シビル・ウォー アメリカ最後の日のレビュー・感想・評価
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非リアルな設定から生まれるリアル
内戦に至った経緯は基本語られません。
大統領3期目とかFBIの解体とか断片的な示唆はあれど、それがどういう時制で実行されたかまでは最後まで不明です。
そうしたディテールを追うのではなく、なぜか内戦が起きたアメリカで、アメリカ国民がどうなっていくのかを描いた作品です。
序盤から中盤はロードムービー。
混乱の中にもまだギリギリ正気が残るニューヨークから、14ヶ月インタビューに応じていないという(なぜ…)合衆国大統領にワシントンD.C.までコメントを取りに行くプレスメンバーを軸に話は進みます。
この間、ハートフルな内容はほぼなく、基本スリラー。
挿入されるアメリカ音楽をバックに、人々が死と隣り合わせの時間を過ごすなかで、どう狂い、或いは狂わずに生きているのかが、謎に満ちたまま淡々と、しかし具体的に描かれていきます。
終盤は戦争映画的なドンパチがメインに。
ただ、勝敗は既に決しているようで、一進一退の攻防と言うよりは完全なる掃討戦といった様相。
プレスたちがそれをどう切り取るか…でエンディングとなります。
内戦の構造的には、蜂起した西部中心の州とまだまだ多くを束ねる連邦政府の対立ですが、敵も味方もアメリカ人という中で、正直日本人の私にはどちらが西でどちらが連邦なのか、シーンによってははっきりしなかったりも。
ただ、恐らくこの映画で、そこはあまり重要な要素では無いのでしょう。
ニューヨークで澄まし顔で仕事をこなすホテルマン、廃スタジアムで疲労の色を見せつつも責任感を持ってキャンプを運営するボランティア、隔絶した田舎町で仮初の平和を謳歌する女性店員、アメリカ的かを問いながら市民を虐殺する西部軍兵士…
ラストのホワイトハウスで最後までいわゆる「現代のアメリカ」を維持し続けているSSと政府高官達を含め、極限の状態だからこそ浮かび上がるそれぞれのキャラクターに、アメリカという国を感じました。
その意味で、(内戦という)状況自体は非リアルですが、そこにいる人々が極めてリアルに浮かび上がる映画でした。
アメリカ的に絶対正義であるワシントンとホワイトハウスを人の手で容赦なく破壊し、報復もない(しようがない)米映画、という部分でも価値がありそうです。
しかし、本当にこんな状況になったら日本は政治も経済も軍事も大混乱なんだろうな…。
海外の動向は基本言及されないですが、数少ない情報として米ドルよりカナダドルのほうが価値があったり、中立地としてアラスカ・グリーンランドという具体的な地名が出てきたりするなかで、非現実とは知りつつ、そんなことをぼんやり考えさせられたのでした。
同じアメリカ人なんだから、話し合いで何とかしようとか相手に対する憐...
誰が敵なのか?誰が味方なのか?
一筋縄ではいかない映画
アメリカの内戦を描いた話。
ジャーナリスト目線での話なので、戦闘シーンはところどころに出てくる感じ。
ワシントンへ大統領のインタビューをするために向かう道中記。
カリフォルニア州とテキサス州の同盟からなる西武勢力と政府軍が戦っていて、政府軍が負けそうな状況。
なぜアメリカ国内が分裂したか等は特に説明されない。
同じアメリカ人同士が殺し合っている。
実際に人が殺されるシーンがたくさん出てくる。
結構ショッキングです。
あとは、とにかく戦場記者が戦闘員のすぐ近くで写真を撮っている。
戦場カメラマンがココまで命がけで取材している理由が分からなかった。
ジャーナリスト魂なのか、お金のためなのか。。
予告から、派手な戦争映画を少しイメージしていたけど違います。
ヘリ・戦闘機・戦車なんかも少しは出てくるからお金がかかってない事はないと思うけど、戦争大作という感じではない。
戦争が無いような生活している町の描写もあったりして、皮肉が込められているところもある。
(図書館戦争を思い出した)
また、映画館の音響を感じた映画でした。
爆発シーン等での音響は体に響く感じで迫力があった。
これは映画館じゃなきゃ味わえない。
それと、この映画吹替が無いのよね。
配給会社の問題でしょうか?
