私たちが光と想うすべてのレビュー・感想・評価
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生活感と俯瞰性の無理のない混ざり具合
インド映画らしくないが良作
侮るなインド映画
眠くはなるが、新しい一歩を踏み出そうとする姿は感動的
実はこの映画、最初に観たときに映画館でがっつり寝てしまった。あらすじでさえわからないくらいに。モヤモヤが残っていたし、猛烈な眠気に負けてしまったことも悔しくて再度鑑賞することにした。再度鑑賞しても思うのは眠りに誘う映像だということ。序盤の淡々と進む感じや、後半であっても少し長いと感じる間があったりで気を抜くと寝てしまう。眠気になんとか耐えてリベンジを果たすことができて安心した。
さて内容だが、インドのムンバイに住む三人の女性の物語。のはずなのに、冒頭で出てくるのはその三人とは関係のない男女の語りだったりする。ここらへんがわかりづらい。ムンバイという都市に住む人々のことを描こうとしているということなのか。他にもストーリー展開が親切ではない。少したってから、あぁ、そういうことなのかと理解する感じ。浜辺で助けた男性と過ごした夜のくだりも、まぁわかりづらい。他の人のレビューを読んで、やはりそうだったのかと納得した。流れてくる音楽や映像はそれなりにいいと感じただけにもったいない。
ただ、個人的にはそんなに低評価にもできない。ムンバイで暮らす女性たちが抱える閉塞感や生きづらさを完全に理解できるわけではない(インドの宗教観とか文化をちゃんと理解できていないから)が、居場所を見つけようとしたり、新しい一歩を踏み出そうとする姿は感動的だ。あの最後では今後の彼女たちに大きな変化が待っているわけではないのだろう。でも、古い慣習やしがらみに縛られずに前に進もうとする彼女たちが楽しそうでとてもまぶしかった。二倍の料金を払ってまで観る価値があったのかは疑問だが、少なくとも自分の中にあるモヤモヤを解消できたので満足している。
インドで生きる女性の生きづらさ
ドキュメンタリータッチのフィクション
美しい光
都会での時間
閉塞感
従来のインド映画のイメージとはかけ離れた叙情的な映画
夜の大都会と浜辺の村
カンヌで評判を呼んだインド映画ということと、タイトルの意味シンさに引かれて観た。
夜のムンバイの移動撮影に様々な証言が重なる出だしから、この作品が大都会とそこで密やかに暮らす人々を描くものだろうと分かる。主な登場人物は女性3人。それぞれが社会的な問題を抱えている。
眠らない街ムンバイを写し取る映像が美しい。特に、電車の遠景、家々の灯り、雨の雑踏など、夜のシーンが印象的。しかし、あまりの人の多さに、圧迫感すら感じる。
一転して、後半は海辺の村が舞台。のどかな浜辺と林が広がる画面の開放感と合わさって、登場人物たちも自らの想いを解放させていく。
静謐ながら茶目っ気のある演出や、画面作り、音楽は、フランス映画のような雰囲気。題材から、もう少し社会派的に踏み込んでほしいという物足りなさがあるが、しっかり生身の人間を描くことには成功しているだろう。ただし、タイトルが意味するものは、まだ分かっていない。
インド庶民のリアルな生活風景
孤独な現代人インドバージョン
インドのムンバイに住む、二人の女性看護師や、その周囲の人々の物語。...
インド映画の新しい光
劇中職場の同僚たちが映画を見に行こうと盛り上がっている最中、主人公の真面目っ子プラバは「アクション映画だったら私はパス」と素っ気ない対応。ああ、この監督ボリウッド映画嫌いなんだなと分かりました。
インド社会の過酷な現実も描いていますが、加えて詩的で抒情的な描写が多く、意地悪に言えば、シネフィルが作った、ちょっと斜に構えたヨーロッパ風。でもね、私好みなんですよー、こういうの。
前半のムンバイと後半の海辺の田舎町(ラトナギリ)で、画の雰囲気がガラッと変わります。流れている時間からして本当に全然違います。ムンバイは混沌として活気に溢れ、いつも急かされている感覚、夜も電車の車窓に光が溢れて美しい。一方でラトナギリは悠久の時がゆっくり刻まれ感じ。波の音が常に心地よい。でも都会人には少々退屈かも。
どちらがいいとか悪いとかではないのですが、プラバの同僚の医師の言葉が的を得ています。「ムンバイは魅力的だが、僕には落ち着かない」。彼はムンバイを離れてしまいます。
旦那から送られてきた炊飯器を抱きしめるシーンや森で用を足すシーンなど、ドキッとする描写が突然挿入されます。これが妙に艶めかしく、戸惑いながらも結構好きです。
終盤 ラトナギリの洞窟でアヌとシアーズの恋人たちが語りあう静謐なシーンと海難救助したプラバの現実と夢想が一体化していく意表をつくシーンがいいですね。
さらにラストの引きのカメラが満天の星を捉えるショットが、本作を締めるに相応しい輝きと余韻を与えています。
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