劇場公開日 2024年8月30日

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「パリ五輪の年にオリンピックを考える」ボストン1947 shironさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0パリ五輪の年にオリンピックを考える

2024年8月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

走るシーンのダイナミックな構図に、思わず力が入りました。
結末を知っているのにドキドキハラハラ。
最後まで諦めずに走る姿に感動しました。
さすがはカン・ジェギュ監督!
しっかりエンタメ、しっかり感動。
ユンボク選手の脚力を裏付けるエピソードには、人生で無駄な経験は一つもないと思えます。

…そう言えば、私が初めて見た韓国映画は『シュリ』でした。
当時はハリウッドばりのスケールの大きさに驚いたものでしたが
今ではオスカーを受賞するほどですもんね。

そして、エンタメ要素にはユーモアも不可欠!
ちょっと怪しい現地の保証人が良い味出しててお気に入りです。
ナムコーチ夫妻も良き。

この映画を知った時に、小学校の道徳の授業を思い出しました。
あれは、ベルリンオリンピックのソン・ギジョンさんのことだったのか…。
日本人じゃない人が日本人として走らされたことは理解していましたが、それが意味する植民地だったり、民族の尊厳だったりがピンときていなくて。
今更ながら事の重大さがわかりました。
=自分の国の国旗をつけて参加する=
ただ韓国人として出場する為に、その後にもこんなに大変な思いをしていたことを知って驚きました。

そもそも、国境があるから争いが生まれると思うのですが。
決して民族を否定するわけではなく、それぞれの文化を尊重しあえれば共存できるはず。宇宙から見た地球には国境線は無いんだから。
ボストンに着いてからのエピソードにも感動しました。

あと、当時の韓国の国歌も驚きでした。
あれ?既に日本から解放されたのに??と一瞬混乱しましたが、元はスコットランド民謡です。
それでもやっぱり複雑には違いない。

shiron