「心平。なあ、おまえはここに居ればいいんだよ。」心平、 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
心平。なあ、おまえはここに居ればいいんだよ。
ここで生きていく、なのか。ここでしか生きられない、なのか。
ラストシーンを見るかぎり、ここで生きていこうとする心平の決意は感じるが、はたして彼ひとりで生きていけるのか不安は拭えない。結局誰かの助けは必要で、でもその助ける誰かも誰かの助けは必要で、結局社会は、何人もの人のつながりで成立しているのだろう。人それぞれに性格や能力があるように、人それぞれに社会における役割がある。心平は、心平のできることをやればいい。これは、閉塞した今の日本の過疎で日常的に起こっている問題。障碍者、高齢者、、社会の弱者はいくらでもいる。年老いた父と障碍をもつ兄を持つ妹のいちごだってその一人だ。
日本全国旅をしてもかつての繁栄の面影はいくらでも目にするが、華やかな未来を予感させる風景(それは大都会東京も含めて)はひとつもない。この先、日本はどうなってしまうんだろうという不安しかない。
先日、与党総裁選におけるニュースで、かの若手候補が「年金受給は80歳を越えてからでもいいのでは」と言ったそうだ。日本の男性の平均寿命は81歳なんだぞ?40年近く(もしかしたらそれも延ばすのか?)払ってきて、たった一年しか年金がもらえないってことか?
また、東大の授業料も来年から2割増し(54万5800円→64万2960円)だそうだ。国立最高学府はまったく縁はないが、それでも気の毒に思えてしまう。タダ同然でさえいいと思うのに。
国は、なにか方向性を誤っているよな。なあ、心平。
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