サブスタンスのレビュー・感想・評価
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お仕着せの価値観と行き過ぎた執着がもたらす地獄
デミ・ムーアのまさに体を張った狂気の演技に圧倒された。
名優はもちろん綺麗に撮られることより表現を優先するものではあるが、顔や背中の瑞々しさを失った肌を強調するカメラワークで撮られつつ若い女優と対比させる演出で演じるのは、女性としてはなかなか勇気のいることだ。
もっとも、そういった勇気を必要とする価値観や社会の風潮こそ本作の批判の対象なのだろう。だから私の「女優なのに体を張っててすごい」という稚拙な感想自体、コラリー・ファルジャ監督から見れば唾棄すべき古臭い価値観に毒されたものなのかもしれない。
とはいえ、マーガレット・クアリーが眩しすぎる。
かりそめの空疎な分身だが、若さを失った故に表舞台から退場させられたエリザベスにとってはあまりに蠱惑的な存在。クアリーが美しいからこそ、エリザベスがサブスタンスのルールを破り狂っていく気持ちもよくわかる。
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」のプッシーキャット、「哀れなるものたち」のフェリシティなど、短い出演時間でも印象深い少女の名残を感じる愛らしい顔立ちと完璧過ぎるスタイルが、あやかしのクスリで生まれたスーにぴったりだ。
デニス・クエイドの演じたハーヴェイ(……ワインスタイン?)とエリザベスの隣人、ハーヴェイが連れてきた白髪頭の株主たちは、若くて美しい女性しか人間扱いしないという有害な男性性の象徴として登場する。
ハーヴェイは吐き気がするほどドアップのカットで登場し、エビ料理を大袈裟なほど汚く食い散らかすなど、生理的嫌悪感を煽るかのようなデフォルメをほどこして描かれる。「女性は若く美しくあってこそ存在意義がある」というくだらない価値観はこういうレベルの奴らが押し付けてくる戯言ですよ、とでも言わんばかりだ。若さ偏重でエリザベスを切るお前自身も脂ぎったおっさんだろと思わず言いたくなるような、クエイドの怪演がいい。
冒頭のウォークオブフェイムを使ったエリザベスの状況説明は、簡潔ながら十分な情報があって上手いなと思わせる。その後も終始テンポがよく、展開から眼が離せない。
彼女の弱さゆえに事態が混沌としてゆく流れは想像通りだが、落とし所が予想出来なかった。まさかあんな状態になってあそこまでブシャーと撒き散らすとは……
ビジュアルのグロさと若さへの執着に負けた代償の恐ろしさに震え上がる一方で、笑える瞬間も結構多かった。
ハーヴェイの誇張された愚かしさもそうだし、騒音のクレームを入れに来た隣人の豹変具合、プロの職人並のDIY能力でバスルームにドアを設置するスー。声をかけてきた昔なじみ(多分本作唯一の善良な人間)に会いにいくのにド派手なおめかしをするエリザベス(この直後のデミの演技がすごい)、完全に老婆形態になったのにスーとやりあう時はめっちゃ素早いエリザベス(笑)。
モンストロと化したエリザベス&スーがショーの舞台に出る場面で「ツァラトゥストラはかく語りき」が流れた時には、2001年宇宙の旅かよ!と笑ってしまった。
この交響詩を作ったシュトラウスがインスピレーションを受けたニーチェの同名の著作に出てくる「超人」の概念は、既存の価値観に囚われず新たな価値を生み出す存在であり、人間が目指すべき姿として定義されている。
女性の体は2000年以上にわたり見る者の目によって形作られ、支配されてきたとファルジャ監督は言う。考えてみれば、そのように女性を縛ってきた古い概念の否定という本作のテーマと、この曲の由来はよく馴染むのではないだろうか。
私は変わっていない私のままだと、「モンストロエリザシュー」は叫ぶ。悲鳴をあげる客席の男女と同じ恐怖に見舞われながら、彼女の叫びに観客の自分までも試されているような気持ちになった。
