劇場公開日 2025年9月5日

「もう少しエンタメ寄りな味付けを‼️」リモノフ くまねこさんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 もう少しエンタメ寄りな味付けを‼️

2025年9月6日
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鑑賞方法:映画館

知的

驚く

「リモノフ」公開2日目に丸の内ピカデリーで鑑賞。相方さんの付き合いで予備知識もなかったが意外に興味深く観れた。

ウクライナ🇺🇦生まれ、詩人、作家、革命家だったエドワルド・リモノフの激動の人生をベン・ウィショー主演で映画化。ウクライナに生まれ、ニューヨーク、パリを巡りシベリアの監獄、モスクワ等々を駆け回り、ファシストでも共産主義者でもリベラルでも保守派でもないが、それらを内包したエドワルド・リモノフの生き方は破滅的で狂気的でもあり、パンクでもあり、雑に言えば幼稚な厨二病男でもある。

高嶺の花の美人エレナを手に入れるために、彼女宅に乗り込み、壁に血染めならぬワイン染めの強迫メッセージを書いたり、モスクワのラジオ局で泥酔しながら共演者と大喧嘩したり、等々エドワルドは文系詩人の容貌で強いように見えるが、虚勢を張ったとても弱い人間だと思う。

N.Yに渡ってからの白いスーツ姿でエレナと遊び回る姿はありし日のジョン・レノン夫妻の姿にも重なる。1975年の猥雑で危険なニューヨーク🗽の街並みの再現度、群衆のファッション等々は素晴らしかった。

虚実入り乱れる映像はエドワルド・リモノフの人間性を描写するようでもある。
中盤、世界の重要事件映像(レーガン大統領射殺未遂事件、ベルリンの壁崩壊、等)のバリボテ部屋の扉を開けながら世界を駆け回るシーケンスは
ファンタジックというか、退屈になりがちな伝記映画には効果的な味付けで面白い。(後述のランドリー店でのミュージカル調演出も同様)

セックス・ピストルズの”Pretty Vacant”の楽曲使用も懐かしいが、特筆すべきは、ルー・リードの楽曲3曲
“Waiting for the Man”、”Sunday Morning”
“Walk on the Wild Side”
分かりやすい選曲、使用は、N.Yの詩人というキャラクターとしてまあまあ合致してるし納得できる選曲。

”Walk on the Wild Side”は彼の、常識や社会規範にとらわれない自由で冒険的な生き方や型破りな一面を上手く表現した選曲だと思う。エドワルドを取り囲んだランドリー店内の女性たちがトゥットゥッっと歌い出すシーンはミュージカル調でなぜか印象的だった。

予備知識ないにも関わらず飽きずに見れたが、伝記モノで大した人生ドラマやストーリーもないので133分は長すぎるな…。とにかくベン・ウィショーの圧倒的な演技力とイケメン七変化で強引に牽引した感じすらある。

くまねこさん
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