シビル・ウォー アメリカ最後の日のレビュー・感想・評価
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ジャーナリストという立場を有効活用した傑作
見終わってまず思ったのは、ジャーナリストが主人公なのか、いや〜うまいな〜〜ということ。
うかつに制作に手を出すと、政治批判や派閥、社会に関する思想などが丸出しになりそうな題材をうまく扱い、映画として面白い作品に仕上がっていると感じました。
ジャーナリストを主人公にすることで中立・俯瞰的な立場から戦争の最初から最後までついていく。
それによって、戦争の全貌(映画に写っていて自分たちが見ている内容すら一部かもしれないけれど)を思想が偏ることなく見ることができると思いました。
廃墟となった遊園地のシーン。
末端の兵士たちはたぶんただ生きるために戦ってるんだろうな〜ということも思いました。
また、残虐な行為をするガソリンスタンドの青年や、差別主義者な赤いハント用サングラスの兵士(?)も、戦争によって浮き彫りな部分を目の当たりにして心臓がヒュッとなりました。
A24史上最大予算、最大規模の力がひしひしと伝わってきました。
予想とは違ってたが
観る前はフルメタルジャケット プラトーン的な戦争映画をアメリカの内戦としてみせ最後は白人政府側が勝利するんだろうなと思っていた。
実際は報道カメラマンからの視点で戦争を捉えたものでした。
内戦がどのように起こったのかは全く描かれず、ラストはホワイトハウスが制圧され大統領が殺される所で終わります。
映画としてはよくできていて面白かったのですが、個人的にはなぜ内戦が起こったのか制圧後どうなるのかの方が興味あるので、何とも消化不良な感じです。
アメリカ人ではないという理由で殺したあの軍人は西軍?
で大統領を殺した軍人が黒人の女性?
白人至上主義で移民対白人で内戦はじまったのかなと考えていたのですが違うみたいだなぁ。ますますわからん😭💦💦
従軍カメラマンの話なんですね。
命の価値
日常に戦争のある生活。
人間という生き物の難しさ
「エクス・マキナ」のアレックス・ガーランドが監督・脚本で、今話題の作品であるし、間違いなく今年のアメリカ映画の代表作になるであろう作品であり、基本的にアメリカという国は5年か10年おき位にこんな感じの内政不安をテーマにした問題作を必ず作っているので、本作もそんな中の選ばれた1本なんだろうという予想の下で、とりあえず見ておこうという気持ちで鑑賞しました。
で鑑賞結果ですが、映画的には面白かったです。尺も短めでスッキリとした出来上がりになっていて、恐らく若い頃に見たら大絶賛していた様な種類の作品ですが、この歳になって上記した様に同じような種類の作品群を沢山見て来た人間からすると、この作品の源流にある「人間なんて所詮この程度の生き物」という諦観と同様の、後ろめたさと後味の悪さの方が強く残った気がしました。
そして、これはアメリカの危機というよりも“二大政党制”の多いアングロサクソン諸国ならどこにでも孕む内在した危機の様な気がしますね。
本作で示されている非人間的な残忍性などは別に戦争や紛争の時だけに表出するモノではなく、元々人間にある遺伝子レベルの特徴であるかのような描写が、この作品の持つ怖さの様な気がしました。それを言ったらお終いという位に冷徹に人間の本性を描きたかったのかなぁ。
でも、主人公というか狂言回しには報道カメラマンという職業にしたり、その中でもサミーというヒーロー的ジャーナリスト役を配置したりで、人間性も少し挟みながらもラストカットのフォトショットの皮肉を超えた人間性に対する諦観は複雑な気持ちにさせてくれます。
これがこの監督の特色なのかな?後味は決して良くないのだけど、反面本質を見せられて納得(諦め)させられる何処か気持ち良さも感じさせられました。
しかし反面教師として“二大政党制”の危うさを理解しても、アジア・中近東・東欧・中南米諸国に多い“一党独裁制”が良い訳でもなく、人間という生き物を管理制御する理想的な(政治)システムなんて存在しないのかも知れませんね。
日本の様に“二大政党制”でも“一党独裁制”でもない中途半端な国が、案外しぶとく平和を維持出来るのかも知れないとも少しだけ思いましたよ(爆)
