「社会と女性の生きづらさ」ガール・ウィズ・ニードル そぴさんの映画レビュー(感想・評価)
社会と女性の生きづらさ
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紛れもなく鬱映画。でも私は勇気をもらったような不思議な気持ちになりました。
男性の権力がより強い時代に、夫や社長に振りまわされたカロリーネ。
葬られる子供達。
古今東西、女性の受難とは変わらないものだと思った。
多様性が認められる現代でも「子がいらないので、手放す」というのはなかなか憚られるもの。
産まざるを得なかった人、産んだけどいろいろな理由で育てられなかった人。子を持つことが必ずしも幸せに繋がるわけではない。
ダウマの行った行為は、親の最後の良心を踏み躙ることだが、いずれは誰かがやっていたことだろうとも思う。
裁判で最後にダウマの言った「私は誰も出来なかったことをやった」。
母親達に投げかけ続けた「あなたは正しいことをした」
その発言の全てが、絡まって、心に突き刺さる。
きっと生涯子を持たない私は、この映画を観て、勝手に赦された気持ちになった。
映画として気になった点は、
・カロリーネの身勝手さ。もう少し愛せる主人公だとよかった(わざとなのかな)
・美しい映像にこだわった結果、何かのマネのような軽く見える部分も多々あり(美大生の映像作品のような…)
・ラストシーンに繋がるカロリーネのエピソードがもう少し欲しかった
・全体的に、ダウマ以外の登場人物がやや薄っぺらく感じた
・予告編やコピーが内容とマッチしていないと思った
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