「意義や意味は何か」シビル・ウォー アメリカ最後の日 まっちゃまるさんの映画レビュー(感想・評価)
意義や意味は何か
14の州が合衆国連邦から離脱、そのうち西部連合軍による政府軍との戦いが国内で起こっている、という設定らしいが、作品中では多くの説明はない。大統領がFBIもCIAも解散させたと言っていたが、それが陰謀とか犯罪を増加させたか何かなのかは不明。
ただ激しい戦闘と殺戮の中、記録するためにと、写真を撮りまくるジャーナリスト。
しかし、善悪の基準も不明になっているような状況で、ひたすら写真を取っても何の意味があるのか。自分の写真が人々の気付きになってくれたらと思っていたが、それも無駄だと分かった、というようなセリフがあった。この作品を見る限り、その通りとしか言えない描き方。正直、この作品の意図がよくわからない。単なる風刺?自国の自虐を込めて、こうはならないようにしよう、ということか? 動画でもなくフィルムで撮るというところも、狙いがあるのだろうが、どうも現実離れしている。70年代の戦争を見ているようだ。今なら動画のはずだし、ドローンもない。激しい銃撃戦と殺戮だけがクローズアップされすぎていて、国内でなぜこれだけの殺戮が行われる心情に人々がなってしまったのか描かれていない。戦争の悲惨さを描く目的なら、敢えて合衆国の内戦舞台にする必要はない。悪い政治が人を変えると言うのも無理がある。キルスティン・ダンストが頑張ってはいたけど、ちょっと消化不良で残念。しかしここでも際立つジェシー・プレモンスの不気味さは、さすが。
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