最後に、崩れたモンストロからこぼれ落ちた異形の姿のエリザベスは、自分が賞賛され愛されていた頃の象徴であるウォークオブフェイムに辿り着き、ほっとした表情で息絶える。融解した彼女の痕跡はあっという間に干からび、翌日には一瞬でバキュームクリーナーに吸い取られ消えてしまう。
最後まで「他人が女性に望む理想の外見」に振り回された彼女の物語を、「こんな生き方はくだらない」と一蹴するような皮肉の効いたラスト。オープニングと同じシンプルな表現で、ピリッとした落とし方が小気味いい。
デミ・ムーアの執念が視覚効果を凌駕している
最先端の再生医療、サブスタンスの力を借りて、若々しく生まれ変わろうとしたベテラン女優のエリザベスが辿る、再生と崩壊のカタストロフ。この映画の肝は、エリザヘスがCGIで若返るのではなく、上位交換によって全く異なる個体であるスーとなって、エリザベスの背中を破って出現するところ。さらに、両者はそれぞれのコンディションを維持するために1週間毎に入れ替わらなければいけない点にある。このアイディアは確かに斬新で、従来の若返りに関する映画とは一味違う。
スーがルールを破ったことで両者の肉体に訪れる衝撃的な出来事は、視覚的には『遊星からの物体X』('82年)だったり、デヴィッド・クローネンバーグだったり、または『キャリー』('76年)だったりする。しかし、エリザベスを演じるデミ・ムーアの肉体が、特殊メイクや人形を用いてほぼ別物に変化した後も、よく見ると、依然としてデミ・ムーアであり続けるところが凄い。そこに、メイク担当の気配りと言うか、エリザベスの苦闘に自身のストーリーを重ねつつ演じたであろうデミの執念を感じるのだ。
個人的には、ハリウッドで整形美容の是非論が取り沙汰された1990年代初頭に製作された『永遠に美しく・・・』('92年)に近いと思うが、映画のテーマをやはり当時としては最先端の特撮技術と笑いによって具現化した『永遠~』とは異なり、女性に向けられる性差別、年齢差別、ルッキズムの問題が過酷な分、本作が発するメッセージはシリアスで強烈だ。さて、『サブスタンス』も『永遠~』と同じくカルトムービーとして生き残り続けるだろうか?
好みではない作風でしたが、面白く観ました
(完全ネタバレですので必ず鑑賞後にお読み下さい!)
(レビューが溜まっているので短く)
結論から言うと、今作の映画『サブスタンス』を好みではない作風でしたが、面白く観ました。
作風としては露悪的不快なアップやアングルやカラーや演技や演出で好みではありませんでした。
しかし、ルッキズムへの批判とルッキズムへの過剰適応への皮肉として、作風は合致しているとも思われ、後半の展開には特に驚かされました。
着地に関しては好みで、結果として今作を興味深く、SF的な描写含めて総じて面白く観ました。
パニックとトラウマ
ここまで見せられると、さすがに自分を大事にできる気がしてくる。
個人が特定の人物と認識されるのは、見た目か精神か、はたまた血液か、、!?他者からの自己同一性の問題も然ることながら、自分自身は己をどのように認められるのかという問いが、本作ではしつこく提起されている。
つい5本前に観た、今敏の『パーフェクト・ブルー』が脳裏をかすめた。
血まみれでウェットな臓器に管が繋がってステージに落下するところや、背中から新しい生命体が生まれてくるところに、デイヴィッド・リンチやアリ・アスターへのリスペクトが感じられる。
しかしながら、むごい過程に尺を使いすぎて鑑賞者はだんだん何を見せられているのか訳がわからなくなり、人体変形も展じすぎて最早ウケを狙ってくる辺りに、“やり過ぎ”を“やり過ぎ”で凌駕すると、見栄を張って固執していた顔や性的パーツの美しさに恥すら感じられるのが可笑しくも切ない。
いやはや、カメラと言い、男の視線と言い、世間からの目線は恐ろしいが、自分からの目線は恐ろしくあってはならない。他人からの愛は一時に限っても、自分とは一生の付き合いなのだから。
自分に針を打つ恐怖、欠けと不安を隠し歯を食いしばって笑顔を向ける恐怖、そのどちらも、時空が歪む錯覚が起こってパニックになる。
