劇場公開日 2025年7月25日

「あくまで「少数意見」として」私たちが光と想うすべて TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5あくまで「少数意見」として

2025年7月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

劇場で一度、見るともなしに見た本作のトレーラー。何となく気になって後で確認してみると、第77回カンヌ国際映画祭グランプリ作品(しかもインド映画初)であり、更に米国映画レビューサイトの評価もかなり高い。と言うことで期待を膨らませ、公開初日にヒューマントラストシネマ有楽町にて鑑賞です。実際に客入りも上々で、改めて本作に対する期待の高さが伺えます。
訳あって夫と離れ単身、ムンバイで看護師として働くプラバ(カニ・クスルティ)は同僚のアヌ(ディヴィヤ・プラバ)と共同生活をしています。なお、劇中においてアヌはプラバを「(字幕上)お姉さん」と呼びますが、これは単に両者間における呼称であって血縁関係はありません。(ちなみに本作この他にも、特に説明はされず判らなければ「観ながら解釈(言語、宗教など)が必要」な点が少なくないため、案外集中力が試されます。)確固たる後ろ盾や保障もなく、一労働者としてしがなく働きながら生活する彼女たち。普段から口数少なくて日々を無難に過ごそうとするプラバと、要領が良くマイペースで時に大胆さも垣間見えるアヌは一見対照的な存在。ところが、女性一人で生きていくには不利な点が余りにも多いインド社会において、物語の大半はこの二人にまつわる「男女関係」に関わる内容で、画から感じるイメージ以上にドラマ性が強く、地味でありながらも葛藤の連続。プラバ&アヌを演じる、カニ・クスルティとディヴィヤ・プラバのイメージ通りで的確な演技も相まって、二人の人生から目が離せなくなります。
ところが、、、如何せん、ストーリーとしてはいまいち面白みに欠け、寝不足もあって眠気に抗うのに必死。そもそも恋愛事に対する高すぎる難易度設定(既婚、宗教など)は、折角の現実感の高い背景よりもまさって、むしろ「インドである意味」が記号的になり、ひいては形骸化されてしまっているように感じます。また、中盤までのリアリティを一気にひっくり返す、本作の要=後半のファンタジーな展開は観ていて驚いたものの、やはり納得度と言う意味では強引すぎてやや無理筋。何なら最早「看護師」であることすら。。
まぁ、ケチを付けるのはこれくらいにします。何せ、カンヌグランプリで是枝さんを筆頭に絶賛評も多いわけですから、あくまで「少数意見」としてお取り扱いください。個人的な好みの問題と言うことで、何卒悪しからずご容赦ください。

TWDera
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