サブスタンスのレビュー・感想・評価
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今まさに50歳のおばちゃんなのですよ。
ネタバレは文字でも音声でも図解でもきっとつまんないからとにかくネタバレ見る前に早目に映画を観て欲しい!ホラー大好き民は間違いなく楽しめる!なんなら笑えるまである!でも悲しい映画なのよ⋯。
前夜祭で1日早く観ました。テーマとしてはルッキズムがメインなんだけど、徹頭徹尾、それが貫かれててずっといたたまれない。なんでって、私、今まさに50歳のオバサンなんですよ。若い頃の容姿は見る影無く、ハリもツヤもどこへやら。低体重と定義された体重は肥満(1度)までボリュームアップ。そんな今の私が共感しすぎるテーマのサブスタンス。恐ろしいより悲しいが先に来るそんな映画。
還暦過ぎてると思えない美しさのデミ・ムーア演じるエリザベスがルッキズムに苦しむ姿見て泣きそうだし、充分美しいのになんでこんなコトに⋯ってね、ショボクレながら観てたんですよ。そしたらね、途中からもう、どこへ着地するのか全く予想できなくなっちゃって、レールの消えたジェットコースターに乗るアトラクションみたいにあれよあれよとラストまで連れてかれるんですよ。
とんでもない場所で降ろされたと思ったのに、最後にはとてもキレイに終わってくの。ナニコレ切ねぇ。
人の価値なんて、そもそもそんなもの人につけちゃダメだよ、誰も幸せにならない。価値って漢字はどっちも「あたい」人をなにかに乗せて比べたりはかるなんてこと、しちゃいけない。
特殊効果をふんだんに使ってるとこや、出てくる言葉やセリフひとつひとつ丁寧に回収していく様も気持ちよく。今年見たホラーの中で一番ラストが大好きな映画だ。
音楽の使い方も良いし、メインテーマは効果音としても秀逸。
ほぼデミ・ムーアとマーガレット・クアリー2人の演技を観る映画なのだけど、壮絶だった。善き。
【パンフレット A4 表紙込み28P 990円】
見た目は至って普通、内容はガッツリネタバレしかない。鑑賞後に読んで。裏表紙まで微ネタバレだから、観る前に買うなら直ぐに袋に入れよう。
内容は監督コメント、あらすじ、コラム1本目、デミ・ムーアとマーガレットのインタビュー(これ半分は公式Xに映像で上がってるやつそのままかも)、突然キャスト紹介でマーガレット、海外の評論家が監督インタビューしたもの、コラム2本目、キャスト紹介デニス・クエイド、スタッフ紹介、コラム3本目、写真の配置も微妙だし、正直デザインも構成もやっつけ感が…どうしてこうなった。
ポスターも日本語版ダサいし、デザイン含めて良い作品だけに日本の印刷物のデザインいけてないのが悪目立ちしてる。
読みはしたけど、全然ワクワクしないなぁ。
キューブリックが好きな人は必見!
キューブリックを意識した画面作りはもちろん音楽も2001年のオープニングのあの曲が使われていシーンも。!ラストのはちゃめさは「博士の異常な愛情」のラストが当初「パイ投げ合戦」で終わる予定だったのを踏襲した感じなのかな?あとは「キャリー」にも近い?いや、1番近いのはピータージャクソン監督のブレインデッドとかだなぁと思った。あとサブスタンスを実行する時に被験者が見る映像も2001年宇宙の旅のワープシーンに似てるなぁと思った。内容的には「人って見た目が9割ですよね」っていう現実をずっと見せ最後そういう価値観を持って人々が酷い目にあうコントって感じだなw
耐え切れず去るか、呆れて去るかはわからないが、完走できる人はマニアだと思う
2025.5.16 字幕 イオンシネマ京都桂川
2024年のイギリス&フランス合作の映画(142分、R15+)
ある物質の注入により、自分の分身ができる世界を描いたファンタジックコメディホラー
監督&脚本はコラリー・ファルジャ
原題の『The Substance』は劇中に登場する薬の名前で、日本語訳は「物質」
物語の舞台は、アメリカのハリウッド
トップスタートして活躍してきたエリザベス・スパークル(デミ・ムーア)は、50歳の誕生日を迎えたと同時に、続けてきたフィットネス番組の降板を告げられた
