劇場公開日 2025年7月25日

私たちが光と想うすべてのレビュー・感想・評価

全118件中、1~20件目を表示

3.5ムンバイに生きる市井の女性の心模様を繊細に綴る日常系インド映画

2025年7月26日
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鑑賞方法:映画館
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ニコ

4.0無数の光によって彩られた街の神話

2025年7月25日
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鑑賞方法:試写会

この映画の虜になるのに5分とかからないだろう。映し出されるのは大都市ムンバイ。繊細な光で照らされた街並みと喧騒、音のコラージュ、人々の言葉が相まって、街の鼓動を親密に響かせていく。とりわけ通勤電車の窓から望むビル群の夜景は無数の星が点々と輝く宇宙のようだ。それらは美しくとも少し孤独で悲しげな生命の集合体に見える。本作は当地で暮らす地方出身者の胸の内を探究しつつ、同じ病院で働くルームメイトの看護師らが心を寄せ合い生きる日々を紡ぐ。片やムスリム青年との恋愛に夢中な年下のアヌ。片やお見合い結婚した夫と長らく連絡を取り合っていないプラバ。真逆の性格の二人が悩みながら自分の幸せを精一杯に模索する姿を、本作は安易な価値判断を下すことなく、ただただ柔らかく見守る。時に本能の赴くまま、時に友情と絆、マジックリアリズムを加味しながら進む歩調が心地よく、全てを暖かく包み込む監督の視座にすっかり陶酔させられた。

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牛津厚信

4.0「花嫁はどこへ?」と並走する、インド発女性映画のトップランナー

2025年7月23日
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鑑賞方法:試写会

悲しい

幸せ

2024年のカンヌ・コンペ部門でグランプリを獲った話題作。念のため、カンヌの最優秀賞はパルムドールであり(昨年の受賞作は「ANORA アノーラ」)、グランプリは準優勝に相当する。この年のコンペ出品作を振り返ると「エミリア・ペレス」「憐れみの3章」「メガロポリス」「アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方」「サブスタンス」など力作がひしめいており、これらをおさえての銀メダルと考えれば「私たちが光と想うすべて」への期待も高まるのではないか。

インド第2の大都市ムンバイの病院で働く3人の女性たち。看護師のプラバは既婚者だが、見合いで結婚した夫がドイツで働いていて疎遠になっており、年下の同僚アヌとアパートに同居している。アヌはイスラム教徒の青年と交際しているが、インドではヒンドゥー教徒が大多数であることから親や周囲から猛反対されるのは明らかなので、恋人のことは隠している。病院の食堂に勤める寡婦のパルヴァディは自宅から立ち退きを迫られているが、プラバが親身になり助けようとする。

「女性たちの友情」と単純に紹介されることもあるが、世代も境遇も違う3人の彼女らの繊細な絆や連帯感、穏当なシスターフッドの物語と評すべきではなかろうか。前半は都会を舞台に、プラバとアヌ、プラバとパルヴァディの関係がそれぞれ描かれるが、後半のパルヴァディが故郷の村へ帰る際にほかの2人が手伝いで同行する展開が、海辺のロケーションも相まって開放的で心地よい。

監督兼脚本のパヤル・カパーリヤーも女性で、本作で長編劇映画デビューを飾ったムンバイ出身。今年5月開催の第97回アカデミー賞のインド代表を「花嫁はどこへ?」(日本では2024年10月公開)と競うも選ばれなかったが、両作ともに女性監督がメガホンをとった女性映画である点も共通する。当サイトで「花嫁はどこへ?」の新作評論を担当し、「インド映画の2大潮流として、複数の娯楽ジャンルを混ぜ合わせた商業的な“マサラ映画”と、マサラ映画の特徴である歌とダンスのシークエンスを排した現実主義的な“パラレル映画”」と紹介したが、こちらの「私たちが光と想うすべて」もパラレル映画の流れ。インド固有の階級制や宗教事情を背景にしつつ、女性の自由や自立という普遍的な題材を繊細な感性で扱っている点において、世界で、そして日本でも評価されてしかるべき好ましい佳作だ。

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高森郁哉

3.0五感で感じるもの

2025年11月30日
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異文化であるためか、それとも説明が少ないためなのか、複雑な話ではないもののストーリーが頭に入りにくかった。
雑然とした都市から、質素な田舎への移動とともに、女性たちが自分の気持ちに向き合い、穏やかになる様子が感じられて、最後には独特の不思議な余韻が残った。

