サブスタンスのレビュー・感想・評価
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あとは観客のご想像にお任せ……しない!
5回ほど「もうここで終わるよね?」と思いましたが、しつこく続いてびっくり。結末はこちらの想像に任せず、最後まできっちり描ききっていました。
この設定ならば着地点は想像がつきますが、このくどさは想定外でした。エリザベスへの暴行からしてやり過ぎなのに、その後はもう…唖然。
予告ではあまり綺麗に見えなかったスーが、実際にはとても魅力的でした。プロポーション完璧。途中から、ロシア人フィギュアスケーターのザギトワに見えてきました。
エリザベス役のデミムーアはスタイルも良いしまさに美魔女。だからこそ若さに執着してしまう説得力がありました。
ハリウッドの星形プレートの演出、良かったです。冒頭の「栄光からの衰退」だけでなく、また最後にも拝めるなんて。音楽も「ザ・ハリウッド映画!」でした。
なんだかんだ、面白く鑑賞しました。
グロホラー で放血
最後の20分要らなかった
予告編からしてインパクトが有った。バックの音楽も強烈で、作品に興味が湧いた。
【物語】
エリザベス(デミ・ムーア)は映画女優として若くして大スターとなったが、時の流れとともにスターの輝きは徐々に失われつつあった。50歳を過ぎた現在、長年続いている朝のエアロビックダンス番組のメインダンサーが唯一残された仕事になっていた。しかし、容姿の衰えは隠せず、番組プロデューサーは若いダンサーに切り替えようとしていることを知ってしまう。
危機感を募らせる中、怪しげな“新しい再生医療”のダイレクトメールが家に届く。 一度はごみ箱に放り込んだが、自分の容姿を改めて鏡で見つめたエリザベスは思わず得体の知れない勧誘にすがることになる。その再生医療は想像を超えて画期的な結果をもたらすがが、守るべき重要な注意書きが示されていた。しかし、彼女の美と若さに対する執着から、やがてその忠告を無視し始める。その結果・・・
【感想】
“新しい再生医療”というSF的設定が本作の軸だが、それに付いてきた“注意書き”が本作の肝だろう。“注意書き”を含めたこの設定はなかなか秀逸だと思う。
また、オープニング映像のハリウッドの歩道に埋め込まれているタイルを想定していると思われるエリザべスの名が刻まれたタイルが風雨に晒されて劣化していく様子で年月の流れを表したところなど「上手いな」と感心。
そんな序盤から中盤までは良くできた作品だと思って観ていた。若さへの執着という人の普遍的欲求も共感し易い。容姿が商売道具となる芸能人は死活問題として一般人よりも強い執着を見せることも理解できる。実際、SF的再生医療などなくても若き日美形だったスターが年老いて行く中で整形を繰り返した結果と思われる変わり果てた不自然な容姿にがっかりすることを我々は度々経験する。そんな罠にハマってしまう人の心理を少々誇張して描いた作品だと思う。つまり、老いへの焦り、若々しい容姿への執着の哀れさと馬鹿々々しさ。それを分かっていても逃れられない人の悲しさが描かれている。
しかし、最後の20分が・・・
最後の約20分(くらいだと思う)は、“刺激的”シーンがどんどんエスカレートし続けて結末を迎える。それが面白いという人も居るかもしれないが、ドン引きする人も少なくないはず。俺は後者だった。 そこまではいい人間の悲哀に加えてエンタメ性も十分に有って良い作品だと思っていたのに。
それを最後の20分がぶち壊したとしか思えない。
音楽アルバムで言えば名盤になるような仕上がり
久しぶりに圧倒される洋画を見た
中盤まではボディホラー(身体の変容を描く恐怖作品)として
終始ハラハラドキドキ。
しかしこの作品は1つのジャンルに留まらない。
収まらないというべきか。
とにかくオチが全くと言っていいほどの予測不能。
「あぁこういう終わり方するのか」
↓
「なんだこの展開!?ここで終わらないの?」
↓
「じゃあどうやって終わらせるの?」
↓
「そうきたかぁ・・・」
後半はこの感情の繰り返し。
上映時間が140分以上あるのも納得。
こういった長時間映画は大抵
「ここ縮められたと思うけどなぁ」
と考えてしまうことが多いのですが
これだけ詰め込んでるなら仕方ないなと感じました。
デミ・ムーアの醜い演技に脱帽。
比較的娯楽感の強い映画を好むせいかもしれませんが
今年見た洋画の中で最も度肝を抜かれました。
ホラージャンルですが恐怖は薄いです。
ただその分グロいです。
しかし面白いのでオススメです。
第75回アカデミー作品賞候補は、全部くせ者でした
まさに阿鼻叫喚、スプラッターなカルトムービー
デミ・ムーア演じる主人公エリザベス・スパークルは、かつて一世を風靡したスター。歳を取り容姿も衰えはじめ、長く続いているテレビのフィットネス番組降板の憂き目に遭う。
そんな中、自らの外面的な美しさと若さに執着し、怪しげなクローン技術に手を出してしまう。自身のクローンであるマーガレット・クアリー演じるスーが若々しく美しく輝きを放ち活躍する中、ルールを破りそのクローン技術を濫用したことで、運命共同体である二人がともに破滅へと向かっていくというストーリー。