プロデューサーのハーヴェイ(デニス・クエイド)は「若い女を探せ」と部下に焚き付けていた
その後エリザベスは、車を運転していた際に自分のポスターが剥がされているのを見てしまい、赤信号に気つかずに突入して事故を起こしてしまった
救急病院に運ばれたものの体に異常はなく、そこにいた看護師(Robin Greer)は意味深な言葉を囁いて、彼女のコートのポケットにUSBメモリを仕込んだ
病院から戻ったエリザベスは、ポケットからUSBを見つけ、最初はゴミ箱に捨てたものの、日を追うごとに不安が増して、それを再生してしまう
そこには「The Substance」と呼ばれる商品のPR動画があり、それを注入すると、「分身」が出来上がると言う
眉唾もので信用がならないと思ったエリザベスだったが、現状を変えたいと思い、そこにアクセスをしてしまった
映画は、エリザベスが指定された場所に行って「The Substance」を受け取り、それを使用する様子が描かれていく
どこまでがネタバレになるのかはわからないが、海外版トレイラーでもここまでしかわからないようになっていた
ネタバレ込みで続けると、「分身」と言うのは本当に分身で、エリザベスの背中を割って出てくる
それがスー(マーガレット・クアリー)と呼ばれる若い女性で、エリザベスの記憶と能力を持った上位互換となっていた
ルールはシンプルで、「7日ごとに交代する」「1日1回安定剤を射つ」「母体への栄養分を与える」と言うもので、そのルールは厳守すべきものとされていた
この手の物語は、1週目はルール通りに行うものの、2週目からアクシデントとか、ルール破りが起こるのがデフォで、案の定、2週目から早速やらかしてしまう
行きずりの男トロイ(Oscar Lesage)との一晩のために1日延長してしまったスーは、エリザベスに起こった異常事態を知らない
そうこうするうちにスターダムにのし上がったスーは、このチャンスを逃すまいと、交代時期を先延ばしにしていく
そして、とうとう安定剤が切れてしまい、交代せざるを得なくなってしまうのである
映画は、思ってたのと違うと言う系統で、グロ&クチャが大丈夫な人ならOKと言う内容だった
大丈夫かどうかの判断を文字で伝えるのは難しいのだが、個人的には「食べ物を粗末にする系がダメ」だったら「ダメ」だと思う
とにかく振り切った内容なので清々しさを感じるし、色んな映画のオマージュがあるので面白いのだが、前述の一点がダメなので2度と観たいとは思わない
テーマとしては、若さに対するこだわりとか、ルッキズム礼賛とか、テレビ業界の女性蔑視など様々あるのだが、それよりは「崩壊してもなお人前に出ようとする執着の怖さ」と言うものがあったように思う
エリザベスが鏡を見るシーン、スーのポスターを見るシーンなどが多用され、その比較に思い悩む描かれ方をされている
一方のスーは、自分の美しさを再確認するように見ていて、崩壊後もそこに自分自身だけを見ている
あの状態になってもなお、着飾ったり、ピアスをつけたりして人前に出ようとする
この時点ではエリザベスは後方でスーが前方なので、スーの意思によって動かされ、舞台に立とうとしている
なので、彼女には崩壊が見えておらず、いつまでも美しい自分であると思い込んでいるだろう
そして、観客の悲鳴と怒号を聞いて、現実の姿を直視することになったかな、と思った
いずれにせよ、未見の人からすれば何が書かれているかわからないと思うが、観たらわかるので、その後に再度訪れていただければ良いと思う
「The Substance」の活性剤は「1回きり」なのに「もう1回射てるようになっている」と言う罠があり、ある種の最終形態に行くかどうかの実験を行なっているように思える
男性の被験者はそこまで至らないが、女性だとそこまで至ってしまうと言うところがあるのだが、そこに追い詰めているのも男性側のようにも思える
だが、女性の中に内包されている欲望というものもあるので、女性の美の探求、若さへの執着と言うのは、商品としての価値だけには止まらない
