劇場公開日 2024年9月6日

「期待度◎鑑賞後の満足度◎ 面白い。も一回観たいくらい。現代の若者像を描いた映画ながら、人間て実はお互い“听不懂(言ってること分かんない)”の中で生活している事をそれとなく指摘してるんだよね。」ナミビアの砂漠 もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0期待度◎鑑賞後の満足度◎ 面白い。も一回観たいくらい。現代の若者像を描いた映画ながら、人間て実はお互い“听不懂(言ってること分かんない)”の中で生活している事をそれとなく指摘してるんだよね。

2024年9月13日
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鑑賞方法:映画館

※2024.09.15. 2回目の鑑賞。《TOHOシネマズ橿原》
①若い頃(1980年代に20代台)は「新人類」世代と呼ばれた私たち世代も、今の若い子たちからしたら立派な旧人類なんだろうな。
“男社会”どっぷりで育ち過ごしてきた身としては、本作に登場する男(の子?)達の軟弱ぶりに呆れてしまうが、それよりも(職場や恋人の親の前ではそれなりに常識的に振る舞いながら)同棲相手には対等以上に物を言い振る舞うカナの姿にいつの間にか惹き付けられてゆく。

②冒頭、今の子らしく片時もスマホを放さないカナだが、呼び出された女友達に打ち明け話を聞かされている間、目を丸くして聞いてる振りをしながら実は全く聞いていない(興味がない)河合優美の表情が先ず面白い。

③子供の頃や少年の頃は、自分が大きくなったら(大人になったら)少しは良い世の中になるだろうな、と全く根拠のない期待を持っていたけれど、50年くらいでは人間変わりませんな(まあ、自分も世の中良くするようなことしてこなかったので偉そうなこと言えませんが)。
ただ男女関係は確かに変わってきたように思う。
男はどうしても優位に立つために男の武器を使い勝ち(乱暴な振る舞いとか、力による乱暴とか、大声やドスの訊いた声で相手が話すことを遮るとか)。
本作の男達も例に漏れず同じような振る舞いをするけれど直ぐに謝る。
それは良いことだと思うけれども(自分が悪いのに謝れない人間はダメね)、直ぐ謝るくらいならしない方がよいのに、と思いつつ、「男社会」というのは実は本性は臆病で軟弱な“男”という生物が自分達を守るために作り上げたものなんじゃないかとも思ってしまう。



さて、ちょっと飛んで、題名の『ナミビアの砂漠』について。意味の取りにくい題名。
勿論、話の中身は砂漠の話ではないから、何かを暗喩していることは間違いない。
単純に「ナミビアの砂漠」というと「ナミブ砂漠」のこと指すけれども、「ナミブ」というは現地語で“何もない”という意味らしい。
現代という時代には「確かなものは」何もない、ということだろうか。

もーさん