自分を囲む外界の明るさと他者の悪気無い温かさをすぐ近くに感じるからこそ、バレていない状況がバレた時の想像を増幅させる恐怖のパニックである。
こういう、苦しみをフラッシュバックさせるようなリアルかつ超細かいニュアンスで恐怖を入れてくるあたり、大胆シナリオホラーな“スタンス”のくせに繊細な精神の解像度が高くて憎い。
高層階のフワフワキラキラ豪邸に、溶き卵が跳ねる萎びた老婆の威嚇とは、これまたシュールな取り合わせが上手い。
大女優の部屋で一瞬、ここは羅生門だったかと目を疑った。
血と膿と食べ残しのグチョグチョ暴力シーンはさておき、アメリカメディアの第一線で充実した日々に流れる小刻みで重厚なサウンドは強烈で結構だが、ずっと耳塞いでた隣の人は間違いなく「odessa」で観るべきでなかったね笑
ケチャップで始まり血に終わったWalk of Fame
とんでもないものを観た
デミムーアの覚悟がすごい。
オールヌードが出てきすぎて中高生男子は真っ直ぐ立ってられないんじゃなかろうか。
背中からガバッと生まれて、その後自分で背中を縫うだけって消毒もなしてごんぶとの紐でぐいぐい縫うなんて痛すぎる…
という視覚的に痛いシーンてんこもり。
スーが可愛すぎて、ハイレグエアロビのシーンなんてセクシーハッスルがすぎる。おじさんイチコロだよね、ありゃ。
若さと美しさと承認欲求の欲望がデカすぎて、もうなんかラストのテレビ番組の収録会場血みどろ祭りがすごい笑えた。
エログロ爆笑という、これなんのジャンルなの?
もうね、メチャクチャ(笑)
今夜(2025/09/06)、¥400レンタルで観ました。
“ボディホラー”なるジャンルの存在を全く知りませんでしたが、本作を観てなるほど納得しました(笑)
『永遠に美しく』『レクイエムフォーアドリーム』『ブラックスワン』『ブラックミラー』『シャイニング』『2001年宇宙の旅』『ソウ』『グーニーズ』『BIG RED』と、オリジナルに敬意を感じるオマージュがたくさんあるので、知ってる人は思わずニヤリとしてしまいます😁
中年男の、下品極まるシーンがふんだんに散りばめられているので、世の男性は彼らと真逆の態度をとれば、世の女性から好意を持たれるかも知れません(笑)
また、本作ほど食事(特に肉料理)をグロテスクに表現した作品は無いと思います🤮
更年期を過ぎて、過去の栄光にかげりを感じる、デミ・ムーアことエリザベス。ひょんなことからある情報を得て、輝いていたあの頃を再び手に入れられるかも知れないチャンスを掴みます。
どう見ても怪しい薬物を血管に注入。理想の自分の分身を創り出すというもの。ただし、7日間行動できなくなり、分身の方も7日毎に7日間休まなくてはなりません。休んでいる自分に栄養も点滴しなくてはなりません。
ここら辺は『笑ゥせぇるすまん』に出てきそうですね😁
タブーを冒すと報いがあります。その報いが非常にグロテスクです(笑)コピー側の活動がうまくいき過ぎ、オリジナルとの関係が拗れてしまうと、どうなってしまうのでしょう🤔因みに双方、記憶は共有していません。
この映画の監督は、なんと女性(コラリー・ファルジャ)。世の男性監督はこの映画を観てさぞ悔しかったと思います。男性がつくりそうな下品な描写や乱暴な描写。はたまたお色気満載のセクシーエクササイズの描写などが数々ありながら、一方で女性ならではの苦悩、化粧の仕方や、他者への嫉妬の表現なども含まれているからです。
そんでもって最終的に収集つかなくなってめっちゃくちゃになってしまいます(笑)
120分を20分以上超える作品ですが、本作に関しては、「長いけどもっと観たい!」と願ってしまったほど(笑)これは非常に珍しいケースです。オチも文句なしに大いに笑い、素晴らしいものでした👏😅
デミ・ムーア、マーガレット・クアリーの粉骨砕身の演技には脱帽に平伏です💦最高質の演技に加え、良くぞここまでぶっ壊れてくれました👍(笑)
だからこそ、彼女らの努力に泥を塗るような、局部のボカシには、心底憤りを覚えます😠
フルヌードが含まれるので、家族団欒で観ると100%気まずくなります(笑)気の合う友人同士で楽しく観ましょう!