セント・エルモス・ファイアー、ゴースト/ニューヨークの幻、幸福の条件などに出演していた頃のデミ・ムーアが60歳となりどのように変貌したか、その怪演?を見たくて鑑賞。
助演のマーガレット・クアリーの美しさに目を奪われ、それぞれの肌の張りや木目の違いの映像化、演出に面白さを見出すも、中盤以降特に拍車がかかるグロさ溢れる展開に、開いた口が塞がらず、、、
予告編だけでは予想が付かなかったが、エンタメ性のあるホラー映画の側面はあるものの、血みどろの演出溢れるスプラッターなカルトムービーと捉えるのが一番合っている気がする。
随所に使われている印象深い映像描写や特殊メイクなどによって、観る者に再三再四おぞましさを感じさせ、終盤にかけては血みどろで阿鼻叫喚の地獄絵図が幾度となく繰り広げられる。
耐えきれなくなって、劇場を後にする人も出かねないほどのグロテスクなシーンがスクリーンに映し出される。
デニス・クエイド演じるTVプロデューサーの滑稽な振る舞いは、昨今のフジテレビ問題とも被り、それがある意味唯一の救い。あまりの破茶滅茶なスプラッターぶりに、最後の方は笑っちゃうほど。
過去の名声を忘れられず、若さと美しさを求める女性の悲しい性を、とてつもなくグロくB級に描くとこのような映画になるだろうか?
このカルトムービー、映画自体の質はさて置き、この脚本と演出の映画にデミ・ムーアを起用したことの凄さ、また制作時60歳だったデミ・ムーアが、あえてアップで写した年齢を重ねた肌や、加工されているとは思うがその裸身を惜しげもなく見せ、鬼気迫る演技であることに関しては一見の価値あり。
ただし142分間と比較的長めなので、それなりにスプラッター満点のグロいカルトムービーを観る覚悟が必要。
B級・C級なスプラッタームービーが苦手の方、1980〜90年代のデミ・ムーアのイメージを変えたくない方は、絶対に観ない方がよい映画。
近年随一の傑作に相応しい。ただしグロい
映像・演出・演技(20)
全体を通じてセリフが少なくその代わりに気色悪いモチーフを洗練された配色と撮影技法で語る、まさしく『映像作品』である。非常に見応えがある。それに冒頭のエリザベスのタイルをはじめとした抜群の演出も組み合わさると最高の映画が出来上がる。
個人的な苦手な点を挙げるとするのなら、最終盤のエリザベスの演出が執拗すぎてちょっとひいた。(終盤とかこころの中で『もう止めて!』と叫び倒していた。)作り手の悪意が最初から最後までまでたっぷり編み込まれた最高に最悪、しかし最上の構成である。
これは蛇足かもしれないが、冒頭のワークアウトに勤しむエリザベスは男性である自分の目からみて非常に綺麗に映った。(実際マジで美人である。)しかし映画が進むごとに、あるいはスー役の女優の登場により次第に彼女を単純に綺麗だと思えなくなっていった。
そこに若干どころではない罪悪感を覚えはしたが、観客の感情変化と主人公の自己肯定感の低下を見事にシンクロさせた本作品の演出は、やはり目を見張るものがある。
20点
世界観(20)
『サブスタンス』という持ち主の分身(若かりし頃の自分ではない。これは多分重要)を生み出す薬剤が存在する世界観。試聴作品の母数が足らないかも知れないが、この手の設定は初見であり、非常にワクワクした気分を味わえた。
16点
脚本(20)
映像の魅せ方が卓越した作品である。ホラー映画あるあるだが最初の舞台説明で大抵のオチは読めてしまった。(先述したが)しかしここまで徹底的に成れの果てを書くとは思わなかった。視聴中は主人公が第三形態になったのを見て終わりだと思っていた。
11点
キャラクター造形もしくは心理描写(20)
演出に次ぐ今作の評価点。風化したかつてのスターを主人公に据えるセンスに脱帽。常に人々の目線に晒され、ルッキズムを魂にまで刻み込んできた彼女だからこそ、あの薬剤を投与することに強い説得力が生まれるのだと思う。そしてこれまでに他者からの目線以外の価値観を育ててくることができなかったエリザベス・スパークルのある種の幼稚さ、愚かさも際立っている。
※観劇中は感情移入しすぎて中盤から見ているのが辛くなり一度席を立ちかけた。たぶんそんなにグロに耐性がないのもあるけど。
20点
メッセージ性(20)
ルッキズム批判を、主人公の本人の気質や社会構造を悪意を持って描くことで成立させている作品である。シンプルかつ強烈なのでそれ自体に特に言及することはないが、主人公はやっぱり友達はいなかったのだろうか。孤立することは程度の差はあれ価値観を歪ませてしまうので人との対話や異なるコミュニティーにいることの重要性を感じさせる。
個人的に『孤独』が本作品の裏テーマなのではないかと思う。
18点
総評
美は見る者の振る舞いをまるっきり変えてしまうという点で呪いのようなものだとも思う。美人に生まれてしまったことがエリザベス・スパークルにとっての祝福であり災禍であったことを考えると救えない。他者から無条件に愛されるということにすっかり依存してしまったからだ。
彼女に必要だったのはサブスタンスではなく価値観を共有できる友人だったのかもしれない。(スターってやっぱり孤独になってしまうのだろうか。それとも彼女が例外だったのか?)
