サブスタンスのレビュー・感想・評価
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つらかったです
面白かった事は大前提に、大変観ていて辛かった。
30〜50代の女性には辛いのではないか。
これは「ジャンル映画の程を成したフェミニズム映画」ではなく、「フェミニズム映画の程を成したジャンル映画」だと思う。
これを観ても男性に何かを考えさせる事はできないと思う。「俺女じゃなくてよかった〜」と思うだけだろう。
ifの話をしてもしょうがないのだが、これが男性監督だったら大炎上だったろう。でもなぜ女性なら許される(絶賛される)のか?と考えてしまった。「私もうババアだから〜」とかいう女性の自虐は同じ属性の女性を傷つけるのでやめた方がいいと常々思っているのだが、この映画でも同じ事を感じた。
ただし、大変面白かったのは間違いない。
シンプルかつ強い意思表示
あのデミ・ムーアが62歳にして捨て身の怪演。顔の皺にヌード、特殊メイクによるグロテスクな姿、そこまで曝け出してでもこの作品に出演した意味、メッセージは強く伝わった。
万人受けはしない紛れもない衝撃作。
エリザベス・スパークル(デミ・ムーア)はかつて一世を風靡した女優だが今や賞味期限切れと言われて等しい。50歳の誕生日、プロデューサーのハーヴェイ(デニス・クエイド)から、自身のエアロビクス番組の降板を言い渡される。そんな中「サブスタンス」という謎めいた再生医療を知り試してみることにする。それはなんと自分の背中を割り中から若い完璧な美女(マーガレット・クアリー)の自分が現れるというものだった。
彼女はスーと名乗り、スターダムを駆け上がっていく。
スパークルと対比するように若く美しい肢体をなめるように接写するカメラアングルは暴力的なほどいやらしい男の視線だ。この映画に登場する男は極限的に汚らしい。
サブスタンスのルールは1週間ごとに元の体と入れ替わらなければ不具合が起きるというものだが、老いた体に戻る屈辱に耐えられるわけもなく、もちろん破ってしまう。
そこからの展開は阿鼻叫喚、見るも恐ろしい姿に変容し肉や血が飛び散るスプラッタームービーと化す。
そこまでやる必要はあるのか、コラリー・ファルジャ監督はこのメッセージを今の時代に伝えるには徹底的に描く必要があったと語っている。
ストレートで強烈なルッキズム(外見至上主義)やエイジズム(年齢差別)に対しての反対表明をボディホラーのスタイルで描いたファルジャ監督のアイデアがあっぱれ。
最終章はそこまでやらなくてもという、とどめを刺す展開であるが、監督が言うように曖昧な時代に徹底的にやる必要があるのかも。
代表作になるであろうデミ・ムーアは自身初のゴールデングローブ賞を獲得。
「遊星からの物体X」「エレファントマン」「シャイニング」「ザ・フライ」など名作へのリスペクトを感じる。
ただ、スプラッタームービーが苦手な人は観ない方がいいかもしれない。
ラストはオンエアーのライトがついたところ
良いところ
生々しい若さへの渇望がありありと
?なところ
質量保存とかガバガバな科学法則
ギャグか?これ
ラストのスプラッシュシーン要らん
オンエアーのライトついたところで終わった方が余韻があってよかったのでは?
意識と記憶を共有しない自分って共存する理由がないな。単に生存装置としての本体では共存じゃなくない?まあ、あれだけの注意事項に対してあんなに甘い認識で薬物使う人間がすでに自分の共感の範囲を越えてて、とにかく愚かな存在に見えてた。言葉を選ばなければ馬鹿じゃねーの?ってところ。それはそれとして終盤の展開はギャグにしか見えなかった。悲劇っぽく狂気を描いてるようだが、あの存在をステージまで連れて行くあたりどこまでリアリティラインを引いてるかが見えなくなって冷めた。そこまでは生々しくて面白かった気もする。
これ!ミャクミャク違うか?
