劇場公開日 2025年8月22日

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「とりあえずパルテノぺ!」パルテノペ ナポリの宝石 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 とりあえずパルテノぺ!

2025年8月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

■ 作品情報
監督、脚本はパオロ・ソレンティーノ。主要キャストはセレステ・ダッラ・ポルタ、ステファニア・サンドレッリ、ゲイリー・オールドマンなど。製作国はイタリア、フランス。

■ ストーリー
人魚伝説が根付く南イタリアのナポリに生まれ、街を意味する“パルテノペ”と名付けられた一人の女性の生涯を描く。1950年に生を受けたパルテノペは、誰からも愛される美しさと聡明さをもち、兄ライモンドと深い絆で結ばれていた。しかし、彼女が成長し輝きを増すほどに、兄の孤独は深まり、やがて彼は自ら命を絶つ。映画は、ヒロイズムとは無縁ながらも、自由、ナポリ、そして愛に情熱を傾けるパルテノペの数十年間にわたる人生を、ナポリという魅惑的な土地を背景に描く。真実の愛や報われない愛、そして幻滅を経験しながらも、彼女は人生を歩み続ける。

■ 感想
最も印象的だったのは、タイトルどおりパルテノぺ!主人公パルテノペ自身の美しさと、ナポリの息をのむような絶景です。ナポリの海はまばゆいほどに輝き、その風光明媚な情景は、まるで一枚の絵画のようです。パルテノペの存在が、まさにそのナポリの象徴であり、彼女の姿を追うだけで、作品世界に酔いしれます。

しかし、物語の深層に踏み込もうとすると、その難解さに思考が停止してしまいます。抽象的で詩的なセリフの応酬は、まるで禅問答を聞いているかのようです。登場人物たちの行動原理、特にパルテノペ自身の感情や思考がストレートに語られないため、彼女に魅了される男たちの行動も、私のような凡人にはまるで理解できません。官能的なシーンや演出が多くても、心の奥底でドキドキする感情が湧き上がらないのは、きっと頭で理解しようとしすぎて、情緒的な感覚が麻痺してしまっていたからでしょう。

本作は、パルテノペの人生を通してナポリという街のもつ魅力や負の側面を描き出そうとしているのだと感じます。もっとナポリの文化や風土、歴史などに関する深い知識を持ち合わせていれば、映画に散りばめられた象徴的な描写の意味をもっと深く、より鮮やかに理解できたのかもしれません。表面的な美しさは圧倒的ですが、その真髄を味わうには、観る側にそれなりの教養と感受性を求める作品だと感じます。わかりやすい物語や感情移入を求める方には、少々ハードルの高い一本かもしれません。

おじゃる
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