本質はホラーではない
この映画をホラーやスプラッタだった!と見るのも間違っていないし、若さへの執着で身を滅ぼすホラーコメディだ!と見るのも間違ってない。
監督はむしろそういう演出を過分に入れているし、映像としての衝撃性を出す為にもかなりボディーホラー要素を盛り込みまくっていると思う。
ただ個人的には、この作品は「差別される苦しみ」「自分を愛せないことの苦しみ」が本質のように思う。
年配の権力のある男性たちからは露骨に若い女性が持ち上げられ、老いた女性のルックスには価値なしという世界。それによって思考も毒され、どんなに着飾っても自分が醜くてたまらなく感じ、愛せない。
現実世界ではここまで露骨ではないし、女性のビジュアルを売りにしている職業ばかりではないので、必ずしも現実世界そのままの話という訳では無い。ただどうしても現実世界の風刺的な意味合いは大きくて、例えば企業の受付、事務職、接客業は若い女性がいいよね、みたいな職場も多く存在する。そういう社会の中で生きていくと、女性側も思考がそれに毒されて「若さや見た目や愛嬌を売りにする」「それが衰えたら一部の仕事が無くなる」という思考に刷り込まれていくのはよくある話だと思う。
女性に限った話でもなく、男性の中にも自分の衰えから自己否定に走る人も少なくない。
そういう社会風刺、若いルッキズムへの批難提唱みたいな真のメッセージを描きつつ、ポップな色味とホラー要素で彩った作品に感じた。
そしてやっぱり、映画を見ていくとスーがとてつもなく魅力的に思えて来るのが怖い。最初はエリザベスはとても美人と思うのに、スーのダンスシーンなどを見ていくと本当に目が奪われて、エリザベスが劣った存在に見えてくる。意図的にそう描かれているにしても、差別する側の思考に染まるのはよく出来た映画だと思う。
最後は逆に振り切ったボディーホラーコメディでしめつつ、冒頭でもでてきたハリウッドの道端の描写が重なる演出がとても良かった。
全体的に演者の演技、監督のメッセージ、作品の色味や演出のオシャレさ、世界観はとても好きだった。
ただ誰しもにおすすめできる作品でもない事と、1部どうしても安っぽく思えるB級ホラー的な要素を感じたため、星は4つ。
ハリウッド・ウォーク・オブ・フェーム
久々にパンチのあるホラーを観た気がする。
喪黒福造が「ドーン」ってやりに来たところを「うるせぇ、ドーン」って逆にやり返してた。
あくまでイメージですが...