久しぶりの語りたくなる映画
見た後の感想が男女で分かれそうだし、カーストの上か下でも分かれそうな内容です。
とにかく見終わった後に誰かと話したくなる作品。
映画の中である男性とデートに出掛けようと化粧するシーンが個人的には1番怖かった。
きっと女性の方はもっと心に刺さるもんがあっただろう。
というのも、自分でいうのもなんだが私は若い頃は俗に言うジャニーズ顔で中高とファンクラブがあるくらいモテた。
だが時は残酷です。
数十年ぶりの同窓会。
私の髪の毛は見事なM字ハゲであり、伸ばした前髪で誤魔化していた。だが、そんな日に限って髪型が決まらない。鏡でハゲ隠しに精を出してる内に目の下のクマ、頬のシミ、ほうれい線…
そんなに気にしてもなかったのにズーンと気が滅入った。
改めて老いを自覚した。こんなんじゃ同窓会に行けない…笑
ドアを開けれないよね。
そんな経験もあったので、あのシーンは「わかるぅ泣」となった。
しかしこれが女性ともなれば、もっとキツいだろう。
日頃から世代交代され続ける可愛さや綺麗さ、男性の露骨な対応の違い。SNSを見れば自分より若さを保ち、優雅な暮らしをする同い年。
正気を保つのも難しいだろう。
ましてや、若さを謳歌した主人公なら尚更そのギャップが我々より大きく固執してしまい、綺麗なことが目標から目的になってしまう。今の整形する事が夢と語る10代ように。
そういう「何か」をテンポがよく、クドクドと魅せるというより強烈な描写を見せつけてくる。
それを観ながら、いつの間にか男性の私は何か突きつけられる。
普段、相手が喜ぶと思って言い放つ言葉や何気ない迎合、消費される大量の性。
この映画の男性は明らかにキモい。だけどそれこそ普段の我々男性なんじゃないか。
これからは色々気をつけていこう(反省)
感想を言うハズがよくわからない方向に行ってしまった。
知的で最高にやってやった感のある狂った映画ではあるが、現実の方が現実なだけに狂ってるよなと。
最後はあれくらいしてもらわないと誰も救われない。
作者の優しさが伝わってくる最後。手加減したともとれる。
しかしこの刺さり方は劇薬扱いなのは間違いない。
すでにサブスタンスを摂取した人もいるだろうし…。
さて
家族で観る◯ つまらない説教を帰り道に親からされるのは間違いない。だが奢りで観れるなら観た方がいい。
恋人× やめとけ。男は必ず無神経な事や見当違いの事を見終わった後言います。喧嘩になりかねない笑
友達◯ これが無難かなぁ。観た後に色々話が尽きないと思う。そういう映画はなかなかない。
1人△ 観た後に話したくなっても話せない。観た人と話せないと面白さの半分を失ってるかもしれない。
比較
恐怖!腐乱少女
特殊メイクにも 程がある。ラストやり過ぎ。(笑)
●「エリザベスさん、あなた約束を破りましたね?」
若いときチヤホヤされてない50歳には他人ゴト笑
無駄のないエンタメ
気持ち悪っ…(褒め言葉)
デタラメさと説得力とルッキズム
ていねいな心理描写によるリアルでシリアスなストーリーにもできたと思うけど、デタラメにデフォルメしまくってエンターテイメントに徹したところはある意味潔いなと思う。
もうひとひねりあるかと思ったけれど、結果ものすごい直球勝負。ほんとにだいぶデタラメではあったが、妙な説得力はあった。
DIYのスキルとんでもねえな!とか、その状態でめちゃくちゃ動くじゃん!とか、つっこみどころもたくさんあるし、あきらかにビジュアルを消費されるだけの役どころに抜擢された役者さんに思うところはないのだろうか、と思ったりもするのだけれど。
ルッキズムに疑問がもたれるようになってずいぶん経つが、人類は(私も)ぜんぜんルッキズムから自由になれていない気がするし、自由になれる日がくる気がしない。
しかし痛いシーン多くて、もうちょっと後ろの席でみればよかった・・・とちょっと思いました(3列目でみてしまった)。
令和版トワイライトゾーン、もしくはドラえもんの大人の秘密道具
まさに佳作(怪作⁉️)。デミ・ムーアやマーガレット・ケアリの体を張った熱演もさることながら、演出が上手。ひとつがハリウッド・ウォーク・フェームを使ってのエリザベスの紹介。賛美で始まって、次は「誰この人」、最後はおっさんがコーラやハンバーガーをぶちまける。
監督が意図したものかわからないが、エリザベスの“ジュラシック・フィットネス”も。あれはデミが『ゴースト/ニューヨークの幻』などでブレイクしていた頃のものだよ。確かに成功したが、全然進歩してない。新しい自分スーを手に入れても、する事は同じテレビ局での同じフィットネス番組。エロ度は増したが、内容はジュラシックと変わらない。恐竜は絶滅したが、人類はまだまだ誕生する以前のもの。
エリザベス、君は何を求めているの?美しさ?若さ?それもあるが、人々からの称賛ではないか。だから、自分を今も憧れの目で見ているハゲメガネの冴えない同窓生に会おうとしたんだろう。(このおっさんも自分の電話番号を書いたメモをどぶに落として、書き直しもせずそのまま渡すような男だが)。でも、結局は会わなかった。自分から電話したのに。昔から、こうしたことを何度も繰り返してきたんだろうなあ、この人は。街を一望出来るタワマンに住みながら、仕事以外で彼女がすることは一人で掃除するか、フランス料理を作ってムチャ喰いするだけ。そばに誰もいない。スーになっても、そこにDIYが加わるだけ。のび太が秘密道具を使っても失敗するように、エリザベスも結局失敗する。エリザベス、ギャッビーを読んだことはないの?「過去は繰り返せない」だよ。それと、ドラえもんの『かげがり』もね。分身は必ず本体に入れ替わろうとするよ。
後世に残る傑作ボディーホラー
昨年のアメリカ公開時に劇場鑑賞しました。まぁ驚きの作品で、最終的に私の年間ランキング2位に入りました(トップはインドの復讐殺戮映画『KILL』)。
アカデミーなど一連の賞レース、興行成績、いつの間にかデミ・ムーアの人生ストーリーにすり替えられているマーケティングなどにカモフラージュされていますが、The Fly、Dead Ringers、Titane、鉄男などと並ぶボディホラーの傑作として後世に残る作品だと思います。
まずはホラー作品として優れている上に、デミ・ムーア起用による自虐ブラックコメディー要素、絶妙なエログロ感、独自の世界感といったカルト要素が満載なのに妙に洗練されている、こんな作品はなかなか出会えないということで★★★★★の満点です。
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