劇場公開日 2025年5月16日

「まさに強烈」サブスタンス 白波さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5まさに強烈

2025年5月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

採点4.3
コラリー・ファルジャらしい視点で描かれた、見事なサスペンスホラー。
まず
その、若さと美しさに渇望する気持ちが痛いほど伝わってくるのがすごいんです。
早々にデミムーアの裸を見せて「今でもこんなきれいなんだ、女優ってすごいなぁ」と思わせた後、マーガレットクアリーの肢体を見せ“努力などではどうしたって届かない”事を視覚的に、男性の我々にも分かるほど壁のように突き立てます。
届くとこにあるなら、禁忌に触れるのも分かる気がしますね。
これは女性監督ならではですね。実にうまい。
母体と分身のアイディアも斬新で、実である母体をそのままほったらかすのもリアルな演出でした。
薬品の主やその成分なんて部分に触れないのも、何でも良いから求めてしまう心情にうまくリンクしていましたね。
後半はグロい描写が多く、自身のポスターを使った姿はかなりのインパクト。
ステージでの血飛沫は塚本作品を感じさせ、そのラストに至っては「物体X」や「ジョジョ」を思わせるほどです。何よりクローネンバーグっぽいテイスト。
ムーアの新境地ともいえる名演と、見事な脚本と演出。
求めてやまない渇望を描いた、想像以上に強烈な作品でした。
すごかったです。

白波
PR U-NEXTなら
映画チケットがいつでも1,500円!

詳細は遷移先をご確認ください。