劇場公開日 2025年5月16日

サブスタンスのレビュー・感想・評価

全597件中、1~20件目を表示

4.5自覚してエンタメ界に身を投じた者がルッキズム、性差別を批判する声に、喝。

2025年5月25日
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オレの娘はダンサーにあこがれ、韓流アイドルを真似てダンスの練習をしている。オレからすると、韓流アイドルなんて、と思うわけだが、本人は(こちらから見る限りは)本気だ。

エンタメ界が存在する(というより、人が「美」に価値を求める、快楽を求める)以上、見た目(舞台や芸能人)の華やかさにあこがれるのは少なくともオレが生きている限りは変わらない。そしてどんなに見た目がよくっても、若いときはもてはやされても、自身で自分の価値を積み上げることが非常に困難な世界であることは、よくわかる。

オレからすると、応援する気持ちはあるものの、やめとけ、の話だが、オレが言う前に彼女の成長過程でエンタメ界の「価値観」が評価を下す。そして評価されたとしても、そこからはまたさらにその価値観の中で生きてくことになる。とオレが言うまでもなく、数えきれないほどの「イケメン男子」「美少女」の無念の上で成り立っている。逆に勝ち取った、とは外野からの勝手な評価でしかない。当たり前だが、勝者なんて、外野が決めることではない。

なんだが、娘語りから入ってしまったが、美しいもの、強いもの、に惹かれ、憧れるという「本能」、人間の「本質」でエンタメ界に限らず、人間社会が成り立っているという、当たり前の根本に対し、「ですよね」と映画オタクがその引き出しを総動員した、

「サブスタンス」




とてもじゃないが、オレの価値観で「衰えている」とは思えないムーアのエアロからわかるように、プロデューサーのクビ宣言も、理不尽なのは、こちらの意見。力あるものの(理由は末端の人間には分からない」一声で人事は変わる。クエイドの食べ方は、「醜い」とかそういうことではなく、そもそもキレイな食べ方って何?という視点もある。ムーアのフランス料理教本からの料理がぐちゃぐちゃなのも、フランス料理のお上品って何?

ムーアのクローズアップの多投も、皺の醜さの強調ではなく、それすら「美しく」も見える。

クアリーのエアロは圧倒的な鍛錬の上に成り立ってあり、その健康的でもあり、セクシーに感じるのは、当たり前で、監督もそれを「皮肉」を包みつつも、やっぱりすごいよね、ですよね、というほど、エアロシーンがたびたび描かれる。(さすがにお尻から変な映像が出たといってスタッフが巨大な画面でクアリーのお尻に注目するのは笑った)

オレらの生活圏においては、ルッキズムが間違ったとらえ方で、学校や職場ではばかることは断固として忌み嫌う。

しかし、ことエンタメ界ではルッキズム批判はおかしな話。

演じたムーアも言っている。「私は決して被害者ではない」と。

本作は、ただそこに生涯をかけてしまった、自身の価値観をそこのみにしか置けなかった主人公の悲劇と、血しぶきの救済。

なかには、親から連れられてきたのか、自身で臨んで参加したのか、少女も洗礼を受ける。

ましてや、性差別なんかは描かれておらず、「薬」を紹介、利用したあの男も本能に忠実。一方、連絡先を水たまりに落としたメモを渡す、元同級生のあいつが一番ダメな奴。

(そんなメモを取っておいた)そんなダメな奴へのデートへの準備で奮闘する主人公の価値観はすでに狂ってしまっているのだが、笑えない人が多いと思うし、このシーンが「若いころ」のオレに刺さる。

終盤、自身の顔の写真を切り取り、鏡を前にする。ブルース・リーの「死亡遊戯」(’78)を思い出し、笑った。

「死亡遊戯」はリー死去のためで苦肉の策だが、本作においては、CGそして整形を茶化している。同じく、ムーアから見た目が別の、今風にアップデートされたクアリーが誕生するのも整形ブームへの茶化しなんだろうな。

