「たぶんこれが世界最先端。それはよくわかる。」私たちが光と想うすべて ONIさんの映画レビュー(感想・評価)
たぶんこれが世界最先端。それはよくわかる。
パヤル・カパーリヤー監督。西洋的教養と技術を持った人がインドで映画を撮るとこうなるのか、という現代映画詩。
ムンバイに暮らすインドの女性たちのいまを垣間見しつつ、ふわっとそれが幻想と交差する。タイのアピチャッポンとかもそうだけど、未知の国の教養を武器にしたアジア映画ほど強いものはない。何せ見たことのない街や人を見れるのだけで面白いのだから。
ムンバイの湿気溢れる映像、遠くで鳴る車のクラクションの音、背後を流れる列車の光、田舎の海辺、海辺の海の家みたいなところの安っぽい光、とにかく魅力的。都会の問題を引きずって田舎で想像外のものと遭遇する。土着的なものとPOPなものの融合という側面もある。まあ英語のクレジットでもあるが、音楽がとてもかっこよかった。
なんとなくこれの一年後の『ルノアール』はこれに寄せたんだな、という気はした。
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