まとめると作品全体のレベルが際立って高く、骨太な思想のもとに作られたホラー作品の傑作というのが本作品の妥当な評価であると思う。
グロいのが苦手な人には少々きついとは思うけど。
85点
シャイニング以来の血しぶき
最高傑作 必見です
かなり強烈なインパクトがある作品で驚きましたが必見作品です。
私世代は誰もが憧れた「ゴースト ニューヨークの幻」などで活躍したデミ・ムーアを主演にしたのも凄いですが、
理想の身体を手に入れた若手女優を演じたマーガレット・クアリーが素晴らしい。
R15+なのでグロさはこんなものだろうと思っていたら後半はスプラッターの大サービスで思わず笑ってしまうほど。
とにかく女性監督らしく限界突破の面白さの作品でした。全体的にキューブリックとクローネンバーグのオマージュはかなり感じました。
これだけ振り切った演技をしたデミ・ムーアにはアカデミー主演女優賞は獲って欲しかったです。
おススメ度は満点ですがグロが苦手な方はご注意ください。
皮膚に針を刺すシーンが苦手な人はパスして
ストーリーは単純といえば、単純
薹が立った女優・エリザベス(デミ・ムーア)が若返りたいと切望
その身体から産み出された若く美しい女性・スー(マーガレット・クアリー)
そして彼女たちの生殺与奪権を持つ、エンタメ界を牛耳る男・ハーヴェイ(役名が皮肉、デニス・クエイド)
この三人しか主な登場人物はいない
若返り薬の背景(販売する謎の組織?、薬の組成?)も一切無い潔い構成で、アレコレ考えずに全てフィクションと割り切って、女性ふたりの熱演を観ているたけでかなり楽しめる
但し針を刺すシーンが注射以外の目的でも何回もあるので、視覚的に受けつけない人はやめておいた方が良いかな?
(もちろん鼻血、血ドバ、嘔吐、乱闘シーンも多い)
デミ・ムーアは大半のシーンは全裸で存在していて、初めは裸体を観ることにこちらも気恥ずかしさがあったが、半ばを越すともう裸体も単なる物質(substance)のひとつなんだな、と割り切って見ている自分がいた
裸で横たわる人間がいたら、裸体を何かで覆ってあげる通常の感覚だが、このふたりの感覚は心遣いが皆無で(前半は横たわるデミの頭に枕のようにタオルをあてがってはいたけれど…)
人体に対する敬意が全くない、ドラマで描かれるようなイカれた医者の感覚って、こんななのかもしれない
人体も突き詰めればタンパク質で合成されたSUBSTANSですから
あと宣伝チラシのエリザベスとスーの顔が、いまひとつ興味を惹かないのはわざとかな?特にスーの顔が、日本では全くヒットしなかった「Barbie」みたい。スーが美女という設定?と思ってしまうほど、ルックスがイマイチ(…と私が感じてしまうこともルッキズム??)。本編を鑑賞したら、バリバリの美女というより、笑顔がチャーミングでフレッシュなタイプの女性でした
映画は音響と編集カメラワークが凝っていて、テンポよく、この悪夢のような映画にキッチリ目鼻が付いて、最後まで退屈させない娯楽色に満ちた作品
大乱闘と血ドバで最骨頂に続くラストは1回まわってもはや大笑い、冒頭のシーンにオチをつけて見事に伏線回収でした!(笑)
【蛇足】
デミ・ムーアのバストが、本当に子育て(授乳)してた母親の胸の形をしていて、きちんとママをやっていたんだなぁと思いました
華やかなハリウッド女優(「ゴースト」でハリウッドでは珍しい、愁いを帯びた健気な役で一躍日本で人気になりましたよね)で、売れっ子ブルース・ウィリスの妻、離婚してもアシュトン・カッチャーと親子ほどの歳の差カップルとして浮名を流して、色々ありました
しかし或る意味自分自身をカリカチュアされる、この作品にほぼ全裸で出演する、まさに体当たりの熱演は女優魂の塊といえる
余りにも皮層的‼️❓限りなく無に近い存在‼️❓
