ものと言えるのかもしれないが、そこに人々を助ける為とか、謎の善意が働くと、個人的にはよく判らなくなる。
それは例えば、あそこの犬は凶暴みたいだから近付いて脅かしてみようぜ、みたいな、子供達の度胸の張り合いぐらいの話に、謎の善意心(のようなもの)が入るようなもので、観ていて心地のよいものでは、少なくとも自分はなかった。
面白かったところ…。
うーん。
何であのYouTuberの男は主人公の前に現れる時、いつもひょっこり現れて来たんたんだろう。色々な理由が説明されたが、いや無理あるだろと割と思った。
面白かったところ…。
割と無い映画だった。
竜巻好きにはいい映画かもしれない。