それにしてもデミ・ムーアが楽しそうに演技してて、随所で笑ったなー。
黄色のコート羽織って走る姿にダークヒーローを感じたと思えば、最後星型プレートに無事たどりつけて「あー良かった」じゃないんだよ 笑
でも、あのオチのつけ方嫌いじゃないです。
好みが分かれるけど私はドハマリ
サイコーでした。ビジュアルもノリもグロさ加減もツボりました。口コミは賛否両論あるけど私は嫌いじゃない。デミ・ムーアが「劣化女優」を体当たりで表現。加齢に抗うオバサンが滑稽で痛々しく直視できない場面もあり、後半チープなモンスターになっちゃうけど、全体的にポップでキモさとユーモアのバランスが絶妙でした。エンディングは切なくて良かった。も一回みたいですね。
刺激
飽きなかったけど中盤辺りからちょっと期待外れだなと思っていた。映画自体にとても真面目な印象を受けたから
しかしラスト10分くらいが最高に刺激的だった
Monstro Elisasueと画面にでかでかと表示され笑いがこみ上げてきた。そこからはもう大満足
ただ、この内容だったら1時間40分くらいにまとめてほしかった
途中で主人公の印象が180度変わった
観た直後は後頭部をぶん殴られたみたいな感覚で圧倒されてしまった。とにかく最高!
ソリッドな絵作りやエアロビ、TV文化、スマホが混ざった架空の時代設定のような独特の世界観をはじめ、
キャラクターの造形も展開も全てに隙がなくパワフル。
ただノリや雰囲気だけの映画ではなく、
主人公に自分を重ねて色々考えたり、シーンの意味を深読みしたくなったり、
映画の全てに監督の意図があり、文学的な奥行きもある。
冒頭、主人公が年齢を理由にクビにされる所は本当に同情するけど、
その後の彼女の行動はどんどん自分で状況を悪くしてしまう印象。
若い時の活躍だけに囚われて視野が狭くなっていて、
若くて美しくないとダメだという思い込みで余裕が無くなり判断能力を失って
サブスタンスとかいういかにもヤバいものに手を出してしまう。
途中デートに誘われても連絡もせずキャンセルする感じ、
すごく自分勝手だけどそうなってしまう気持ちも分かるからこそ、
あちゃーって感じで引き気味で見守っていた。
途中、寝ている方の身体を隠す部屋を作るシーンで
主人公が信じられないほどのDIYの才能を発揮するのは
ギャグっぽく描かれているけど
あれすら主人公は外見に固執しなくてもそれ以外の才能があったって事なんじゃ?と深読みしてしまう。
とにかくスー編までは、クビは可哀想だけど、
その後彼女を追い込んでいるのは、彼女自身の自己中心的な考えや視野狭窄が原因に見えて、
こうなっちゃいけないな…と教訓のような事を感じながら観ていた。
多分ここで終わっていたらよくある教訓話風の作品で終わっていたと思う。
でもこの映画を唯一無二のものにしてるのは、最後のモンストロ編。
若さや美しさに囚われて暴走してついにモンスターになる所までいった時は、
衝撃も受けつつ、もはや開き直って行き切った謎の爽やか感。
スー編まではエゴに取り憑かれて勝手な事をしてる主人公に呆れてたけど、
若さや栄光は彼女にとっては全てを失っても良いから手に入れたかったものだったし
それがない人生なら生きてても仕方ないって主人公は自分で分かってたのかも。
そう思うと必死な気持ちが伝わって切なくなった。
多分あのデートに行ってたとしても、そこに主人公の幸せは無いし、
その事に自分で気付いたから主人公は泣いてたし無意識に死を覚悟したのかも。
最後のシーンで彼女はキラキラの幻想を見ているから、爽やかな気持ちで死んだと思うとホッとした。
人生で一度でも栄光時代があるってことは、その後の人生が苦しくても最期のご褒美になるのかもしれないと思った。
めまぐるしい映画体験だったけど、鑑賞後には
人(観客)からどう見られようと自分を貫き通した主人公の生き様や強さに元気や勇気を貰えた。
ありがとう、モンストロエリザベスー!!