でも後味が良くないと言いながらも本作にしても、少し前に見た超胸くそ映画の『ニューオーダー』の様な映画にしても、こんなことを発せられるメディアってもう映画しかないのかも知れないっという事も感じるし、こういうことを発せられない世界こそ本当に人類の終わりの日の様な気もする。
想像より結構違いました。
映画を見る前に簡単なあらすじは見たのですがジャーナリストが戦火をくぐり抜け大統領にインタビューに行く何となくぼんやりと分かっていたつもりで、もっと激しい戦火をくぐり抜けていくのかと思いきや4人のジャーナリストがのんびりクルマで目的地まで向かいたまにトラブルに巻き込まれる感じで想像していたのとはかなり違ったので拍子抜けでした。もちろん戦いの中でのシーンも最後(ラスト)の方にはあるのですが全体で見ると少ない時間です。出演キャストに目を向けるとリー・スミス役のキルステン・ダンストさん個人的にはスパイダーマンの彼女役のイメージが強いです、というか彼女の作品ってスパイダーマン以外余り見てないというのもありますがwしかしスパイダーマンの彼女役をやってからもう20年近くも経つんですね、時が経つのは早いです。キルステン・ダンストさんも歳を取るわけだwジェシー・カレン 役のケイリー・スピーニーさんは映画の設定とはいえ行動が無謀すぎますね。最後はリー・スミスがかばって銃弾に倒れてしまいジェシー・カレンは助かりますが現実だったらジェシー・カレン 役みたいな無謀な人は戦場では真っ先に死ぬタイプでしょうね。無謀と勇気、勇敢は同じようで全く違うものですから。リー・スミスは最後の方では行動が控えめでしたがその事をよくわかっていた行動だったのかもしれません。リー・スミスや他の人もジェシー・カレンに対してそのこと(戦地での事)は何度か忠告はしていたはずですが聞く耳持たずって感じで太ったおじさんのサミーが一番わかっていたように思いますが。
凄く不思議な映画でした
A24渾身の一作ということで通常上映を鑑賞しました。
フィクションの端々にリアリティが感じられ、感情移入をなるべくさせないようにするストーリーが新鮮に感じました。
映像美、音響がしっかりと観客を世界観に引き込み、ストーリーがノイズにならない感じが良かったです。
しかし、これと言った突出するべきシーンや描写はなく、それもまたリアリティに徹底しているからなのかと感じました。
手放しに面白いと言える作品ではなかったので、この評価にしています。
Face
ロードウォームービーという感じの作品でスリルは抜群に感じられましたが、どうにも奴の存在がノイズすぎて物語の重厚さにのめり込めず惜しいなと思いました。
序盤から街中で起きている暴動を撮影するカメラマンたちが映され、やがて大統領への取材が行われていないことに違和感を持ってホワイトハウスまで向かうといったストーリーで、思ったよりゆっくりしたスタートで拍子抜けしてしまいましたし、ダラダラしてるなと要所要所で思ってしまいましたが、ホワイトハウスへ近づいていくごとに不穏さが増していき面白くなっていきました。
途中で武装している人々に捕まってしまい、人種を問われて答えるとアメリカ人にも種類があると言われてぶっ放されて、香港と言えば有無を言わさず殺され、とやはり根本から根付いたものは消せないのかと虚しくなりましたし、でも自分の国以外の人と接する時は違和感を感じるし、接客業に就いているのもあって、日本なんだから少しは日本語喋りなよと思う自分もいるので、その拡大解釈版がこの武装している人なのかなと思いました。
最後のホワイトハウスへの突撃の緊張感は凄かったです。
敵か味方かの区別がつく前に行動して銃をぶっ放す、その様子を戦場カメラマンが激写していくという命懸けも命懸けな様子をスクリーン越しとはいえ観れたのは本当に貴重な体験だと思いました。
見境なく撃たれる銃弾、敵だと判断したら即座に射殺、とにかく前へ前へ突き進んでいく傭兵たちに天晴れですし、あんなとこで武器無し丸裸で交渉なんて無理があるんだなとSNS社会とは真逆の言葉が全く効かない世界線は強烈に映りました。
どうしてもジェシーの勢い任せの行動が引っかかり続けてしまいました。
最初から掛かり気味な部分は気になりましたが、若者ってそういう感じだよなとなんとか納得していたんですが、車から車へ飛び移る時は完全に調子に乗っていたと思いますし、勝手に飛び出しては犠牲が生まれて、また勝手に飛び出しては犠牲が生まれてを繰り返してやっていたのでマジで反省の色も何も無いなと観ながら最高にイラついてしまいました。