主演はキルステン・ダンスト。
彼女の顔を見る度に、『インタヴュー・ウィズ・ヴァンパイア』での彼女を思い出した。
それだけインパクトがあったんですよね。
あとはとにかく、ケイリー・スピーニーが可愛かった。
彼女の存在はまったく知らなかった。
帰ってから、ネットで調べてサブスクで『プリシラ』を見た。
いま26歳らしいけど、彼女は童顔ですね。
その童顔を活かして良い演技だったと思う。
一筋縄ではいかない映画でした。
映画に込められた皮肉をどうとらえるかは見る人次第だと思う。
私は楽しめました。
深く考えてはいけない
戦争は単なる殺し合い
この作品程、予告編で抱いた作品とかけ離れた作品は初めてです。予告編イメージでは、分裂内戦B級的映画でした。まさかカント的映画だとは。静粛シーンにそれを感じ、恐らく写真は無音のメッセージを表したんだと思いますが、そのシーンで色々な思い、思考が交錯しました。
ダンプトラックの、米国人てどんな米国人?、のシーンは、恐怖心を持って観てました。又、ラストの、若い女性カメラマンのシーンも衝撃でした。
米国では南北戦争はシビル・ウォーですが、この作品のシビル・ウォーは、それとは違う戦争、正にシビル・ウォーでしたね。
中国人に慈悲はない
戦争映画の一種とすれば普通だとは思うが、期待していたものは見られなかった。
個人的に、アメリカという大国が分裂したことでどうなるか、を描くと思っていた。
しかし正直どこの国でもよかったと思う。(一部アメリカ的な考えは出てきたが、主題ではないし)
内戦の発端も明かされないので、没入も出来ず。
上記2点から、戦争なんて始まってしまえば全部同じか、なんて思ったり。
各々のジャーナリズムも語られないため、危険を冒して撮影を続ける動機も分からない。
サミーなんて一切取材する様子もないし、何しに着いてきたの?
そのサミーの死を受けてなお止まらない理由、どころか辞めるかどうかの葛藤があったかさえ不明。
リーは腑抜けだしたし、ジェシーはよりのめり込んでたので、何かしらあったのだろうけど…
WFが大統領の抹殺に成功するが、きっかけも目的も知らないから、分かったのは戦争が終わったことだけ。
自らを庇った人の死にシャッターを切る気持ちも、死体を囲んで笑顔でチーズする気持ちも理解できない。
戦時下とはいえ、誰にも共感できなかった。
ジャーナリストのフォローしながら戦闘しなきゃいけない兵士は大変だなぁ。
What kind of japanese 関西人 or 関東人❔
最後よく分からんかった
意味がない!自分で価値を決める映画
A24だった。
アメリカを内戦に至らしめる政治的な分断を描いた、近未来的エンターテイメントの映画だと思っていたら・・全く違いました。
なるほど・・「エクス・マキナ」「スイス・アーミーマン」「ロブスター」「ミッドサマー」「関心領域」などなどの一癖二癖ある映画を創るA24の制作だったのね・・・・。
ジャーナリストの目を通した、戦争という人間の狂気を描いた感じ???。別にアメリカの内戦じゃなくても成り立つお話だけど・・。狂気をさらに際立たせるために、わざわざ内戦にしたのでしょうか♪ ちょっと、日常の安定が崩れたら、皆んなこうなっちゃうよ・・という感じかな・・・。
西部カリフォルニア、テキサス連合・・と東部政権の東西戦争。でも、カリフォルニアとテキサスは仲良くはならないのでは??と思ったり・・。
監督は、アナログカメラ NIKON FE2 love なのだろうな♪
追記
なるほど、「シビル ウォー」Vogueのカメラマン、Lee Miler のオマージュ的な映画でもあったのか♪ 背景を知ってると知らないとでは、観方が随分変わる♪
戦争は怖い…
映画館の予告とTV CM以外の情報を一切入れないで見に行きましたが、思っていた感じと違う…
正直、ジャーナリストの友人の出番迄はちょっと眠くて、銃声の音で『ハッと』したりして…
それ以降はラストまで一気に突っ走ります!
まあ、戦争が如何に人間性を損なうかって事で、だんだんと人間を被写体としてしか感じられなくなる女の子が恐ろしい…
なんで米国が分断したのかなんて全く出てこない!
今のアメリカじゃ、色々有り過ぎてなんでも良いって
事かな?
