劇場公開日 2024年10月4日

「老害をリスペクトする伝統的映画への反旗」シビル・ウォー アメリカ最後の日 たあちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0老害をリスペクトする伝統的映画への反旗

2024年10月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

幸せ

A24制作で評判に違わずものすごく面白かった。まず音楽と効果音の使い方が凄く斬新で上手い。最初の市街地でのドーンという爆発直後の鼓膜をやられた感の無音、ワシントンに向って走り出す音楽の入り方とシーンをまたぎヘリコプターのあまりに長く続く轟音や随所で行きつ戻りつする緊張と弛緩の緩急。若いカメラマン志望のジェシーはそもそも先輩たちへの尊敬の念などこれっぽちも無くはなからリーのスーツケースを持ってやろうとさえせずに助けられる一方で屍を乗り越えて前進するのみなのだ。戦争映画は制作費をつぎ込んで大きな戦闘シーンを描けば良いというものでは無くてテーマパーク風の芝生に迷彩服の兵士二人が腹ばいになって向こうの建物から撃って来る見えな狙撃手と撃ち合うだけで十分戦争なのだと分からせてくれた目から鱗の作品。曰く「撃って来るから撃ち返しているのだ」と。誰と誰が戦っているかを(政府と反政府軍という設定のみで)明らかにしない史上初の戦争映画ではないだろうか?銃社会のアメリカにおいてはフィクションですまされない「撃たないでくれ死にたくない」という身もふたもない恐怖映画ができてしまった。

たあちゃん
トミーさんのコメント
2024年10月11日

共感&コメントありがとうございます。
香港と聴いてチャイナか! と射殺するのは悪意に満ちてますね。でも過去のヒューマンな戦争映画より刺さるモノが有りました。

トミー
トミーさんのコメント
2024年10月11日

銃vs丸腰、銃vs銃が実現する米国ならではですね〜丸腰vs丸腰には考えは及ばないんでしょうね。

トミー