映画では、それを武器にして成り上がろうとする女性がいて、それを求める客がいて、それで金儲けをしようとする人々がいる
そう言った社会構造はそう簡単には無くならないので、影を潜めたとしても、根本ではルッキズム信仰というものは消えないのかな、と感じた
タイトルなし(ネタバレ)
ネタバレ食らいたくなかったので明日も仕事で早いですが前夜祭レイトショーで参加しました。
※以下、人にはネタバレされたくないのに自分はネタバレするかもしれないので注意
最初聞いたときはクローネンバーグみたいな感じなのかなと思ってましたが、スチュアート・ゴードンみたいな映画でした。エイジズムとかルッキズムとか難しく語ることも出来るでしょうが、近年最高なボディホラーでした。終盤はまだ続くのか?と思ったのですが最高のラストが待ってました。
とにかくまた観たい1本です。
タイトルなし(ネタバレ)
要注意。老若男女閲覧要注意作品。
デヴィッド・クローネンバーグ監督の『ザ・フライ』(1986)やコラリー・ファルジャ監督の『REVENGE リベンジ』(2017)のようだが、その2作より『サブスタンス』が怖い。なぜなら物語のテーマが身近な事だからだ。
メイクアップで受賞したが、特殊メイクシーン以外でも、トイレの後で手を洗わないとか、株主が全員じじいだとか、地味だが印象的なシーンばかり。地味なシーンの1つで "メイクを何度も直して、結局出掛けられない!" そう、おじさん同級生とデートしてたら引き返せたのかも知れない。モチロンそんな展開にはならずドツボにハマって行く。
その時 印象的なのは赤い口紅、赤いドレス。対照的なのは、何度も着る黄色いコート。黄色いコートはオープニングの "卵の黄身" を暗示させる。2回目を鑑賞するとどう感じるのだろうか。注意書きの「あなた達は1人だ」は使用者の「彼女と私は違う」となる。笑えるポイントと怖いポイントは変わるかも知れない。
ストーリーには深みが無くて、いかに "変化" の過程を異形で見せるかがこの映画の見どころ。
余計な部分は「些細な事」として無視する作りになっているのが最初から分かる。エアロビ後の控室が無い、薬の「支払いは?」、医療器具の取扱いが熟知してる、タイルの向こうの空間、お掃除のおばさんの退場、食料の買い物はいつの間に、全て歩いて行ける距離ばかりだ。そんなのは気にせずに "変身" を楽しもう。
マーガレット・クアリー(1994年生)はデミ・ムーア(1962年生)と『セント・エルモス・ファイアー』で共演したアンディ・マクダウェル(1958年生)の娘さんだと今回調べて知った。似ている。
公開日(5/16)の前夜祭上映(5/15夜)
仕事帰り:21:35~24:10
ちなみに、この『サブスタンス』がP.D.C※に選ばれている。シュリンプカクテルを食べながら観るのだろうか?
なかなか凄いチョイスだと思います。
※P.D.C:福岡のユナイテッド・シネマ キャナルシティ13には「プレミアム・ダイニング・シネマ」と言う、少し明かりがある場内で注文した料理をカチャカチャ音を立てて 食事をしながら映画を観ると言う不思議なスクリーンがある。利用した事は無いが、鑑賞中に追加の料理が運ばれたりするらしい。
攻めてる映画
なんとはなしに鑑賞したけど、ホラーなの?ジャンル
めちゃくちゃ面白い!!ってほどではないんだけど突き抜けててヤバいよ!!
内容は世にも奇妙な物語的でして
若さと名声に執着がある女優?がクローンを作り上げる話だけど、ミソなのは意識までは共有されないようで、そりゃあクローンが暴走していくだろうね
若いクローン役はとても魅力的なんだけどあの番組なんなんだよ笑笑
ちょっとエッチなビリーズブートキャンプで大晦日の司会がとれちゃうのは笑う
後半はどんどんヤバさが増してクリーチャーと化すんだがそこまでの過程が見てるこっちまでそれはやばいって!!!
とツッコミを入れたくなる
その姿で番組でちゃダメだって
BGMも笑った
ラスト血みどろすぎて最高でした
アッパレ!デミ・ムーア!!!!
