「戦場でジェシーの心が変わっていく」シビル・ウォー アメリカ最後の日 sunbeams72さんの映画レビュー(感想・評価)
戦場でジェシーの心が変わっていく
前知識無しに見ました。アメリカが分断され内戦が起こっている世界。内戦の理由は描かずに、生々しい戦闘シーンに焦点を当てた作品。
銃殺シーン、血だらけの人、集められた死体、車に轢かれる人等、どぎつい場面が多く、気分がズンと重くなりました。人が簡単に殺されていきます。
途中退出する人もいたのですが、気持ちは理解できました。
銃や砲弾、ミサイルが支配するディストピアンワールド。戦争の恐ろしさが伝わってきます。
内戦とは別世界の、一見、静かで平和な街があり、レジの女性が「私達、関わらないようにしているの」と言うシーンも一種異様でした。
ロケットUSAやラブフィンガーズ等の選曲が素晴らしく、曲を使うタイミングもうまいです。戦争の狂気やどんよりとした重い雰囲気をさら深いものにしています。
戦場カメラマンになりたい23歳のジェシーという女性が登場人物の一人です。
戦場の緊迫した場面で、恐れおののいたり、泣いたりしていたのが、だんだん感覚が麻痺していき... 終盤のとあるシーンで変わってしまった彼女の心を象徴するシーンがあり、この映画の名場面だと思いました。
戦闘シーンで敵が潜んでいる場所を、ヘリや戦車がミサイルで破壊するシーンがあるのですが、兵士が見えないせいか、ゲームを見ているような感覚がありました。でも、人が人を銃殺するシーンは、痛々しく、残酷で、心が引き裂かれるような感覚を覚え、気持ちが滅入りました。
2回見る気がしない映画でしたが、見ておいて良かったとは思いました。でも、内容を知っていたら見に行かなかったと思います。