「何を伝えたいのかが色々ありすぎ」シビル・ウォー アメリカ最後の日 木花咲耶さんの映画レビュー(感想・評価)
何を伝えたいのかが色々ありすぎ
良いところ
一人のジャーナリスト志望が立派な人非人になる様が丁寧に描かれている
戦場カメラマンの意義も含めて描かれてる
?なところ
わざとらしいまでの悲惨描写。意図はわかるが悪趣味。
戦争が続く中で迫り来る狂気を描いてる、ようでその実、狂気は元からあってそれの発露でしかないような戦争は悪いもの、と決めつけるような描写は思ったよりも少ない。それよりも内戦という最中にあっても他人事であったり、目を逸らしてたりと正常バイアスの塊みたいな迂闊さの方がよく描いてあった。ジャーナリスト連中もどこか楽しげで中盤に出てきた陽気な連中はバカやってあっさり退場するんだけど、戦場のど真ん中にあってもその覚悟と理解があるようには見えない。
その中でヒロインたる女性が最初は羨望で入って現実に打ちのめされそしてラストには大事な人の死ですら被写体でしかない現実感の消失があって、結局これは戦争の狂気というよりもジャーナリストの狂気に毒される女性の話だった。まあ、今まさに世界のあちこちで起こる戦争紛争とそこに居続けるという狂気の沙汰の縮図。
やっぱりジャーナリストってまともな人間のやれる職業じゃないな、って事を布教する映画。扇動ともいう。
ラストのアクションは泥臭くてリアル。
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