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しんざん

4.5若さと美の追求の行き着く先

2025年5月18日
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怖い

興奮

ドキドキ

若い後輩と一緒に写った写真を見た時
「あー歳をとったな…」と思ったり
20代の頃の自分の写真を見た時
「あの頃は肌艶も良くて、今より痩せてたな…」と思ったり
いつからか歳を重ねるのが嬉しくなくなり、若さと美しさを渇望する時間が長くなる。

きっと誰しも一度は美と若さを手に入れたいと思ったことがあるんじゃないかな。
私も絶賛見た目の老いに日々抗い中だ。
こんな私ですらそうなんだから、それが商品価値にもなってしまうエンタメ界では尚更、美と若さ=自分の価値に感じてしまうのもわからなくはない。

この映画は、そんなルッキズムに囚われる現代人に警告を鳴らすかのような劇薬作品だった。
グロテスクなシーンがとても多く、苦手な人にとっては目を瞑りたくなるシーンも多いけれど、命を弄ぶようなスプラッタホラーではない上に、魅せ方がとても上手なので不思議と見れる。

カメラワーク、音の使い方、色彩、サブスタンスのパッケージから説明書のフォントまで、細部まで監督のセンスが光っていて、世界観の統一が気持ち良い。

後半まではほぼセリフらしいセリフもなく、ひたすら主人公のエリザベスやスーの表情で物語が進むが、セリフがなくても痛いほど感情が伝わってくるのが秀逸。エリザベスの化粧のシーンなんて、気持ちが分かりすぎて後ろから抱きしめたくなった。

最初から最後まで全く飽きさせることなく、次の展開はどうなるんだとノンストップの140分で大満足。始まりのハリウッド ウォーク オブ フェイムからすでに「あ、好き」と思ったけれど、ラストがこれまた最高だった。

私が「サブスタンス」を手に入れたらどうするだろう…。
これからどんどん老いていく自分が、若さと美だけが価値にならないように、自分を愛せる部分をたくさんつくっていきたいなと思った。

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AZU

4.0お仕着せの価値観と行き過ぎた執着がもたらす地獄

2025年5月17日
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ニコ

4.0デミ・ムーアの執念が視覚効果を凌駕している

2025年5月18日
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怖い

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清藤秀人

4.5“本質(substance)=内なるモンスター”を解き放ったファルジャ監督

2025年5月17日
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笑える

怖い

興奮

外国映画の原題がシンプルな1ワードのみの場合、往々にしてダブルミーニングとなっている(米元副大統領チェイニーを題材にした「Vice」に「副」と「悪徳」の意味が重ねられていたように)。本作「サブスタンス」(The Substance)において、第一義は新たな自分を生み出す「物質」を指すが、substanceには「本質」の意味もある。フランス人女性監督のコラリー・ファルジャはあるインタビューで、「女性は若く美しくあるべき」という旧来の考え方に基づき隠すよう教え込まれてきた「老いつつある不完全な自分の一部」が自身に内在する“モンスター”であり、解き放たれたモンスターが女性の肉体を破壊し戯れることで、女性たちを抑圧し束縛してきたものを吹き飛ばしたかった、といった趣旨を語っていた。破壊されるべき醜い怪物とは、他者に美しさを求める身勝手な欲望=人間の本質そのものだ、とも読み取れる。

ファルジャ監督は2017年に「REVENGE リベンジ」で長編デビューした後のインタビューで、自作にオマージュや引用が少ないのは観客の没入を妨げるからだ、とも語っていた。だがこの第2作「サブスタンス」では考えを改めたのか、わかりやすい引用や参照に満ちている。特殊な手段で永遠の若さを手に入れようとする筋は、オスカー・ワイルド原作「ドリアン・グレイの肖像」(映画化・ドラマ化ともに複数回)やロバート・ゼメキス監督作「永遠に美しく…」。ボディホラーの要素はジョン・カーペンター監督作「遊星からの物体X」、デヴィッド・クローネンバーグ監督作「ザ・フライ」、ブライアン・ユズナ監督作「ソサエティー」など。スタンリー・キューブリック監督作からは、「2001年宇宙の旅」の光の回廊に似た視覚効果と交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」のBGM、「シャイニング」のシンメトリー構図やインテリアの配色。大量の血しぶきは「シャイニング」に加え、ブライアン・デ・パルマ監督作「キャリー」も想起させる(ちなみにこの2作はスティーヴン・キング原作という共通点も)。