あれぐらいのハングリー精神が無いと戦場では生き抜けないとは思いつつも、お前のその行動が無ければ無事だった命もあったんだぞと誰が引っ叩いて欲しかったです。
他の創作物でもこういった感じで単独行動に出るカメラマンって悪びれなくやるから本当にタチが悪いなと改めて思いました。
ただジェシーがある種の怪物になったかのような表情はとても良く、「プリシラ」「エイリアン ロムルス」に続いてケイリー・スピーニーの演技力をまざまざと見せつけられました。
ドンパチ戦闘シーンが後半に偏っていたのもあって前半の物足りなさはありましたが現地にいるような映画体験ができたのはとても良かったですし、他人事だなんて思えない事象が飛行機で行けるところでは起こっているんだなと少し肝を冷やしました。
鑑賞日 10/5
鑑賞時間 9:50〜11:55
座席 L-9
質が良くて、音響は素晴らしい
素晴らしい映像で、迫力ある音響で、体感的にはなかなかいいんですが、内容とか演出に疑問符が・・・
いきなりシビル・ウォー・・・まぁ別にそれでいいですけど、その唐突感がずっと続いて、終幕しても大きな構図が見えません。視点がずっと内向きで狭くて、しかも語られるのは常に戦場カメラマンにまつわる事柄。そこから殺し合いの悲惨さを描き出そうとしているとは思うのですが、せっかくのシビル・ウォーがもったいない・・・と思っちゃいました。
演出も、あまりに近い撮影シーンがめっちゃ不自然な感じを受けるし、劇中に流れる音楽が唐突だしどういった意図で流れているのか分からないし、迫力ある戦場をリアルに描いているところに少し場違いな音楽ばかりで、正直邪魔に思えてしまいました。
突然始まり、突然の戦い、突然の出会いと別れ、突然の恐怖や悲しみ・・・あらゆるぶつかり合いで魅せようとしているのは分かるんですが、すべてがすべて唐突で説明を極力抑えているために、意味分かりません。
落ちも結局それかよ・・・と思っちゃいましたし・・・しかも、なんで殺っちゃうのかホント意味が分かりません。あまりに内内で戦闘の構図をまったく見せてくれないので、戦いの意図が分からん殺し合いだけが目の前で展開されている感じでした。
昨今のアメリカの情勢とこのタイトルなので、色々と意味深い内容を期待しちゃうところなので、見て、勝手に肩すかしを食らったような印象になっちゃうんですが、質のいいエンタメ映画ではあります。ただ、個人的にはこの作品の演出はちょっと・・・ってな感じです。
んー、ちょっと想像してたのと違った
【シビれル映画】
アメリカの内戦という大いなるもしもを、トランプ風刺でリアリティ満載に描く。戦場の音を巧みに表現して実はラージフォーマット向き。色んな意味でシビれル一本。
◆概要
【脚本・監督】
「エクス・マキナ」アレックス・ガーランド
【出演】
「スパイダーマン」シリーズ キルステン・ダンスト
ワグネル・モウラ
「DUNE デューン 砂の惑星」スティーブン・マッキンリー・ヘンダーソン
「プリシラ」ケイリー・スピーニー
「エクス・マキナ」ソノヤ・ミズノ
「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」ニック・オファーマン
「パワー・オブ・ザ・ドッグ」ジェシー・プレモンス(キルスティン・ダンストの実夫)
【製作費】
$50,000,000(推定。A24における史上最高額)
【公開】2024年10月4日
【上映時間】109分
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◆以下ネタバレ
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◆大統領
大統領が“大勝利”間近である事を何やらカメラに向かって熱弁する様子から始まる冒頭。終わってみればこの“大勝利”は大いなる虚構であり、二期までの大統領就任期間を3期まで広げた(というセリフがあった)横暴ぶり。大統領に始まり大統領に終わるこの物語は、つまりこの男が諸悪の根源であり、全ての発端だとこの冒頭で記していた。監督は、ファシズムや暴力的な言葉に対する怒りが本作製作の根源だと語っており、また、この大統領はトランプを意識したとも明かしている。この物語が、現世で一歩道を間違えれば現実のものとなりうる恐ろしさで満ちていたのは、監督のそんな思いや演出からくるものだと思った。