ビュジュアルホラー、もしくはスプラツタードキュメント、またはメタファー、前半は外面と内面の落差、後半はエログロ、英国とフランスの合成らしい映画。なんだかエセインテリが好みそうな嫌らしさ。ストーリーは荒唐無稽、二面性にしても綺麗汚いの違いだけじゃ無く、別人であれば余り意味がない、様な気がする、そもそも2人とも女優の裸では無く、作り物だから、いろんな意味で皮層的。ただ綺麗で有ればテレビの仕事が有る、皮肉なのか、そう思い込んでるのか、監督は、アカデミー賞選考委員は。ホラーらしい恐ろしさもない、ただ惨たらしい、何十年前に目撃した鉄道飛び込み死体、同僚の職場での飛び降り自殺、思い出した、関係無いけど、当分はホルモン食べれないな。なんだかトクリュウに騙されて、逆走する車にぶつけられて、飛び降りの巻き添えを食う歩行者の気分だ、オーマイガ、ジーザス、なんでもいいから無茶苦茶な映画をみたい人は、どうぞ。
マッドマックス怒りのデスロード以来の熱狂
本作の映画ファンの間での熱狂ぶりは、
マッドマックス怒りのデスロードの頃のそれに似ている気がしていたのだが、鑑賞して更にそう思える箇所がいくつか見つかった。
シンプルな寓話、明瞭快活なイデオロギー。
アートワークの追求(撮影、編集、デザイン、フォント、カラーコーディネイト)。
要は映画の骨となる物語を必要最低限まで削ぎ落とし、肉となるディテール、監督のフェティシズムに全エネルギーを注ぎ込んだ作品といえる。
セリフの少なさや終始アッパーな雰囲気なども共通項として挙げられるだろう。
このような作品は本当に何度みても再発見がある、難としては上映時間が若干長いことを挙げられるが、観ている間はあっという間だったので問題ない。
2作品の違いとして挙げられるのは、サブスタンスはニッチなジャンル映画であること、そして異常なまでのオーマジュの連続ということ。
これはジョージ・ミラーのような往年の巨匠にはあまり見られない傾向であり、タランティーノ以降を超過し、A24すら通過した、ニュースタイルということになる。
A24御用達のアリ・アスターやジョーダン・ピールですら、ホラーやSFというあくまで大きな枠組みの中で動き回り、ここまでニッチに細分化されたジャンルの中で動くことはなかった。そして彼らはジャンル映画に知的エッセンスを加えることでニューエイジたることに成功したが、80sb級ホラー精神丸出しの本作はおバカ映画と薄皮1枚の差しかなく、
監督の知性は敢えて徹底的に伏せられており、そういう意味で非知性的な形で成功したジャンル映画としては近年稀に見る事態ではなかろうか。
テリファーなどもジャンル映画として稀に見る成功を収めたが、テリファーは終始ジャンル映画の枠を飛び越えない作品であった。
本作は寓話という普遍性やルッキズムという社会性を帯びることによって、ジャンル映画の枠を悠々と飛び越えた。
これこそ真の知性がなければできないと思う。
A24という新派を飛び越えて、孤高のモンスター監督が爆誕した。
やりたい事を徹底的に全部やり切る快作
評論家ではないので 素直な感想
すべて想像の範疇を越えてくるエグさ
制作者の本意は?
初老に差し掛かってTV番組を下ろされた嘗ての人気女優が、若返りの為に怪しげな薬に手を出しピチピチの20代に生まれ変わるお話です。物語は、とんでもなくエグい方向に展開していきます。
あの様に始まった以上ああ終わらざるを得ないのだろうし、監督はそれを描きたかったのでしょうが、物語が折角積み上げて来たテーマや批評性が笑えないコメディホラー的終盤で全て吹き飛んでしまいました。それでもやっぱりああ撮りたかったんだろうなぁ。物語の破綻こそが狙いだったのかも知れません。難しいなぁ。
でも、どこか気になるのは、本作を観た人の中に「げに恐ろしきは女の妄執」と感じる人も居るのではと思えた点です。そう観られる事は制作者の本意ではないと思うんだけどなぁ。
全412件中、241~260件目を表示