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由由

3.5美しいタイトル。

2025年11月6日
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鑑賞方法:映画館

インドの映画見た事ないし、一応カンヌだから大外れも無いだろうと思い見にきました。知り合った歳もちがう3人の女性の話がガッツリ絡み合うと言う程でもなく、優しく支え合う感じのローインパクトムービーです。
なんか生ぬるく暖かい感じ。テンポはお世辞にも良くなく眠くはなるけど、そうじゃなきゃ生まれない柔らかさがありそれがお宝です。

世界の映画見てて時々あるんだけど、初め顔が皆んな一緒に見えて誰が誰だかわからないと言う現象が今回も少しありました。
これはオレの問題^ - ^

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masayasama

3.5ALL WE IMAGINE AS LIGHT

2025年11月1日
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泣ける

何かを教えてもらおうとでも思ってたのか。始まりはあまりに厳しい。同じような人生は何万もあるだろうと思わせる。いなくなったってこの街は何も気づかない。足掻いたところでかなわないとわかってる。表情が無になっていく。最初は登場人物の表情の変わらなさに、何を考えているのかわからなかったが、あぁ、なるほど、といつの間にかこの世界に引き込まれていた。
自由を求め行動しているようで、踊らされていただけかもしれない。ただ、自分が選んだことを認めてもらいたかったのだと思う。
そこに一人ひとりの人生がある。その尊さが光となり、最後のシーンと映画のタイトルとともにスッと心に入ってきた。

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ニック

3.0まずはタイトルが素晴らしい。 数ある光を捉えたショットもタイトル負...

2025年10月30日
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まずはタイトルが素晴らしい。
数ある光を捉えたショットもタイトル負けしない素晴らしい画だったと思う。
プロットは出発→翻身→帰還と古典的である。ムンバイという現代では世界でも類を見ないほど、ある種ホットな街を扱うのだから、もう少し場所性ということにフィーチャーして物語を展開しても良かったように思う。
とはいえ、カンヌで評価されただけあって画作りが良い。特にキービジュアルにもなっているアヌの背後を電車が走り抜けるシーンは、そのショットだけで映画ひとつ分の価値があると言えるほど感動的であった。

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えーが宅

4.5素晴らしい映画だった。

2025年10月21日
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幸せ

癒される

ドキドキ

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にっく

3.5よかった

2025年9月25日
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吉泉知彦

4.0インド初の女性監督による作品らしい…

2025年9月23日
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難しい

インド映画といえば、お気楽なダンスとアクション映画をイメージするけど、本作品は全くちがった。

インド初の女性監督の作品と聞いてなるほどと思った。

インドも相当な男性優位の社会のようである。

インドの宗教やカーストなどの社会の詳細を知っていればもう少し没入して鑑賞できたのではと思うと、自分の知識のなさが残念である。

市井のインド女性のことなど考えたこともなく、お気楽インド映画を楽しんでいたことに胸が痛む。

インドののGDPが世界第4位だとか5位だとか言われているけれど、国民一人あたりのGDPは最貧国のレベルの究極の格差社会(階級は特権という看板の家族の肌の色は白く、この映画の大半の登場人物の肌は黒い)でなおかつ男性優位社会で、このような映画が作られて、世界的に評価されたことは大きな意味のあることだと思う。

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うさぎさん

4.0先週、駆け込みで観てきた。 歌も踊りもないインド映画で、ムンバイで...

2025年9月20日
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先週、駆け込みで観てきた。
歌も踊りもないインド映画で、ムンバイで働く女性たちが抱えるままならなさとか、息苦しさみたいなものが等身大に描かれた映画だった。
ドキュメンタリーのような始まりに、雨季のムンバイのじめっとした空気や都会の喧騒を感じる前半から、後半では田舎の海辺の村での不思議な出来事や幻想的なシーンが印象的だった。
現実は何も変わってはいないけど、そんな中でも自分の気持ちと向き合ったり、相手を受け入れて繋がることで光にはなる。
あと途中に出てきたポエムにもグッときたな。手紙のようなパンフレットも可愛くて買ってしまった。

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るか吉

4.5インド映画の新しい傑作

2025年9月16日
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知的

難しい

斬新

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ヨシリン

4.0集中が必要でした。

2025年9月7日
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ぼんやり観てたら女性の顔の区別がつかないまま終盤まで行ってしまい、、反省
海で助けられた男性は誰!?ともやもやしたままでした。

