「質が良くて、音響は素晴らしい」シビル・ウォー アメリカ最後の日 SHさんの映画レビュー(感想・評価)
質が良くて、音響は素晴らしい
素晴らしい映像で、迫力ある音響で、体感的にはなかなかいいんですが、内容とか演出に疑問符が・・・
いきなりシビル・ウォー・・・まぁ別にそれでいいですけど、その唐突感がずっと続いて、終幕しても大きな構図が見えません。視点がずっと内向きで狭くて、しかも語られるのは常に戦場カメラマンにまつわる事柄。そこから殺し合いの悲惨さを描き出そうとしているとは思うのですが、せっかくのシビル・ウォーがもったいない・・・と思っちゃいました。
演出も、あまりに近い撮影シーンがめっちゃ不自然な感じを受けるし、劇中に流れる音楽が唐突だしどういった意図で流れているのか分からないし、迫力ある戦場をリアルに描いているところに少し場違いな音楽ばかりで、正直邪魔に思えてしまいました。
突然始まり、突然の戦い、突然の出会いと別れ、突然の恐怖や悲しみ・・・あらゆるぶつかり合いで魅せようとしているのは分かるんですが、すべてがすべて唐突で説明を極力抑えているために、意味分かりません。
落ちも結局それかよ・・・と思っちゃいましたし・・・しかも、なんで殺っちゃうのかホント意味が分かりません。あまりに内内で戦闘の構図をまったく見せてくれないので、戦いの意図が分からん殺し合いだけが目の前で展開されている感じでした。
昨今のアメリカの情勢とこのタイトルなので、色々と意味深い内容を期待しちゃうところなので、見て、勝手に肩すかしを食らったような印象になっちゃうんですが、質のいいエンタメ映画ではあります。ただ、個人的にはこの作品の演出はちょっと・・・ってな感じです。