◆狂
そんな大統領を発端として、人間の“狂い”が描かれていく。冒頭の自爆テロから、ガソリンで火をつけられる黒人、吊るされた死に際の男達、ウインターランドでの銃撃に死体を踏み越える描写や、兵士3人に袋を被せ不必要に散弾を浴びせるシーンも狂気。なんと言ってもインパクトなのはバージニア。ジョエルを演じた役者が演技後30分泣き続けたといい、死体の山を前に次々と仲間が撃たれていくあのシーンのおぞましいこと。戦争が人を狂わせる事がこれでもかと映画全体で描かれ、そしてそのリアリティが強烈だった。また音も印象的で、轟音の銃声や微かなうめき声に(IMAXだったので尚更)震えるし、次々と銃殺するシーンにポップスが乗る、とてつもなく異様な音の演出も。特に意味はないらしいがオープニングクレジットのテストトーンも、エンドロールに入るグランジ的な曲も不気味。音による“狂”の演出も際立っていた。
◆ラスト
リーが銃撃に倒れるラスト。思えば、“勃起するほど興奮する”とジョエルが表現していたように、また前項のように、戦場が人を狂わせる事を懇々と描いた本作。英語で銃を撃つshootと撮影するshootは同じ単語であり、ホワイトハウス内では、まるで兵士の銃と同期するようにジェシーがシャッターを押していく。つまり、ジェシーもある意味戦場の毒に侵されていた訳で、リーがジェシーをかばったのも、銃撃回避の物理的なものはもとより、堕ちていくジェシーを救う精神的なものでもあると思った(あの場でリーが撮る写真はカラー、ジェシーのそれはモノクロであったのも、それを暗示する演出か)。リーがホワイトハウス前で吐き気を催していた事に、どうしたリー?と見ているこちらも不思議になるのがミソ。リーの反応が本来正常で、見ている我々すら本作を通じて戦場の毒に侵されている訳だ。リーの願いも叶わず、見捨てて進むジェシーの姿がなんとも悲しい。大統領の死体に笑顔で写真に映る兵士達が、人の死に無感情となる本作の極め付け。わきに映る残党は、おそらく何かしらの反抗をその後企てる訳で、戦争が生む憎悪の連鎖、戦争が終わらない事を暗示する演出。現実であの元大統領が引き起こしかねないとてつもない罪を、ラストで重々しく表現していたと思う。
◆関連作品
○「エクス・マキナ」('15)
ガーランド監督の長編初監督にして代表作。第88回アカデミー賞視覚効果賞受賞作品。プライムビデオ配信中。
◆評価(2024年10月4日現在)
Filmarks:★×3.8
Yahoo!検索:★×3.0
映画.com:★×3.9
キルステン・ダンスト≒キョンキョン
ドルビーシネマで鑑賞。
全編に渡って緊張感が凄まじい。発砲音で椅子から飛び跳ねたこともたびたび……。
キルステン・ダンストの貫禄と人間性が誰かに似てると思ったら、今現在の小泉今日子のような気がした。
SNSでは彼女の実際のパートナーであるジェシー・プレモンスが演じる赤メガネのレイシストのキャラが一番盛り上がっているようだけど……たしかにあのシーンはキツイ。特にアジア系にとってはガツンとくる内容だった。
落ち着いて振り返ると新米カメラマン・ジェシー演じるケイリー・スピーニーもイイ。
冒頭の自爆テロに巻き込まれるところから、死に直面するトラウマ地獄を経て、終盤のホワイトハウスまで、短期間での成長をくっきりと表現してくれていた。
シリアスなシーンと陽気な音楽の落差が際立つ。
『プライベート・ライアン』のように戦場に引きずり込むような映画だった。
報道カメラマン目線の緊張感あるアメリカの内戦を描いた作品。 本年度ベスト!!
終始リアル感のある生死の狭間にいる報道カメラマンの生き様を描いた作品って感じ!
ベテランカメラマンのリー。
新人カメラマンのジェシー。
この2人を中心に進むストーリー。
大統領の独占インタビューを取材しようとニューヨークからホワイトハウスのあるワシントンまで車で移動するロードムービーって感じ。
ホワイトハウスまでたどり着くまでの道中で起こる生死を分ける様々な出来事が見所だった!
報道カメラマンの真実を伝える使命感みたいなのが心に刺さる。
命懸けで写真を撮る生き様は何がそうさせたのか?
気になるところ。
新人カメラマンのジェシーがカメラマンとして成長するのに反して、ベテランカメラマンのリーに恐怖心が芽生えて行く感じに考えさせられた。
ホワイトハウスでの銃撃戦の迫力がハンパ無い!