2025年ベスト傑作で大好きだけど2度と見たく無い。今まで見た映画の中で一番グロくて怖くて悲しい映画。でも物凄く出来が良くて面白い映画だった
メイキング映像がYoutubeで転がっていて、グロいシーンにほとんどCGを用いていないでリアリティのある描写が出来ていると知って何だかもう一回見に行っても良いなって気分になってきました。ぜひ調べてみてください。
個人的に面白い映画の特徴として、
・作中にルールが提示され、ほぼそれは破られる。
・作中に出てきたキーアイテムが全部使われる
・名作のオマージュが絶妙に再現されている
そして今作は上記の事を起こした時にとんでもないことが起こり、とんでもない映像となっておりました。
今まででみた映画の中でいちばんグロくて吐き気を催して恐ろしく、ホラー描写が突き抜けていてもはや死霊のはらわたレベルで笑えてしまい、それでいてつらくてとても悲しい映画でした。鑑賞後はしばらくこの映画のことで頭がいっぱいになるでしょう。
美しい女性の裸体や扇状的なシーンが多々出ますが恐怖のせいで全然そそられません....嫌に見事な作り
そして意外にもセリフが多すぎない作りになっていて意外にも見やすい。セリフ無しでも辛くて印象に残るシーンがいっぱいあるのは作りが良いけどつらい。
作品が皮肉っているメッセージはあまりにも強烈。アカデミー賞にノミネートされるのも納得の出来だし、主演のデミムーア氏にも何か賞を与えるべきだとすら思う。
SFとホラーの2部制
第一部は質の良いSF。
良き分裂です。
CGだけでなく特殊メークに見応えあり。
第二部は80〜90年代ホラーや漫画への
オマージュでしょ。
死霊のしたたりとか、バタリアンとか
バスタードとかベルセルクとか
顔横のおっぱいの造形にノスタルジーを感じました。
SFとしての出来が良かった分
第一部だけで完結する話が見たかった。
モンストロ・エリザスー
モンストロ・エリザスー
ラスト辺りは爽快だった
血飛沫すごかったな
あそこまでやってくれると見てる方もテンションあがる
デミムーアよく引き受けたな、こんな役
ゴーストの頃から35年たったのか
でもまだまだ綺麗だった
薬打つ必要ないくらい
人は誰でも歳をとる
時間だけは平等だからな
受け入れていくしかないんだよな
ビジュアル、年齢重視の人って自分が歳とったらどうするんだろ
ヤバいだろ
美しさとは。
Xでバズってるpostを見てずっと気になっていた作品。
今の自分の美しさだけでは飽き足らず、昔の栄光や若さに目がくらみ、若返りを図る。
下調べせず鑑賞したので、サブスタンスを服用して起こった事が衝撃的でした。
てっきり整形技術的に本体そのものにメスを入れて変貌を遂げていくのかと思いきや、背中から生まれ変わるとは。。
しかしルールを守る事で2人の自分がバランス良く生きられるのだ、どちらも自分であるという縛りも、ストーリー上欠かせないものであるし、理解できました。
男性陣の態度や世間の目。歳を重ねて老いには逆らえない女性に対するのと、若さに満ち溢れた快活な女性に対するそれはあからさまであり、日常的に起こっている事柄と簡単に結びつけられる様に感じます。
自分が歳をとるにつれて心身の変化がある事や、女性の若さや性的消費に対する気持ちもよく分かりますし、主人公の気持ちを考えると胸が痛みました。
終始セリフや説明が少ないのに、デミムーアやマーガレットクアリーの表情を見る事で不思議と理解できてしまう、引き込まれる作品でした。
痛くて痛くてホラーよりゴア印象
とりあえず、痛さと汚さで潔癖症鳥肌が止まらない笑
観ている中でこの路線行かないでね。に見事突入!!B級ホラーやトンデモ展開好きな方は観る価値あると思います。
分裂した時の人格が描写のせいで分かりにくいですが、多分別人格。故に継続メリットが理解できない。ステージママ(親子)の成れの果て【極】自業自得エンドで飽きました。
あと青年(老人)の必要性は?
