「竜巻街道」ツイスターズ レントさんの映画レビュー(感想・評価)
竜巻街道
ほぼ30年前に作られたスピルバーグの「ツイスター」のリメイク作品か、と思わされるような内容でかの作品とほとんど同じストーリー構成。違いは主演女優がかわいいことと、ナプキン素材を使って竜巻を抑えようというアイディアのみ。
竜巻映画もピンからキリまで、「シャークネード」というイロモノから「イントゥザストーム」のような一級のディザスタームービーまで既にやりつくされており、今更また竜巻映画を作る意味があるのだろうか、これはきっと現在地球規模の自然災害を引き起こしている地球温暖化がテーマになっているに違いないと期待してみてみたら、ほんとにただ竜巻の脅威と戦う主人公たちという「ツイスター」そのまんまの内容でありそれ以上でもそれ以下でもなかった。
ディザスタームービーとしても竜巻映像の迫力は「イントゥ」にはるかに及ばない。牛も飛ばないしね。またクライマックスで主人公たちが自分らの仕事をほっぽり出して町の人を救わなきゃあなんて押し問答するシーンがあるけど、彼らがいないと町の人を救えないってどういうこと。舞台となるオクラホマ州ってアメリカでは頻繫に竜巻が発生する竜巻街道のエリアだからその対策を行政はしてるはずだし、シェルターだってあるはずだろうに。避難指示も当然行政がやるでしょうし。強いて主人公たちがやるべきは電話でいち早く危険を知らせるくらいだよね、彼らを無理やり英雄にもっていこうとするストーリー展開が安直すぎる。
竜巻の勢いを本作のアイディアで抑えられるんならいいのかもしれないけど、今地球規模で起きてる災害は竜巻に限らないからね。水害や山火事が年々増えていて、その原因は地球温暖化。人類が生き方を変えない限りもう手遅れになると思うけど。ちなみに私はクーラーを使わないし、極力車も運転しない。私ができる温暖化対策はそれぐらいかな。
「ミナリ」の監督はおそらく依頼受けてこの作品を監督したんだろうなあ。主演女優さんも「ザリガニ」は良かったのに。ちなみに本作のうたい文句で映像の迫力は「トップガンマーベリック」なみって、単に出演俳優がかぶってるだけでしょう。
それにしても今のこの異常な暑さは私が子供の頃に体験したことのない暑さ。テレビのニュースでは毎年のように記録的な猛暑だと報じながら温暖化についてほとんど報じない。地球上の一握りの富裕層が出す温暖化効果ガスは全人類が出す量の半分以上を占めていて、そんな富裕層をスポンサーとする報道各局も富裕層にとって都合悪いことは報じないのかもねえ。