「見ればどんどん好きになる」アイ・アム セリーヌ・ディオン 病との戦いの中で imaxmaxさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5見ればどんどん好きになる

2024年7月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

興奮

幸せ

私のCeline Dion と意識しての出会いは (ディズニーアニメのデュエット曲は知っているが)”The Power of Love”から。2018年に初めて東京ドームのライブに参加しました。全盛期のライブを知らないので比較は出来ませんが、東京でのライブも十分満足出来る内容でした。

本作はドキュメンタリー映画です。病と闘う女性を描き彼女の職業がシンガーであっただけで、ライブ映像は多くありません。フル演奏は一曲もありません。その為 ある程度ライブ映像を期待していると評価は下がると思う。私も途中まであまり評価は高くなかった。しかし見るほど段々と評価が高まり、もっと彼女を知りたくなる。

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序盤 1年前のテロップから始まる。
本作は2021年に制作発表、2024年6月公開。 制作者の意図がわからないが、どうして年月を出してくれないの?1年前がいつか分からない。公開直後に見たのなら2023年かなと推測できるが。 ドキュメンタリーならいつ起きたのか、いつ そのように思ったのか、が重要だと思うのだが。
前半は本人のインタビューやプライベート映像、衣装や子供の事、その間に短いライブ映像が挟まれる。

中盤に映画のアフレコシーン。2023年公開「ラブ・アゲイン」。予告編にあるので間違いない。本人名の出演で劇中インタビューから実際の最愛の夫の死にオーバーラップ。そして”All By Myself”。生前の姿、葬儀、ライブで言葉を詰まらせる。もうこちらにも十分伝わる。夫からのプレゼント、マリア・カラスが持っていたネックレス。本作でマリア・カラスの楽曲が使われた理由が分かった。

簡単には公演をキャンセルできない重圧、ごまかす日々。もう耐えられない。病気の正確な告白を決意する。

終盤、2年ぶりのレコーディング、”Love Again”。しかしその後強い痙攣が起きる。脳への刺激が強すぎた。原因は歌ったから。辛すぎる、シンガーなのに。 でも回復したらやっぱり歌いたい。 “Who Am I” by Wyn Starks.

体調がどんな状態でも歌いたい。しかし、そこにはセリーヌの歌声が有る。万全でなくてもセリーヌはセリーヌ。

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映画での最後のメッセージ

I still see myself dance and sing. And I always find plan B and C,you know? That’s me. If L can’t run…
I’ll walk. If I can’t walk,I’ll crawl. But I won’t stop. I won’t stop.

…………2024.7.27 追記…………
エディット・ピアフのシャンソン「愛の讃歌」。
パリ オリンピック 2024 開会式でのセリーヌの歌唱。

エッフェル塔の中腹の特別ステージ、この夜は雨であったがしっとりと歌い上げる。
塔の上部から落ちる雨粒がライトに照らされる。カメラのレンズの💧さえ演出に思える。
歌唱後はその後の演出は全くなく開会式は終わる。大会関係者や選手さえも。セリーヌの姿と歌声が感動と共にいつまでも心に残る。素晴らしい演出でした。

歌うことですらストレスになる。今回の大舞台に挑戦する勇気を持てたことで、より好転に向かっていると確信したい。

imaxmax