武器も持たずカメラだけで戦地にいるカメラマンってスゲーな。
アメリカの国旗の星の数が50個から2個になってるのが少し笑えるけど近い将来あり得るかもしれないと感じた。
ラストが衝撃的だったけど新人カメラマンのジェシーのこれからの成長が気になる(笑)
エンドロールの写真。
兵隊の笑顔の先に何があるのか?
考えさせられました( ´∀`)
警告か、皮肉か。合衆国が終わる日
戦争映画は詳しくないので、戦闘シーンが良く出来ているのかは分かりませんが、もしアメリカで内戦が勃発したら、こんな感じになってしまうんだなと思わせます。狂ったように殺し合う群衆、相手が誰だろうと、いや誰かなんてどうでもいい、殺られる前に殺るのは当然という思考。
残虐な行為そのものより、それを平然とやってのける人間に嫌悪感を覚えます。
一方では見て見ぬフリをして関わらないでおこうという人々。でもそれを非難できるでしょうか。それにアメリカ中が内戦に参加したら、本当にアメリカは終わります。内戦は何も生み出さない。生産する人間は必要です。
本作に登場するジャーナリスト達は後世の為に記録を残すと言っているが、特ダネが欲しいとしか見えませんでした。
カメラマンのリーたちが大統領にインタビューに向かう道中で銃を向けられ、「我々はアメリカ人だ」と告げると、「どういうアメリカ人だ?」と問われるシーンは印象的ではありますが、内戦してるんだからそりゃ聞かれるだろうと思いました。これが日本で銃を突きつけられて、「お前はどんな信仰をしてどこの党を支持しているか」と聞かれたらとても恐ろしいですが。
ストーリーの方はあまりリアリティを感じませんでした。西部勢力がいよいよホワイトハウスの前で銃撃戦、なのに記者たちはあっさりと建物に侵入、それを見て兵士たちが続いて入っていく。すると中では既に職員が銃殺されている。爆撃のせいではないみたい。それなら先行部隊がいたはずですがどこに?という感じでした。
カメラマン志望のジェシーは自分から飛び込んだ戦場の凄まじさにべそをかいていたが、次第に感覚がマヒしていく。これを逞しく成長したと捉えれば面白いのかもしれませんが、自分の身も人の命も大切にせずに踏みつけていく彼女が、私にはとても不快でした。
寓話の中の真実
投票妨害する、内なる敵には、州兵でも連邦兵でも動員。これを討つ…。そうのたまうヒトが、大統領選に出馬しています。西部共同軍が結成されるのも、時間の問題ですね…。
こういう映画造る、現在のユナイテッド・ステイツに、心底恐怖を覚えます。
この映画は寓話です(今のところ)。ただこの映画の描写するものは、寓話でしょうか(そんなわけないよね)。ウクライナの首都、キーウ近郊のプチャと云う街には、知られたくない現実があるそうです(きっと、紅いサングラスした兵隊も、いたんだろうな…お前は、どの種類のウクライナ人だ?)。興味のある方は、調べてね。その上で、この映画の、とあるシーンを思い出してほしい。きっと貴方も吐きますよ。
…あんな世界にしたくなかったから、写真を届けた。でも、あんな世界になった…。
祖国の今に背を向けるリー姐さんと、祖国の今に立ち向かうことを選んだジェシー。皆様なら、どちらを選択します?。私なら、見て見ぬふりしそう(屋根の上のスナイパーも、見て見ぬふり)。
例えば「フルメタル・ジャケット」。ヒトがヒトを殺す愚かさを、冷徹に描くことで、ヒトの狂気を浮かび上がらせました。ところが、本作は、そんな愚かささえも、あざけ嗤うような、当事者特有の狂気に満ちています。人の命?。それにどんな価値がある?。そもそも俺たちは、人殺しの末裔だぜ?。
かつて市民革命が、絶対王制をギロチンにかけたように、耳障りのいいポピュリズムが、民主主義を絞首台におくる日が来るのでしょうか。
アメリカ国内でアンケート。自分の信じる政治信念が実現するのなら、暴力を含むあらゆる手段が認められる。そう思うヒトが、8%くらいいたそうです。
さて、皆様は、誰に投票します?。その投票用紙は、政敵を血祭りにあげる道具ですか?。あるいは…。
現実のよう
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