20世紀の巨匠たちが手がけた傑作群への言及を散りばめつつ、表層的なマッシュアップで終わらせず、自身の実体験に根差したオリジナルなストーリーに消化/昇華させた点がファルジャ監督の偉業であり、「サブスタンス」が私たちの心を揺さぶる理由でもある。自身のキャリアに重なるような落ち目の元大スター役を引き受けたデミ・ムーアと、完璧な肉体を表現するため人工の乳房を装着したマーガレット・クアリー、2人の熱演に依る部分ももちろん大きい。過激な表現とブラックユーモアをまといながらも、女性の真の解放とは何かを問いかける力作であり、ルッキズム的傾向を無自覚に持つ多くの観客は冷や水(と血しぶき)を浴びせられたように感じるはずだ。

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高森郁哉

4.5ある種の中毒性を持った最高の劇薬

2025年5月17日
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これはもう破壊力満点。かなり重いパンチを腹に決められた気分だ。ファルジャ監督の『リベンジ』もぶっ飛んだバイオレンス・アクションだったが、今回はさらに壁をぶち破り未曾有のゾーンに突入した超怪作と言っていい。「substance」は「薬物」や「実体」などの意味を持つが、なるほど、本作は若さを求めて薬品に手を伸ばす欲望の暴走劇でありながら、真っ二つに引き裂かれていく壮絶なアイデンティティのドラマでもあるわけだ。ある意味、悪魔の契約。大人のファンタジー。大量の血糊と特殊メイクを伴う作品ゆえ、この手のジャンルが苦手な人はくれぐれも注意願いたいが、しかしある程度の描写なら許容可能な人ならば、過激さが振り切れ、もはや歓喜にまで昇華する瞬間を何度も感じるはず。特に幾つかの名作映画すら思い起こさせる終盤は「やりやがったな!」と笑いが止まらなかった。全身全霊、体当たりで演じたムーア&クアリーを心から称えたい。

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牛津厚信

4.0星に願いを

2025年10月19日
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お星さまか…

そうよ、みんな星になってしまえ!

そんな感じだけど…

ラストはハッピーエンドかな。   と。

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おち たけ

3.5手洗いは大事です

2025年10月19日
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「サブスタンス」うーん、過大評価なんじゃないかなと。男たちのルッキズムとエイジズムへの怒りのテーマにお前のイデオロギーで映画を語るなとかこの映画は依存についての映画だとかの逆張りにはアホかと思うが、この手法がテーマを伝えるのに適切か疑問。クライマックスも痛快ではなく痛々しくて辛かったな。

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ピンボール

5.0今年ナンバー1

2025年10月14日
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ルックがいい。映像の美しさ、えぢからが最高!
いろいろツッコミどころとかあるけど最高!

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90's

3.5好みではない作風でしたが、面白く観ました

2025年10月12日
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komagire23

4.5面白かった

2025年10月5日
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女は売れなくなったら価値を失う「商品」じゃない。50才を過ぎて止まったもの(生理の血)は、ラストの阿鼻叫喚の舞台に相応しい。

