「「かわいいは正義」の末路」サブスタンス おきらくさんの映画レビュー(感想・評価)
「かわいいは正義」の末路
「醜い顔はキモい」が前提の作りである点は、完全に昨今の「ルッキズムはダメ!」な流れに反する作りではある。
しかしながら、ホラー映画としては屈指の傑作だと思った。
「それ以上やりすぎたらこの後とんでもないことになるのでは?」と観る者に思わせるのが、この映画はメチャクチャ上手いと感じた。
映画を観る前は、歳をとって仕事を干された元人気女性タレントが若返ることで男社会にリベンジしていく話なのかと想像していたが、そうではなかったように思う。
歳をとっても若い頃のようにチヤホヤされたいという考えがいかに醜いかを、強烈に突きつけてくるような内容に感じた。
終盤はホラーゲームの『The Last of Us Part Ⅱ』にでてくるボス敵のことを思い出した。
チヤホヤする側にも問題あると思うが、そちら側は血飛沫を浴びる程度で済まされているのが個人的には物足りなかった(映像的なインパクトは絶大だったが)。
女性側が加齢による容姿の変化によって、時に社会的評価や機会に影響を受けることがあるのに対し、男側は年齢を重ねても、エビを汚く食い散らかしてビジュアルが見苦しいことになっても、それが直接的に社会的立場を揺るがすことはないという世の中の不均衡。
「株主の皆様」がジジイだらけに思わず失笑。
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