「誰が正しいって!!」ガール・ウィズ・ニードル ノーキッキングさんの映画レビュー(感想・評価)
誰が正しいって!!
この映画のポスターには何かしらの”引力”があった。それでもしばらく無視していたが……やはり観てしまった。
根源的な深いテーマを投げかけられる。
ちびた石鹸で簡単に身支度を済ませる主人公。モノクロのリアリズムかぁと思いきや、こんなの映さなくても……の描写。バケツのトイレ、脱糞、放尿、風呂場で堕胎の試み、出血、そして出産、授乳まである。この女優の今後が心配。(愛のコリーダみたいに)
やはり、えーとこのボンボンは、こんなオカンがおったら結婚できまへん。経営者の頭もあるのにねーわかりそうなもんだけど。
帰還したカロリーネの旦那のくだりは”哀れをさそう”というより痛すぎる!
砂糖菓子店を隠れみのにするダウマが乳母車で行く先は、てっきり怪しい医者の所で、何かの実験用に乳児を売りに行くのかと思って、おぞましいカルト的な展開がよぎった。しかし、依頼者から金だけ取って殺して捨ててしまうだけ。『正しいことをしたね!』ダウマの常套句はもちろん、自分自身に言い聞かせるもので、常用するエーテルと同じく罪の意識を紛らわせるものだ。
『あんたらの出来ないことを代わりにやってやったんだ!』ダウマが開き直ると、”自称被害者達”が一斉に糾弾する。この対立に割って入って正論を操れる者は少ないだろう。
よくわからないのは、贖罪と悔恨の情が昂じたカロリーネが店に居た少女(ダウマの娘?)を養子に迎えるラストだが、いつそんな余裕ができたんだろう?いい服着てるし!見世物小屋の旦那の所へボロボロになってたどり着いた後の話が省略されてるのかな?
にんげんが、いる
にんげんの、いとなみがある
にんげんは、おもいついたことをなんでもやってのける
コメントをいただきありがとうございます。
ノーキッキングさんのレビューコメントのように、私も、ポスターを見たときから何か心惹かれるものを感じていました。サイコパス系のホラー映画だと思っていましたが、全然、違ってましたね(笑)。
「楢山節考」は、実は鑑賞したことはないのですが、今回の映画のように、人間の死、という普遍的なテーマを題材にした素晴らしい映画、と承知しています。
戦争という不条理なルールのもとに迎える死、閉鎖された辺境の村にある厳しい掟のもとに迎える死、現代のように発達した医学技術により強引に寿命を引き延ばされたあげくに迎える死、一体どのように迎える死が幸せなのかと考えさせられます。と真面目に考える一方で、ホラー好きの私としては、全編モノクロはちょっと退屈だったので、たとえば、カロリーネが自ら行う●●や同様にダウマが乳児を●●する場面など、要所要所でのシーンを一瞬でもカラーにすれば、より強烈に映画の印象が残り続けるかなと思いました。
コメントありがとうございます。
あの後、サーカス団の旅に同行したのだとすると、カロリーネが裕福になったとは思えないですね。
夫が亡くなって、国から何らかの補償が下りたのかなとも思ったのですが、縫製工場の社長と結婚しようとした時に正式に離婚してたとしたら、補償はもらえないでしょうし、謎ですね。
そこは説明がないものの、何らかの方法で彼女は富を得ることができたから、少女を引き取りに来たのでしょうね。
共感&コメントありがとうございます。
「楢山節考」は未鑑賞で概要を知っている程度ですが、確かにつながるものがありますね。
追い詰められるとこういう思考になってしまうんでしょうか。やるせないです。
またまた被りましたね〜😎
考察するのもきつい。考察していると自分も深い闇の中に入っていってしまうようなそんな映画でした。
いや〜、仕事終わりにみるもんちゃうな〜って感じです💦
コメントと共感いただき、ありがとうござい。
イリーネ自身の過去が明らかにされないので、あんなに成長して歯も揃っているのにダグマに吸えと言われたからといってカロリーネの母乳を飲むイリーネの異常さを考えると、最後のシーンもありなのかとは思うけど、怯えて暮らしていたであろう描写もあり、あのラストはちょっと違うなぁと思ってしまいました。イリーネの出生の秘密やダクマとの過去が
映像描写されたほうがぐっと来たかなぁと思ったわけです。この映画の一貫した過酷さが急に緩んだと感じてしまったし、単純にイリーネは過去から解き放れるべきだったと思ったのです。
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