締め方は好きです。
鑑賞から時間経つとラスト哀れで愛おしいなと思えるようになりました。
昭和に描いた未来感がした。画作りは好き。痛いし汚いけど笑
人類不変の悩みを描いた現代の寓話
とんでもなくかなりぶっ飛んだラストは、映画へのオマージュがあふれていた。
ある程度予測した通りに話は進み、あれ?まだ続くの?と感じ始めてラスト30分。やられたー!と思いました。まさかの!あの名曲がここで!確かに新たな何かが生まれちゃったけど!
そして悲しみと怒りの血しぶき!
これってキ○リー?
ここまできわどい演出をしたのは、あまりにもそのまま終わると痛々しすぎるからだろうか。ジャンルはホラーとはいえ、同じ女性故に、形容しがたい苦みが胸に残った。
映像は斬新でスタイリッシュなミュージックビデオのようでありながら、一週間ごとに入れ替わらなければならないという不条理な制約やルールを破り身を滅ぼす顛末は、古今東西のおとぎ話や寓話に共通するものがあって、古典的な印象も残した。
老いていく自分と向き合えず、追いかけてくる若き日の栄光にしがみつく。
覚えてもいないイケてない同級生からの、泥水に落ちた電話番号の切れ端に一度は救いを求めるも、結局そんな自分も許せない。
そんなエリザベスが陥っている状態は、仏教では執着といい、かなり醜い心理の一つだけれども、誰しもが歳を重ねると大なり小なり同じような苦しみを味わうだろうし、どちらかというとエリザベスに歳が近い自分も、彼女を笑い飛ばすことはできない。
スーを取り巻くステレオタイプの男性たちや、若い女性の上澄みだけを搾り取り、使い捨てにする業界への批判も盛り込まれているが、それはハリウッドだけではなく、社会全体にはびこるルッキズム批判でもあるだろう。
しかし結局は、エリザベスが、今の自分を好きになることができないことが一番の原因なんだな。スーも、目の届かない場所へエリザベスを隠し、常にエリザベスの存在を恐れている。老いと向き合い、今の自分を受け入れ、前を向くこと。
それは永遠の難題なんじゃないだろうか。
エンディングは笑えるとともにちょっと切ない
これ女性が監督だったの?男の監督が撮ったのって思えるくらい女性の体のパーツのアップが多かった(サービスカットか?!)のが印象的でした。
頭が追いつかなかったのですがエリザベスの体を破ってスーが出てきて内臓はどうなってんのとか、同じ人間のはずなのに別人格なのとか脚本家はどう考えているのか理解不能。でもそんなことよりも映像に驚愕しました。
美と醜、若さと老いの対比がハッキリとしていてそれは演者のスタイルとメイク陣に依るところが大きい。またプロデューサーのハーヴェイがタバコの煙を吐き出すところとかエビの食べ方とかとにかく汚く撮られていてかわいそうなくらいでした。途中エリザベスが幼馴染と再会を機会に飲みに行こうとするけど老いてる自分が嫌で結局は行かないエピソードあるけど別に要らなかったかな。
結末はどうなるのかドキドキしていたがまるでサザンのライブで放水してるような放血ショーで周りは老若男女血だらけ、主人公は別の生物に生まれ変わり、挙げ句体が破裂して絶命(?)。
舞台が自宅マンションと撮影スタジオと秘密の組織(薬品の提供会社?)以外ほとんどなくてやたらと廊下が長く、部屋の中に余計なものがなくてなんか実相寺昭雄監督みたいだな(あそこまでシュールじゃないけどわかる人にはわかる)と思いました。
デミムーアはゴーストでしか見たことないが年の割にスタイルは良いです。主役2人のおっぱいとデミ・ムーアのアンダーヘア(股にのり付いてる?って感じの写り具合)が見られただけでもお得かな。もっとエログロに振り切っても良かったのになんか中途半端だったな。