ジャーナリストだけの視点で突き進む戦争映画
アメリカの戦争=力ずくで殺す
寝落ち
現代の地上戦と、戦争ジャーナリズム
救いがたく分断したアメリカの現在を苦めのフィクションとして描く・・みたいな映画を想像していたが違った。
「現代の地上戦」と「戦争報道」をリアルに描こうとした映画。大統領が一党独裁型の政府を構築していてそれに対抗するカリフォルニア州+テキサス州が蜂起、というストーリーらしいが、対立軸はほとんど重要性をもっていない。何をめぐって誰がやるにせよ、地上戦の実態はこれだけ凄惨なものなのだということが描かれる。
アメリカ本土でこれだけ凄惨な地上戦が起きるとしたら、たしかに内戦(シビル・ウォー)以外にないだろう。他国がアメリカ全体を敵に回してアメリカ本土に上陸してこんな地上戦を展開できるとは思えない。
戦争報道のありようは主に、ベテランカメラマンとカメラマン志望の若者(両方女性、だから「カメラマン」じゃなくて「フォトジャーナリスト」と言うべきか)を通して描かれる。描かれる戦争報道は昔も今の変わらない王道のジャーナリズム。人が死のうが殺されようがそれを助けるのではなく、写真を撮る。より悲惨なことが起きればより良い写真がとれるかもしれない、そういうジャーナリズム。何のために、という問いが重すぎてジャーナリスト本人が耐えられなくなるような、ジャーナリズム。
未来社会の報道といえばフェイクニュースをがんがん作って垂れ流す、という描き方が多いと思う。それとは違ってアレックス・ガーランド(監督・脚本)は、本来の、というか昔から変わらぬ戦争ジャーナリズムをリアルに描こうとした。そのこと自体が彼のメッセージだろう。
思ってたのと全然違う展開だったけど、好き💜
なんて書こうか考えてるうちにどんどん変わっていってしまいそうなので、とにかく書く!
(映画の最中)
・え?ロードムービーなの?聞いてない!
・リー女史、酸いも甘いも嚙み分けてきた面構えしてる(演技とは思えないほど!)
・ケイリー・スピーニー可愛いぞ💜
・戦時下における張り詰めた環境下では車のバックシートで夜中話をするジェシーとジョエルのあのシーンに妙なエロスを感じた。学生時代の“なんかコソコソ悪いことしてるかも”のソレと似てるかも。
・有事の際でも息抜きは大切。でも行き過ぎた馬鹿は命を危険にさらすのね。
・逃げ隠れ、最後の最後まで自分のことしか考えられないよぉな大統領が(架空とわいぇ)なんで3期当選してんの??
(観終わった後)
・捕らえられて殺されそうになってるようなシリアスな場面での夫婦共演とかなんか気になっちゃうから好まない派てす。(ただし、今回は観てる最中には気が付かなかった💦再鑑賞することがあったら気になっちゃうなー、お二人が。)
・内戦に至った経緯……作中では触れられてないからこの辺りも“ご想像にお任せします”なのかな😅アホの大統領が3期目に突入してる感じからしてアメリカ国民の判断力そのものが崩壊しちゃって起きた!?それとも国民の政治への無関心さが生み出した悪夢??それに警鐘を鳴らしてるの??
観終わった直後には正直この映画が良かったのか悪かったのか、好きなのが嫌いなのかすらよくわからなかった。とにかく疲れた。酸欠にもなるし、酸欠によって引き起こされる頭痛も起きた(オッペンハイマー以来だな)。グラシネIMAX GTで観たおかげで迫力凄くて戦争の恐ろしさだけでなく『ヒトコワ』までもが助長された気がする。
でも2日経った今でも鮮明に思い出すし、むしろペールな色合いだった作品が自分の記憶の中でどんどん色鮮やかにビルドアップされていく不思議な感覚。
作中たまに見え隠れするA24のアート性の強い描写……。要るとも要らないとも判断しがたいけど、結果悪くない、かな。
A24信奉者ではないけど、独自性の確立は大切✨後押ししたい‼️
その行く先は…
近未来のアメリカ合衆国の内戦の物語。
カリフォルニア&テキサス州からなる西部勢力vs政府軍による争いにより、緊迫する米国内。
大統領へのインタビューを敢行しようとワシントンD.C.を目指すジャーナリストたちの行動と共に描かれる。
今作は自国民同士の戦い。
内容はあまり好きではなかったが、あり得る話だろうし、こわい。人類の戦いは、現実にいつまでもなくならず繰り返されている。
元は50州あるアメリカ、分断というかほぼ崩壊。
前情報少なめで鑑賞したため、通常のウォー・ムービーのように兵士がメインキャラだと思っていたので全然違った。ジャーナリストたちの使命をも考えさせられる。
終盤の戦闘シーンは凄まじかったと思う。
ジェシーにムカムカしたが、経験不足で無鉄砲、それが若さであり、みな手探りでその道を辿り、(良識ある)先達から学ぶのだ。
初めは本当に子どもかと思った小さい彼女、「プリシラ」のケイリーとわかり納得。
「エイリアン:ロムルス」と大活躍ね!(見てないけど)
ちなみに…「防弾ベスト」という字幕を見た時、そういや自分の聞きなれているのは「防弾チョッキ」だなと。年を感じてしまったのだった(笑)
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