サブスタンスのレビュー・感想・評価
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若いときチヤホヤされてない50歳には他人ゴト笑
ポイントはほぼ、「映画的に」楽しんだから。
え!うえ!うう!うわーとなりながら見入った。
また前半の心理描写も悪くない。旧友との再会機会にしがみつき理性が壊れていく描写は素晴らしい。
ただ、着地がね。
ストーリーだけでいうとTVの世にも奇妙な物語でその回の2番目に面白かったと思うレベル。
無駄のないエンタメ
気持ち悪っ…(褒め言葉)
デタラメさと説得力とルッキズム
ていねいな心理描写によるリアルでシリアスなストーリーにもできたと思うけど、デタラメにデフォルメしまくってエンターテイメントに徹したところはある意味潔いなと思う。
もうひとひねりあるかと思ったけれど、結果ものすごい直球勝負。ほんとにだいぶデタラメではあったが、妙な説得力はあった。
DIYのスキルとんでもねえな!とか、その状態でめちゃくちゃ動くじゃん!とか、つっこみどころもたくさんあるし、あきらかにビジュアルを消費されるだけの役どころに抜擢された役者さんに思うところはないのだろうか、と思ったりもするのだけれど。
ルッキズムに疑問がもたれるようになってずいぶん経つが、人類は(私も)ぜんぜんルッキズムから自由になれていない気がするし、自由になれる日がくる気がしない。
しかし痛いシーン多くて、もうちょっと後ろの席でみればよかった・・・とちょっと思いました(3列目でみてしまった)。
令和版トワイライトゾーン、もしくはドラえもんの大人の秘密道具
まさに佳作(怪作⁉️)。デミ・ムーアやマーガレット・ケアリの体を張った熱演もさることながら、演出が上手。ひとつがハリウッド・ウォーク・フェームを使ってのエリザベスの紹介。賛美で始まって、次は「誰この人」、最後はおっさんがコーラやハンバーガーをぶちまける。
監督が意図したものかわからないが、エリザベスの“ジュラシック・フィットネス”も。あれはデミが『ゴースト/ニューヨークの幻』などでブレイクしていた頃のものだよ。確かに成功したが、全然進歩してない。新しい自分スーを手に入れても、する事は同じテレビ局での同じフィットネス番組。エロ度は増したが、内容はジュラシックと変わらない。恐竜は絶滅したが、人類はまだまだ誕生する以前のもの。
エリザベス、君は何を求めているの?美しさ?若さ?それもあるが、人々からの称賛ではないか。だから、自分を今も憧れの目で見ているハゲメガネの冴えない同窓生に会おうとしたんだろう。(このおっさんも自分の電話番号を書いたメモをどぶに落として、書き直しもせずそのまま渡すような男だが)。でも、結局は会わなかった。自分から電話したのに。昔から、こうしたことを何度も繰り返してきたんだろうなあ、この人は。街を一望出来るタワマンに住みながら、仕事以外で彼女がすることは一人で掃除するか、フランス料理を作ってムチャ喰いするだけ。そばに誰もいない。スーになっても、そこにDIYが加わるだけ。のび太が秘密道具を使っても失敗するように、エリザベスも結局失敗する。エリザベス、ギャッビーを読んだことはないの?「過去は繰り返せない」だよ。それと、ドラえもんの『かげがり』もね。分身は必ず本体に入れ替わろうとするよ。
後世に残る傑作ボディーホラー
昨年のアメリカ公開時に劇場鑑賞しました。まぁ驚きの作品で、最終的に私の年間ランキング2位に入りました(トップはインドの復讐殺戮映画『KILL』)。
アカデミーなど一連の賞レース、興行成績、いつの間にかデミ・ムーアの人生ストーリーにすり替えられているマーケティングなどにカモフラージュされていますが、The Fly、Dead Ringers、Titane、鉄男などと並ぶボディホラーの傑作として後世に残る作品だと思います。
まずはホラー作品として優れている上に、デミ・ムーア起用による自虐ブラックコメディー要素、絶妙なエログロ感、独自の世界感といったカルト要素が満載なのに妙に洗練されている、こんな作品はなかなか出会えないということで★★★★★の満点です。
覚悟して観た方が良い
不快 オブ 不快。(笑)
かつて一世を風靡したエリザベス・スパークル 50歳。
名声、愛、美、若さを取り戻すため、細胞分裂を促す薬『サブスタンス』を投薬し、理想的な自分「スー」を生み出して、というお話。
最初はまだよかったんだよ?
肌理まで見える徹底的な近接撮影とか、ASMR的な音は、老いと若さを徹底的に対比させていたし、それもそれで、人間てまあまあ気持ち悪いのかも、とも思わせる手法なのかもと納得した。
道中のプロセスは道筋があって老いに怯えるエリザベスに同情もしたし、自由と若さにしがみつくスーに憐みも感じた。だけども、ラストはもう監督の悪ふざけがすぎるのよ。笑
ルッキズムとかエイジズムへの問題提起とか復讐超えて、最後はただただお祭りで、肩を揺らして笑ってしまった。
前の席の男の人の顔が見えたんだけど、口が閉まらなくなってたよ。『時計じかけのオレンジ』+『地球星人』+『エイリアン』を足して26掛けたくらいの不快さだった!あー疲れた!
これは面白すぎだろ!
