「倫理的にギリギリのラインを上手く突いている作品」ツイスターズ やまちょうさんの映画レビュー(感想・評価)
倫理的にギリギリのラインを上手く突いている作品
子供の頃から根っからの竜巻好きの男女二人とその仲間が、それぞれ違う立場、異なる目的で竜巻を追いかける話。
まず特筆したいのは、ど迫力でまるで実際に竜巻の中に居るような稀有な映像体験!巻き込まれて飛ばされてるかと本気で思いました。真面目に伏せて、どこか掴んで足を踏ん張らないとですよ!
自然が猛威をふるい、人や家屋や車、鶏小屋(笑)までもが易々と吹き飛ばされ、無惨に空中分解されつつある中、興奮して目をギラギラさせながら危険を顧みず竜巻を追いかける主人公男女二人は「台風の進行予測範囲、暴風圏に入るとちょっと胸が高鳴る」の不謹慎な感覚の猛烈ブースト版。
この狂った情緒から生じる行動は本来、放映禁止措置の御触れが出てもおかしくないレベルですが、過去に大切な仲間、恋人までも竜巻被害で失いトラウマを背負った主人公の彼女は、竜巻を研究し被害を抑え込み人を救いたいという大義により正当化されます。
この倫理的にギリギリのラインを一歩出たり入ったりしながらエンタメにまで昇華するやり方が脚本、設定、演出的に本当にうまくて感心いたしました。YouTuberの男はよく考えたら最初からずっと足が出っぱなしだったけど(笑)、まあ誤魔化し方が別の意味でうまかったので良しとしましょう。
暇でなんとなくで鑑賞したら本当に素晴らしい完成度の高い作品で、良い意味で裏切られました。
迫力が半端ないのでみなさん、ぜひ劇場でご覧ください!
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