デミ・ムーアがミュージカル・コメディ部門で主演女優賞取ったってこれホラー映画ですよね?もうワタシ的にはB級カルト認定です。
もう夜の最終しかやってなくて客も私含めて2人だけでしたが映画館スタッフに感謝です。
デミ・ムーアさんに、アッパレ。
日本では泣かず飛ばすの状況が続いたと感じていましたが、本作品の演技は全身全霊を感じ、今後の俳優活動を期待させてくれました。
作品自体はホラーの枠組みかもしれませんが、デミ・ムーアさんの演技が素晴らしかった。
内容に関しては、感情や行為を極端に強調した、とある世にも奇妙な感じの作品として成立していると思う。
あのような筋書きや展開、見せ方は他の作品でもよくありますし。
こんな映画だとは思わなかったとか、後悔した等のご意見も拝見しましたが、一応ホラーとしては事前に告知していたと思っていた事と、そうでなかったとしてもキャッチコピーに「阿鼻叫喚」という大きな「おぞましさ」を歌っているので、裏切られたとは思わなかった。
若さ(スー)は見た目が美しいが、経験不足のせいか心が醜い。
年配者(エリザベス)は経験値により自意識が確立され、自分が正しいと思い込み盲目的に突き進む。
そんな二人が当たり前のように衝突する構図。 また、女性は美しさが損なわれたら終わっていくという表現は、あくまでも、特定意識のなかでの話であると個人的には思っています。
基本、誰でも様々なコンプレックスは有るし、それに対して非常に過敏に、多くの人は意識されていると思う。
それとどう向き合うかが、人生の大きな選択になるのかなと思える作品でした。
物語の起承転結の起句承句は物語の方向性が確定しており、裏切られたとか面白くないと感じた方は、其処からの終演を、いろんな意味での美しい展開を望んだ人だったのかな。
結句は、作品のオリジナリティを確定させる大事な10%部分という解釈もあり、個人的にも賛同をおぼえるので、後半のあの展開や見せ方も製作者の大きな意図が有るかなと思いを馳せます。
導入と終結を同じ象徴の上で終わらせたのは秀逸。
その時のエリザベスの表情に、美しさや醜さやスーへの想い、そして良いか悪いかは別として、有る意味納得して消滅していった、奇妙な安らぎを感じました。
とあるレビューで、マクベスの一節「綺麗は汚い、汚いは綺麗」を表現しているとの意見を拝見し、賛同を覚えましたが、同時に存在に苦悩している描写には、ハムレットの「生きるべきか死ぬべきか…」の名言も当てはまるかもなと、思いました。
半ばから後半のグロテスクな表現は、びくっりしましたがデミ・ムーアさんの演技に引き込まれたので嫌悪感等も無かった。
また、あのグロ表現に関しての色々な予想や考察を拝見しましたが、私は、世界的に有名なあの漫画家先生に影響受けた!?…何て事を、世代的な邪推で妄想してみました(笑)
ちなみにホラー作家ではありません。
とにもかくにもデミ・ムーアさんの演技には称賛を贈りたい。
ちなみに、デニス・クエイドさんのあの役柄は良いとして、わざわざあの役をデニス・クエイドさんが演じたことに(オファーをお受けした事に)少しだけびっくりしました。
役柄がなんとも、変な人で嫌な人で汚い人だっただけなので(笑)
グロい表現が多々あるので、美しい展開や映像を期待する方には確かにオススメ出来ませんが、作品としては観賞後の余韻と考察も楽しめる1品と感じたので、オススメしたいと思います。
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