あのデミ・ムーアが見事に演じきった!素晴らしい👏
この映画の中で起こってる事は、昔から当たり前のように行われてきた事だし、今も尚続いている。個人の考えとしては別にそれがいい事とも悪い事とも思ってはいない。エンタメの世界では仕方がないことだと思う。
誰しも美しくありたい。出来ればそうでありたいと思う。ただそれに執着しすぎる事はないと思う。人間なのでいずれ体は衰える。歳もとれば限界もくる。それに抗うのはいい事かもしれないが、適度に上手く付き合う事も必要。
今年最高に恐い…いや、過去をふりかえってもトップクラスの恐さだが、ちゃんとメッセージもあり映画としてもいいし、終わり方まで最高🥺こんな最高な映画なんだから1人でも多くの人に映画館で観て欲しい👀🍿*゜ゴア描写苦手な人は自己責任で(笑)
「化粧や身だしなみの些細な差に執着することの馬鹿々々しさ」を識る視点
昭和演歌を聴くと男性の耳に心地よい女性のつぶやきのオンパレードである。自立した女性からしてみたら噴飯ものかもしれない。しかし、ある時代、一部の女性には真実でもあったろう。
女性は美しくあるもの。そうでないと取るに足らない。的な世界観も男性側の勝手な見方である。そんな評価軸を持っていない女性からしたら、同じく噴飯ものかもしれない。しかし、百貨店一階に陣取る化粧品ゾーンから窺えるように、この世界観はいつの時代も根底に居座っているような気もする。
実際に女性の幸せはその評価軸に則ってもいるようでもある。ゆえに無視はできないが、あまり囚われすぎないようにしたいところだが、その自制は難しい。
その「自制の難しさ」を最大限クローズアップさせてインパクトもマックスで教えてくれるのが本作だと思う。
分身の理屈とその組織のミステリーに深入りしていない点は、テーマを絞っていて好いが、分身と母体に意識の共有がない、というのが設定として腑に落ちない。完璧ボディのスーがまったくの他人なら、母体側になんのメリットがあるのか。
だから分身と母体が大喧嘩を始めたあたりから、なにか違うなと思った。血しぶき撒き散らしに至っては、やりすぎも甚だしい、と思った。ただ、最後に路面に戻ったときはやるなと思った。
個人的にはもう少し哲学的なテーマで締めて欲しかったが、このインパクトあってこその本作なのかもしれない。
クローネンバーグ系の映像は卒業したと自認している私には、映像よりも、製作側の持って行き方に「あっけらかん」であったが。
事の顛末から振り返ってみれば降板されたエリザベスも美人である。総括すると、美醜は4段階がある。完璧なスー・降板されたエリザベス・老女に落ちたエリザベス・化け物になったスー。
これほど差の大きい4段階をみせられると、化粧や身だしなみの些細な差に執着することの馬鹿々々しさがみえてくる。現実、その馬鹿々々しさから逃れられないかも知れないが、そう思える視点もあると知るだけで収穫だと思う。
この監督、好き!!!まさに「メメント・モリ」
スーと心が入れ替わらないなら、エリザベスにメリットは何も無い。
そう思いましたね。
《凄い化け物》と《最高の美と若さ》を見せて頂きました。
タイトルにも書きましたが、美と若さに喝采を受けるのはスーの人格、
であってエリザベス(デミ・ムーア)は、スー(マーガレット・クアリー)
という最上級の美女の宿主になっただけです。
サブスタンスという名の詐欺にあったのと同じです。
元はと言えば、衰えた容姿(外見の美と若さ)に拘り、
それを手に入れられるという誘惑に乗せられたエリザベスが
愚かだった。
ハリウッドという女性の《若さと美》がなによりも重んじられる
世界に生きるスターの性(さが)なのでしょう。
それにしてもインパクトのある映画でした。
☆☆☆
キャスティングの勝利。
デミ・ムーア。
「素顔のままに」でも若さに執着する役でした。
55歳の今も、若さと美に執着する落ちぶれかけたスターに、ピッタリ。
(実際のデミ・ムーアは62歳、身体もお顔もかなりお綺麗です)
デミ・ムーア自体が、もう既に忘れ去られたスターだから、
この役柄にぴったりでした。
そして、
マーガレット・クアリーの抜擢。
いやぁ参りました。
美しさに両手を上げて喝采するしかありません。
こんな綺麗で魅力的な人がけっこう埋もれていたんですね。
そしてこの程度の美女がゴロゴロしてるのが、ハリウッドなのねー。
マーガレット・クアリーを見てると、
《若さと美貌》って、凄い武器。
みんな、へへーつと平伏すしか無い、と思った。
だから、結局、女の価値は《美と若さ》って思っちゃうから、
女性の価値を考える映画としては、逆効果かも知れない。
特殊メイクと200歳位の皺くちゃで、身体が歪んだ裸体。
200歳位の身体なのに、スーを追いかけて走ったり、
無理すぎる(笑)
「未知との遭遇」の音楽が高らかになったり、
「キャリー」を上回る血飛沫、
「エレファント・マン」そっくりの特殊メイクと、
お腹いっぱいに楽しませて頂きました。
【結論」
美と若さに対抗するものは、人間の内面。
思考する能力や知性。
歳を重ねて滲み出る優しさや慈しみ、思いやり。
(エリザベスには外見の美しか眼中になかったですね)
あっぱれデミ・ムーア
デミムーアとマーガレットクアリーの演技が最高!
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