「殺し合いをしている者だけが異常では無い」シビル・ウォー アメリカ最後の日 HSKさんの映画レビュー(感想・評価)
殺し合いをしている者だけが異常では無い
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戦争の持つ狂気に染まってしまった様々な人を見ることができました。
出てくる人異常な人ばかりです。
初めは戸惑っていたカメラマン志望のジョエルは戦場写真を撮ることに慣れ、どんどんのめり込んでいく。
危険な場でも躊躇いが無くなり憧れの先輩が自分を庇い犠牲になっても写真を優先する。
もう彼女には殺し合いしか目に入ってないんですよね。
もちろんそれを目的にワシントンまで来てるわけですが。
でも戦場カメラマンのプロ意識とかそんなものとは違う狂気を感じました。
反対にキルスティンダンスト演じるリーはワシントンに近づくにつれ熱が冷めていくかのように。
足元に咲いている草花に目を向けたり、ワンピースの試着で久しぶりに自分の身なりに気付いたり。
戦場写真にハマっていくジョエルはかつての自分を見るかのようなんでしょう。
彼女と行動を共にしたことでリーはまともな当たり前の日常感覚に気付き取り戻せたのかなと。
そう考えると救いがあったような気もしますが、どうにも後味が悪い為皮肉に感じてしまうのです。
現在のアメリカの分断はかなり深刻なので、この作品のような世界は本当にリアルですよね。
そして改めて銃社会は恐ろしいです。
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トミーさんのコメント
2024年10月19日
殴られた痛みと殴った拳の痛み、とか言いますが銃は一方的な暴力ですよね。PRESSだ! だけで銃火をくぐり抜けられるというメンタルもちょっと考えられないですね。