劇場公開日 2024年10月4日

「評価は割れると思うけど、私は高評価。」シビル・ウォー アメリカ最後の日 蜻蛉さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0評価は割れると思うけど、私は高評価。

2024年10月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

怖い

とにかく、映画館では何度も、周囲の人が吃驚しているのを感じられるほどに、怖さを体感できるアミューズメント的な映画ではあったと思う。
そんな風に銃撃シーンを楽しんで見ている人なんて私くらいのものかもしれないけれど、ホラー映画が怖さを楽しむ映画であるように、この映画もその衝撃シーンを楽しむ映画としては最高だったかもしれない。
いや、そこが結局映画館で金払って、観る理由でもあるんですよ。死体がいくら出てこようと、衝撃的な殺戮シーンがいっぱいあろうとも、それらは作り物なのだから。
だから、どれだけ問題作だと言われていても、映画はアミューズメントでないと困る。
その意味で、本作は十分楽しめたので秀作だと思いました。特に、やはり映画館の音響でないと、この映画のアミューズメント性は半減すると思えるほどに、音は凄かったです。多分、音に関してはかなり入念に作られていたと思います。

ただ、ストーリーに難を感じてしまうようなタイプの人だと、この映画は全然面白くないかもしれません。例えば、大統領選の年に公開されていることを意識するような人で、かつ、トランプが好きな人だと、リベラル・民主党のプロパガンダ映画にさえ見えるんじゃないでしょうか? カリフォルニア州とテキサス州の連合軍っていう設定がかなりあざといわけですし。FBIを解体してたり、実際の憲法に合致してない三期目の大統領だなんて、トランプそのものなわけですしね。

しかし、この映画にはストーリーらしいストーリーは特にないのです。いや、作り手のアレックス・ガーランド監督には何か言いたいことはあるのでしょうけれど、そんなの無視して良いと思います。とにかくこの映画は、怖さを存分にアミューズメント感覚で楽しむ映画なのです。

それにしても、あの傑作ドラマ『ブレイキング・バッド』に出演以来売れっ子となった、マット・デイモンをブサイクにしたとよく言われる、ジェシー・プレモンスはサイコパス的な役をさせたら素晴らしい怖さと気持ち悪さを発揮しますね。

秀作です。

追記:そのジェシー・プレモンスと、ジャーナリスト役をやってたキルスティン・ダンストさんは夫婦だそうで。

蜻蛉