「地獄に生まれた赤ん坊」シビル・ウォー アメリカ最後の日 Raspberryさんの映画レビュー(感想・評価)
地獄に生まれた赤ん坊
キルスティンのカッコ良さが、この問題の深刻さを冷静に物語っていた。性別を超えて、〝ひとりの大人の人間〟を素晴らしい表情で演じきっていた。
甘ったれたところがないベテラン戦場カメラマンの彼女が、サミーの死に顔だけは削除した。冷静なプロも、仲間の死をニュース写真として大衆に消費されることを拒んだのだろう。
一方、地獄に生まれ落ちた赤ん坊みたいなジェシー。ジェシーは自分を庇って死んだリーを躊躇なくカメラに収める。
それでいい。
いずれ大人は死ぬ。若者がどんな大人になってどんな世界を作るのかはわからないけど、どんなときも自分で選択する覚悟と、骨太のジャーナリズム精神だけは受け継いでほしい。よろしく頼みます。
「終わらない週末」の少女に対する、大人からの悲願のように感じた。
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