この言葉を新作でまだ言える日が来るとは…こんな映画観たことない!バケモノ級の劇薬怪作
YOU ARE ONE
"女は若いうちが華"が招いた現代社会への強烈なアンチテーゼとテーマの表象。30歳超えたら下り坂で、50歳で終わり?「若いほどいい」みたいな崇拝と過剰なルッキズムに"物"扱いで消費する社会があるから、余計に若さと美しさに囚われていく(しかない)。それだけが私にとって生き残る術だから、と。孤独は広がり、理想と現実の乖離は広がっていくばかり。
モンスター("怪物" "バケモノ")を産んだのは誰か?番組P・デニス・クエイドが黒幕だ!サブスタンス"物質"仕掛人と同じ筆跡に、大晦日特番の花束も小文字「i」。つまり若くて美しいホットな女の子を供給するためのシステムを、裏で糸を引いている諸悪の根源は男どもで、とりわけ男尊女卑(女性差別・蔑視)を実現してしまえる権力者セクハラ野郎という構図。女性性を食い物に使い捨てる男の身勝手さが女性を苦しめ人生を狂わせ困窮させる、追い込む。
本作が考えられ、もっと議論される契機になればいい。バカバカしいけど自分もそのシステムを助長させる片棒を担いでしまっているのだろう。本作について考えてほしい男ほど「エロい」→「グロい」→「ヤバい」みたいな薄い感想で終わりそう。ただ、本作を観た ― そして作り手にとって恐らく一番届いてほしい ― 女性たちはしっかりも自分を持っていてほしいなと切実に思う。その調子!自分を大切に!
iT CHANGED MY LiFE
THEY ARE GOiNG TO LOVE YOU
同ポジでのつなぎ、差異を伴う反復イメージングシステム、後半終盤に差し掛かるほど加速度的に増していくグロさ…、そのいずれからも・どの瞬間も目が離せない!作品の内容にマッチした強迫観念的なほどテンション高く力強く否定しがたい熱量で迫ってくる演出と演技、編集、確固たる世界観と語り口。この前ではあらゆるレッテルも他者の追随も許さず、他作品との比較など意味をなさない。ファーストシーンから反復するラストカットまで圧倒的に惹き込まれてしまった。こんなに意味のあるヌードシーン見たことないかも。痛快なほど最凶最高に芯を食った"ゲテモノ"!!
ACTIVATOR / STABILIZER
YOU SWITCH EVERY SEVEN DAYS WITHOUT EXCEPTION
※鑑賞前には二度と戻れないヤバい劇薬!
マーガレット・クアリーの必殺技は蹴り!常人離れしたとんでもない蹴りの威力・脚力。これを機にアクション映画にも出演していったりして?
サブスタンス注入に伴う最初の転倒から、転倒シーンがいつも痛そうだなと思って観ていたら、まさかの最後の最後にまで伏線回収とまでは言わないまでも繋がっていた。
終盤のモンスターがもちろんトラウマ級に超絶苦手なタイプのすごく気持ち悪いビジュアルで引いたし怖いんだけど、一方でそれでもヘアアイロンなど可愛く着飾ろうとする乙女心な様子に胸締め付けられて、悲しくなった。
There is no SHE.
Pretty girls should always smile!
本作を語る上で欠かせないデミ・ムーア体当たりの怪演、何もかも赤裸々にさらけ出しては痛々しいほどのリアルさをまとう熱演。それは、例えばミッキー・ロークにおける『レスラー』でマイケル・キートンにおける『バードマン』、ジェニファー・ロペスにおける『ハスラーズ』、あるいはトラボルタにおける『パルプ・フィクション』のようにキャリア第二章の始まりを告げる新たなハイライトとして多くの人に記憶され賞賛されるに相応しい、再起を図るタイミング。デミ・ムーアだけでなくマーガレット・クアリー、デニス・クエイドも強烈で最凶!!
REMEMBER YOU ARE ONE
上映していいの? 本当にヤバい
情け容赦無い肌描写
【"母体と分身。そしてありのままの自分を認めなかった報い。”今作は、女優に若さと美のみを求める映画界への辛辣なメッセージを込めた予想を遥かに上回るグロテスクで、哀しきクリーピー&フリーク映画である。】
ー 冒頭、白身がドロッと崩れた古い卵黄に、注射器の針が刺され黄色い液体が注入されると、その卵黄から新しい卵黄がプルっと出て来る。そして、このシーンは、この映画のその後の展開を見事に示しているのである。-
■元人気女優の50歳のエリザベス(デミ・ムーア)は、朝のエアロビクスのTV番組に出演していたが、容姿の衰えからプロデューサーのハーヴェイ(デニス・クエイド)から首になる。彼女は失意の中、車を運転している時に事故に遭うが、担ぎ込まれた医院の若い医者から違法な再生医療の"サブスタンス"を提示され、手を出してしまう。
入手した薬を腕に注射すると、エリザベスの体内で細胞分裂が起こり、背中を破って若く美しいスー(マーガレット・クアリー)が、ぬめっと全裸で現れるのである。
エリザベスとスーの間でのルールは、一週間毎に入れ替わる事。だが、ハーヴェイにその美しさを絶賛され人気が爆発したスーは、入れ替わりの頻度を徐々に、伸ばし始めるのである。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・今作を観て思ったのは、デミ・ムーア姉さんは、良くエリザベスの役を引き受けたなという事である。後半の展開と異形に変貌していく姿は、美人女優としてキャリアを築いて来た彼女にとっては、演じるのが相当の覚悟が必要だったと思うのだが、それを演じ切ったデミ・ムーアの痛烈なるメッセージ
”映画界は、女優の若さと美貌のみを尊いモノと思ってんじゃないわよ!”