最終形態のモンスターに張り付いたデミ・ムーアの顔が、「自分自身」を表現していた。
自尊心というエサを求めて鳴き叫ぶ、腹を空かした野良犬のような表情。

ウォーク・オブ・フェイムへの凄まじい執念も面白いけど、ラストにデミ・ムーアの全てを超越した美しい表情を見たかったな。

救いの無いラストから想像すると。実は、デミ・ムーアは冒頭の車の事故で死んだか、生きていても意識不明なのでは?呪縛に囚われたまま見ている彼岸の夢のようだった。

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Raspberry

4.5モダンホラーコメディ⁈の傑作

2025年10月1日
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予告では美容系のサスペンス映画っぽかったので観る予定はなかったのですが、私が視聴してる2組の映画系YouTuberらが実はホラー映画だけど面白いと推薦してたので観に行ってきました(ホラー系は苦手)

オープニングは主役の女優のハリウッド・ウォーク・オブ・フェームを製作過程とその後年月が経つようすから始まります
若い頃オスカー受賞経験を持つ50歳の女優エリザベスは唯一のレギュラーであるワークアウトがクビになる
過去の栄光が忘れられない彼女はやむなく非合法の薬物への誘いがある
いかにも怪し過ぎるがなりふり構わず手を出してしまうほど追い詰められている
女性監督ならではの若さと美への追求する欲望をかなり上手く演出しており、デミムーアがそれを完璧に演じています

デミムーアも若い女優もタイプでは無いため全裸でも欲情しなかったので冷静に鑑賞できました
正直女性版クローネンバーグとしか思えないくらい超どグロ描写がコレでもかと続きます
グロがダメな方は観ない方が良いでしょう

ココからちょっとネタバレ

副作用?で変貌した姿は、見た目はエレファントマンのそれだが、まるで"ザ・フライ"のグロさを再現したかのようです
最後には"キャリー"かよと思ったら、"遊星からの物体X"のようなクリーチャーになり、ハリウッド・ウォーク・オブ・フェームの上で終ります
イイですねー

盛りまくったスプラッターを更に盛りに盛った有り様に半笑いしながら観てました
変な映画好きにはたまらない出来です

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水饅頭こわい

3.5パニックとトラウマ

2025年9月28日
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ordinal

0.5思った以上に気持ち悪い

2025年9月23日
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血とか暴力が最近苦手なので思ったよりグロかった。お金をかけた世にも奇妙な物語...と思った。映画館で観ていたら最後まで耐えられなかったと思う。とはいえ、老いを受け止められず何とかしたい気持ちはとってもよく分かる。

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Cちゃん

3.5モンスター映画だった

2025年9月21日
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鑑賞方法:その他

悲しい

ラストは想像できない
デミムーアの悲劇
ハリウッドの整形の問題

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gend

3.5【ネタバレなしで見た方が面白いのだが】

2025年9月18日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

驚く

カワイイ

デミ・ムーアが若返りを試みて大変な事態に陥る物語であり、キャッチコピーの「かわいいが暴走して、阿鼻叫喚」はそのままの内容を示している。

評価サイトでは絶賛の声が多いが、これはファンタジーではなくモンスター・ホラーであり、「どこかで見たことがある」と思わせるシーンやオマージュも散りばめられつつ新鮮さがある。

物語はほぼ二人の女優の演技だけで進み、その圧倒的な芝居に痺れるほどである。

映像はおしゃれで可愛らしく美しいが、最終的に観客は確実に「阿鼻叫喚」を味わうことになるので心の準備をして臨むべき作品だ。

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abu

4.5今年ベストの一本。知人にとにかくやりすぎの展開と聞いて構えてみてた...

2025年9月16日
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今年ベストの一本。知人にとにかくやりすぎの展開と聞いて構えてみてたが、自分の想像の斜め上をいくとんでもない展開だった。特に観客に向かって行うクライマックスは、スクリーンを超えて我々に悪意を向けられているようで、可笑しくて笑ってしまった。ちょっと尺が長すぎる感があるが、フレンチホラー定番のやりすぎ感でした。

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sakiyeah1970

4.0大爆笑

2025年9月15日
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鑑賞方法:その他

老い、生、考えさせられながらの最後爆笑
良かった笑

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cHUro

3.5とんでもないものを観た

2025年9月13日
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soleil
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