「今の世界、絶対起こりえないとは言えないシチュエーションとIMAXも手伝って」シビル・ウォー アメリカ最後の日 サジタリウスさんの映画レビュー(感想・評価)
今の世界、絶対起こりえないとは言えないシチュエーションとIMAXも手伝って
IMAXの大画面と臨場感あふれる音響が、アメリカ内戦という近未来的なシチュエーションをよりリアルに描き出しており、観る者を物語の世界へと引き込む。特に、静寂から突如始まる銃撃戦など、シーンの切り替えが見事で、緊張感を高める。
本作は、アメリカという強大な国が内戦に陥るという、決して現実離れした話ではない設定が特徴だ。過去の原住民との衝突の歴史を彷彿とさせ、アメリカ社会の闇を映し出すような側面も感じられる。しかし、物語の核は、国内紛争そのものよりも、若きジャーナリストの成長にある。
百戦錬磨のプロジャーナリストたちとの間で、彼女は戦火を潜り抜けながら、カメラを通して真実を記録していく。恐ろしい現実にも、悲惨な光景にも、レンズを向け続けなければならないジャーナリストの使命感と、その過酷さが描かれている。若さゆえの無謀な行動が招く悲劇は、どの職場でも起こりうる普遍的なテーマであり、観る者に考えさせられる。
特に気に入ったシーンだが、ジェシー・プレモンス演じる赤いサングラスのシーンはYoutubeなどの映画紹介ページでも観られるが、特に緊張感が出ていてよかった
彼は代役だったらしい
このシーンについてはYoutubeの”CIVIL WAR Interview | Director Alex Garland Breaks Down THAT Scene From Controversial Thriller”で述べられている
総評
映像美と緊迫感あふれるシーンは必見だが、ストーリーの奥深さはやや物足りない。ジャーナリストという職業に興味がある人や、近未来的なディストピアに興味がある人におすすめしたい。
映像技術の力によって、観る者を物語の世界に引き込むことに成功している作品だ。しかし、ストーリーそのものについては、若きジャーナリストの成長物語という点で、普遍的なテーマではあるものの、特に目新しい要素はない。
評価
映像:★★★★★(5点満点)
ストーリー:★★★☆☆(3点満点)
総合:★★★★☆(4点満点)
余談だが、109シネマズの3ポイント鑑賞券を利用したため、1900円で鑑賞できたのは地味にうれしい(1300円+IMAXレーザー鑑賞料金600円)