劇場公開日 2025年8月22日

「【”ナポリ人人類学”今作は、イタリアの名匠、パオロ・ソレンティーノ監督が自家薬籠中の絢爛豪華なる美と難解さで、美しいナポリ人女性の喜び、悲劇、苦しみ、幸福に満ちた人生を描いた作品である。】」パルテノペ ナポリの宝石 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 【”ナポリ人人類学”今作は、イタリアの名匠、パオロ・ソレンティーノ監督が自家薬籠中の絢爛豪華なる美と難解さで、美しいナポリ人女性の喜び、悲劇、苦しみ、幸福に満ちた人生を描いた作品である。】

2025年8月23日
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鑑賞方法:映画館

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■1950年。ナポリで生まれた女の子は、パルテノペと祖父から名付けられ美しく成長する。若きパルテノペは、或る時に最愛の兄を自殺で失ってしまう。
 そして、人生に絶望したアルコール漬けのアメリカ人作家(ゲイリー・オールドマン)と出会い、自らの魅力に気づいて行くと共に、愛や生きる意味を考える彼女の長い”旅”が始まるのである。

◆感想

・多くの人は、今作を観て難解という感想を持つのではないかな、と思った作品である。だが、それ以上にパルテノペを演じたセレスタ・ダッラ・ポルタの美しさと、ナポリの海の美しさと紺碧の空から降り注ぐ陽光を捉えた映像の魔術師パオロ・ソレンティーノ監督の透き通るような画に引き込まれるのである。

・又、ナポリの僧院内の宝飾や意匠なども大変に美しいのである。

・経験を重ねたパルテノペは、多くの男達からの誘いには乗らず、多くのナポリ人達の姿を見て、大学で人類学を学び、優秀な成績を獲得していくのである。
 そして、定年を数年後に迎える教授から、後釜に・・、という話もありながらナポリを去り、別の大学で定年まで勤め、その後年を重ねたパルテノペ(ステファニア・サンドレッリ)はナポリに帰って来るのである。
 その時に観た、ナポリの夜に繰り出してくる宝飾に満ちた人々が担ぐ船。彼女はそれを感慨深げに観るのである。

■人生は、苦しみ、喜び、悲劇、幸福が多層的に積み重なっている。今作は、その様をパルテノペの半世紀に亙る生き方で描き、且つパオロ・ソレンティーノ監督がナポリを愛おしむ作品のようにも思えるのである。

<今作は、イタリアの名匠、パオロ・ソレンティーノ監督が自家薬籠中の絢爛豪華なる美と難解さで、美しき女性の人生を描いた作品である。
 鑑賞後に”美しく、記憶に残る映画を観たなあ。”と思える作品でもある。>

NOBU