という思いが、ビシバシと伝わって来た怪演であった。流石、デミ・ムーア姉さんである。
・デニス・クエイド演じる下品で女優の"表面的な若さと美"のみ追求するプロデューサーのハーヴェイは、どう見てもセクハラ大魔王で、映画界を追放されたハーヴェイ・ワインスタインを皮肉っているのである。あの役を見ても、女性であるコラリー・ファルジャ監督の今作に込めたメッセージが分かるのである。
・マーガレット・クアリー演じるスーのエロティックな肢体がコレマタ物凄く、こんな女優さんだったんだ!とびっくりしたモノであるが、エンドロールを観たら、ヤッパリ映像加工していたね。凄いなあ、映画技術の進歩。
・途中からのエリザベスとスーの入れ替わった際に、抜け殻のようになった相手の身体に栄養剤を注入するシーンもナカナカだったが、スーが自分がスポットライトを浴びた事で、入れ替わりの時期を徐々に伸ばしたがために、目が覚めたエリザベスの人差し指が老化している事に気付くシーンは怖かった。だが、その後にもっとトンデモナイ展開になって行く様は、正に強烈なる反アンチエイジングホラー映画である。
■物凄く嫌だったシーンは数々あれど・・
1.スーが、一週間毎に交代するルールを守らなかったために、エリザベスが目覚めた時に、髪は抜け落ち、背中は曲り、顔の半分が崩れている姿を鏡で見て、絶望的な表情になるシーンである。エリザベスは慌てて違法な再生医療施行社に電話するも”元には戻りません・・。”と機械的に流れるメッセージ。嫌だなあ。
2.スーが、エリザベスが自分に打った”中断”の注射のために、鼻血が止まらなくなり、老婆と化しているエリザベスを鏡に何度も打ち付けて、血だらけにするシーン。”分身が母体を殺すと・・。”ウワワワ・・。
で、大晦日の番組の司会にハーヴェイから大抜擢されたスーが、青いドレスを着て鏡を見ていると、根元から歯が抜け落ちるシーン。嗚呼、嫌だ、嫌だ。スーが前歯を自分で引っ張ると次々に抜けていくのである・・。
序盤から何度も映される真っ赤な廊下は、”シャイニング””サスペリア”などの傑作ホラー映画を想起させるが、あの廊下で歯が抜けたスーに、ハーヴェイ達が”笑顔を見せないと・・。”と迫って来るシーンも嫌だったなあ。
<エリザベスが更に"ラスト"の注射を打つと、細胞分裂の暴走により、最早人間の姿ではなくなっているにも関わらず、満員の聴衆の待つステージに立つシーンは、哀しくて、且つグロテスク過ぎる。身体の中から落ちる萎びた乳房。身体のヘンな位置にある顔。飛び散る血膿。泣き叫ぶ子供。"怪物を撃ち殺せ!"と叫ぶ男性客。
そして、ドロドロの顔のみになったエリザベスは、序盤にも彼女の凋落の象徴として描かれた”ハリウッド・ウォーク・オブ・フェーム”に埋められた自分の名が記された星の上に辿り着くが、翌朝、清掃員により綺麗に掃除されて無くなるのである。実にシニカルだなあ。
今作は、女優に若さと美のみを求める映画界への辛辣なメッセージを込めた予想を遥かに上回るグロテスクで、哀しきクリーピー&フリーク映画なのである。>
ヤバい
アカデミー賞は
デミ・ムーアにとって欲しかったかな
マイキー・マディソンもすてきだし、よかったけど。
マーガレットさんもきれいで頑張ってたし、男性のサガを象徴してるような名前のプロデューサー
を演じたデニスクエイドもノリノリでしたね〜
蛍光薬剤を提供してんのはどう考えても悪魔ですよね、美や名声を求める人間の業の深さ
を念頭においたシステムで魂の崩壊、必至なアイテム
監督さんは今作はアメリカ製で撮りたかったのでは。
それを商業ベースで許す、というか成立させるアメリカの映画はすごいなーいろんな意味で。
遊星からの物体X、チェストバスター、フライとキャリーでトラウマな方は観ないことをオススメいたします。
薬は正しく使いましょう。さもないと…
