劇場公開日 2024年10月4日

「迫真。」シビル・ウォー アメリカ最後の日 60代の男ですさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5迫真。

2024年10月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

〔60代男です〕
一切の説明なしに、アメリカが内戦状態におちいっている状態で始まる。
東西で対立しているらしいが、その理由も不明。
西側勢力に属しているニューヨークの4人の報道カメラマンたちが、敵の東側勢力である大統領にインタビューするため、首都ワシントンを目指して危険な旅をするロードムービー。
途中、戦争と無関係に暮らす人々の町もあるが、兵士たちに停められて、彼らの気分次第で射殺されてしまう恐ろしい状況にも出くわしたりする……。

主人公たちが行く先々で目撃することが、ただの作り事に見えない。
アメリカが内戦に陥れば、本当にこうなるんじゃないかという気がするほどリアルさを感じさせる。
派手な戦争ものを期待する人の期待に応える作品ではないが、最初から最後まで、息詰まる緊張感が持続する。
最後に到着したワシントンでは、ホワイトハウス陥落の市街戦の真っただ中に入って行く。
なんか「トゥモロー・ワールド」を連想する構成だった。

主演のキルステン・ダンストが、タフな報道カメラマンになりきる名演。
新人カメラマンのケイリー・スピニーが、小柄だし23歳というのがウソみたいな子供にしか見えないが、本作は彼女が経験を重ねて成長していく物語でもある。

映像も迫真だったが、主人公たちが交わす言葉も印象的で、思い返せばどれもこれも名ゼリフだった。

名作だが、ひとつだけ引っかかったのは、新人娘がなんとフィルムカメラ1台だけで撮ってること。しかもモノクロ。趣味でやってるわけじゃないんだから、これは説明してもらわないと理解できない。デジタルデータでは電磁波で消されるとか何か問題が予想されるということだとしたら、遥かに経験豊富な主人公がデジタルしか使っていないのは変だしね。

60代の男です