「米国の近未来内戦とそれを取材する新旧のジャーナリストを描き、とても興味深まった。」シビル・ウォー アメリカ最後の日 Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
米国の近未来内戦とそれを取材する新旧のジャーナリストを描き、とても興味深まった。
アレックス・ガーランド 脚本監督による2024年製作(109分/PG12)によるアメリカ映画。原題または英題:Civil War、配給:ハピネットファントム・スタジオ。劇場公開日:2024年10月4日。
米国大統領が何の敬意や躊躇いも受けずにブチ殺されたことには、物語とは言えかなりショックを感じさせられた。ただ、任期を超えて居座りFBIも解散させた独裁者ということだから、この結末も当然ということかもしれないが、裁判も無し?とは思った。
主人公がベテランと新人の女性ジャーナリスト二人(キルステン・ダンストとケイリー・スピーニー)というのは、上手い設定だと思った。ラストの役割交代劇も、予想通りとは言え、強く印象に残った。
あとやはり、香港生まれと聞いて問答無用に撃ち殺す人種差別者の赤いサングラスの男(ジェシー・プレモンス)は、イメージとしてのトランプ支持者を象徴している様で、強烈なインパクトを受けた。
東海岸のエスタブリシュメントへの反感は大と聞くので、カリフォルニアとテキサスが連合して、ワシントンに進軍してホワイトハウスを攻撃するというストーリーは、多少リアリティも有り、面白いと思った。ただ、一番の主題は内戦というよりも、戦争下のジャーナリズムにあった様に思えた。自分を庇って撃たれてしまうキルステン・ダンスの姿を、感情に支配されずスクープ映像として冷徹に撮りまくるケイリー・スピーニーの憑かれた様な姿こそが、メインテーマであると。
監督アレックス・ガーランド、製作アンドリュー・マクドナルド、 アロン・ライヒ 、グレゴリー・グッドマン、製作総指揮ティモ・アルジランダー 、エリーサ・アルバレス、脚本アレックス・ガーランド、撮影ロブ・ハーディ、美術キャティ・マクシー、衣装メーガン・カスパーリク、編集ジェイク・ロバーツ、音楽ベン・サリスベリー、 ジェフ・バーロウ。
キャスティング
フランシーヌ・メイズラー、リー・スミスキルステン・ダンスト、ジョエルワグネル・モウラ、ジェシー・カレンケイリー・スピーニー、サミースティーブン・マッキンリー・ヘンダーソン、アニャソノヤ・ミズノ、大統領ニック・オファーマン、ジェシー・プレモンス、ネルソン・リー、エバン・ライ。