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ささき

3.0乾いた作品

2025年9月4日
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泣ける

単純

幸せ

ムンバイはインドの都会らしく、冒頭で都会では無情になり切ることだと有り、自分が居るのが首都だけに照らし合わせながら考えさせられた。

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おおとり

5.0ムンバイと東京、幻想、光

2025年9月3日
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夏央

4.0作品情報の写真の意味

2025年9月3日
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幸せ

斬新

癒される

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ひぐらし2(ひぐらしから引継ぎ)

3.5エマホイ使いでポイント上げてる感

2025年8月31日
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エマホイ使いでポイント上げてる感

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p.h.o.e.

4.0しんみりインド

2025年8月30日
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踊るインド映画のイメージが覆されました。

芯のある女性の生き様が良かったです。
結婚してすぐ別れ別れになった夫との関係は不思議な感じでしたが、若者の恋愛の方はリアルに描かれていると思いました。
どちらも、我が想いを貫く姿勢に好感を持ちました。

そして、ムンバイの雰囲気が気に入りました。ヒエヒエの映画館の中にもかかわらず、街の熱気、湿気や雨、喧騒などが伝わってきました。
(本日、外は38度だったらしいです)

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Mikikar

インド映画の新たな息遣い

2025年8月30日
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 そう、こんな映画を観たかったんだよな。

 少なくとも日本で公開される限りはインド映画と言えば、歌って踊って血まみれで殴り合うという作品が多くを占めます。でも、インドの人達だって日本人と変わらず様々な環境・状況・地方で様々な思いを抱いて生きており、その数だけ物語がある筈だし、社会に向かって訴えたい事だってある筈です。

 親が勧めるまま会った事もない男と結婚したものの、夫はドイツに出たっきり音信不通になった妻。イスラムの恋人がいるがヒンドゥーの家族には打ち明けられず親から別の結婚を勧められる若い女性。ムンバイで働く二人の看護師女性が、女性への押し付けがまだ強く残るインドで自分の生き方を見つけようとするお話です。それを、まだ三十代の若い女性監督が撮ったというのも注目点です。

 まず、仄かな明かりを模索する様なこのタイトルがいいですよね。原題も同じ、”All We Imagine as Light" です。夜のムンバイ、雨の街、緑豊かな田舎町を映す映像も美しく、物語も決して大声で語られる事はありません。だからこそ、しんみり心に染みて小さな灯りを抱きしめる事ができます。

 そして、スケベなオヤジである僕は驚いたのですが、女性の肌をここまで見せるインド映画は初めて観ました。この女優さん、私生活で強いバッシングを受けるんじゃないのかなと要らぬ心配までしてしまいます。これも新しいインド映画の証なのかな。

 更に、「こんなしっとりと落ち着いた映画が、インド社会ではどれだけ受け入れられているのだろう」と、気になりました。調べてみるとインドに約1万近くある映画館で本作上映館は僅か27館だったのだそうです。日本国内ですら50館近くで公開ですから、インド国内では興行的には失敗作とされるのでしょうか。でも、そんな映画でも日本に渡って来たのは、先のカンヌ国際映画祭でグランプリに輝いたからという実績があっての事です。そう考えるとカンヌにも感謝です。

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La Strada

3.5伝統的価値観と女性が自由に生きること

2025年8月28日
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悲しい

インド映画というと「ムトゥ」を思い出します。歌と踊りがお決まりと思ってましたがこの映画は普通でした。かなり昔にインドの恋愛事情、男女の関係を本で読んだことがあってその伝統的価値観がまだ強く残っているんだと思いました。銀座で闊歩する観光客、東西線に乗るビジネスマン、料理店にいるフロアの人などいま日本で会うことのできるインド人からは想像できませんでした。あまり昔と変わっていないのですね。それだけ伝統的価値観、カースト制度、ヒンドゥーの教えが根強いものなのだと思いました。それが一概に悪いとは思いません。それがその国の文化、地域の特色、個性なわけで。インドでは女性の自由がまだまだ市民権を得ておらず、こういう女性視点で描かれる映画が少ないんでしょうね。女性の解放、伝統と若者、田舎と都市の相対がよかったです。昔の日本を思い起こさせます。

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むっ、むいちろう