「詩人特有のフカし」リモノフ タカシさんの映画レビュー(感想・評価)
詩人特有のフカし
好きな監督だからまだまだ期待してしまうが、詩人特有のフカし、カマしに見えてしまったし、この映画の中の評価もそれがかすってる。広瀬すずとかが出てた小林秀雄周辺のフカしともそんなに遠くないような気もする。ただナラティブの為にパクられるという人物物語の作り方はこの映画の中でも少し冷ややか。ロシアには反リベラル復古型左翼(極右?)運動がいると聞いた事があるが、そこに位置付けられるかな。冒頭20分ぐらいは性愛を中心に主人公の性経験を軸に描く日本映画っぽい作品かなと身構えてしまった。チャイコフスキーの妻の次がこれかぁ。渋かったり、大きな物語を作れることは証明済みなので、次はもっとはっちゃけて欲しい。監督の出自として、マストなのは分かるがもうちょっと自由に作って欲しい気もする。彼の活動なども単なるロシアのガス抜きになってしまっている目線はなかなかに厳しい。これは野暮だが、やっぱり英語だと迫力がだいぶ減じてしまう。ベン・ウィショーってクィアアイコンとして女性に愛されてるがこの配役は絶妙かも。ホモセクシャルで人生を解放するのは少しステレオタイプな気もするがステレオタイプに魅せられてしまう人物像なのでまぁ仕方ない。この監督の長回しによる時代変遷もスマートだった。
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