「希望の光は与えられるものではなく、自分たち自身が思い描いて手に入れるもの」私たちが光と想うすべて Tofuさんの映画レビュー(感想・評価)
希望の光は与えられるものではなく、自分たち自身が思い描いて手に入れるもの
前半の舞台はムンバイ。夢を見て田舎から都会に出てきたはいいが、夢に敗れ、厳しい現実に直面する人も少なくない。それでも幻想を追いかけ続けなければ、自分が自分に負けたように感じてしまう、というのはインドに限らず、何処の国でも同じであろう。
主人公はムンバイで看護師をしているプラバとアヌの二人の女性。プラバは親の決めた相手と結婚したが、結婚後ほどなくしてドイツに出稼ぎに行き、ほとんど音信不通状態。アヌの恋人はイスラム教徒で、異教徒との付き合いを親が認めるわけがない。
地上げ屋に住処からの立ち退きを迫られ、故郷の海辺の村に帰ることにしたパルヴァディについて行ったプラバとアヌは、そこで自らの人生に改めて向き合う……。
人と人を隔てるものには、国籍、人種、宗教、性別、言語、そして経済格差などがあるが、その障壁を乗り越えさせてくれるのが愛。
多民族で多宗教で多言語で、なおかつ家父長制とカースト制による差別意識がまだまだ根強いインド。女性たちが自分らしく生きるための自由を渇望しても、ままならないことが少なくないはず。それでも力強く人生を切り拓いていこうとする女性たち。
希望の光は与えられるものではなく、自分たち自身が思い描いて手に入れるものだというタイトルに込められたメッセージは美しい映像の中で一段と輝きを増しているようだ。
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