混ぜるなキケン
想像を絶するあまり笑っちゃいました
設定と前半は楽しめたが、後半は結論:やっぱりホラーは合わない
ホラー基本見ないけどあまりに今見たい映画が無さすぎる!というのと、アカデミー賞だし?アラフィフの老化対策だし?というところに望みをかけて飛び込み鑑賞。あ、前夜祭だったんだ。通りでレビューが少ないなと。。
前半は面白くて夢中になった。分身が出てくるシーンとか気持ち悪くはあるけど、基本はルッキズムの成れの果て、人が狂っていくというサスペンス寄りの話だし、自分が手に入れたらどうするだろう?とか考えながら設定を楽しめた。なるほど脊髄液で安定させるのね、ふむふむとか。デミさまは美しいけど、50歳のたるんだお尻と分身スーちゃんのパツパツのお尻の対比、そうなるよねーとか。
でも後半はちょっと展開がだるくなってきて、自分が受けたインタビューにそこまで他人事として嫉妬できるかー?とか、なぜ7日目の夜にわざわざ男連れ込むのー?とかさっきまで立つのもやっとだったのに何その全力疾走、とかの無理設定が気になりだし。
挙句、え、まだ続くの、そろそろ終わりでは。。?と思ってから本番ホラーが始まり40分くらい続く。(思わず時計を見てしまった) 好きな人はここからが楽しいんだろうけど。。最後は気持ち悪いというよりは笑えるくらいの振り切ったスプラッタ?うーん、懸念していた怖さ、は人工的だったのでそこまでなかったけど、グロ物体の見どころわからず、ひたすら時間が過ぎるのを待っておりました。
ホラー好きな人にあれはどう楽しむのか聞いてみたい。あの肉片の造形いい!とか血の勢いがいい!とかを見るのだろうか。。やはり私にホラーはまだ難しいらしい。
追記。怖くなかったと思ったけどまんまと夜悪夢見た、なんか人を殺したのを必死に隠す?夢だった。ちゃんと蝕まれていたらしい。
予告を見た印象と全く違う映画だから、気をつけて!!(笑)
『サブスタンス』前夜祭で鑑賞。
冒頭のエリザベスの記念碑を食べ物を落として汚すシーンから
ラストの血で汚れたシーンがオーバーラップ感を漂わせ
それが掃除されてキレイになるっていうのがなんとも言えず
いい味を出しているなと感心した。
ラスト近くの阿鼻叫喚の血飛沫祭りは、『サスペリア』のラストを
彷彿とさせるくらい真っ赤になるし、血はもはや高圧洗浄機から
出る水レベルで噴いていて、もはやこれはギャグレベルだなと。
もう失笑した、私は。
というのも、老いを受け入れられない、自分の全盛期がいつまでも
続いて欲しい的な、不老不死を求める人間の愚かさというのは
始皇帝の時代から普遍的な欲だと思うが、
生物はそういうふうにできていないから、自然の摂理に従うしかない。
そこを受け入れると、良い人生が送れるのだろうが、ここまでくると
もはや狂気だし、もういちど言うがラストはギャグレベルだし、
悲しいし、せつない。
笑えたのはヨッボヨボのエリザベスが軽快に走り回ったり、
意外と力があったりするところ。マジでギャグ。
怖さと笑いは紙一重とはまさにこの作品にあるようなものだ。
エリザベスの最終形態は、BASTARD!の破壊神アンスラサクスをも彷彿とさせていた。
『未知との遭遇』楽曲も刺さった。というか大いに笑えた。
予告を見ただけでは、このレベルのホラー映画だとはわからない。
だから本当に完全に舐めていた(笑)スミマセン🙇♂️
後半1時間が見どころ。
予告の印象とこれほど違うと、やられた!と良い意味で思った。
私は面白かったけど、これは激しく賛否両論なのではないか。
アカデミー賞でメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞しているのが
スゴイ👍&納得。
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