メガロポリスのレビュー・感想・評価
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芸術としての映画、その未来図
フランシス・フォード・コッポラ監督が構想に40年以上をかけ、約186億円を自腹で制作したという、まさに“伝説級”の話題作。
感想は一言では語りきれませんが、まず映像の迫力が凄まじく、音楽も素晴らしい。まるでアート作品の中に没入するような体験でした。
ストーリーはかなり難解で、一度観ただけではすべてを理解しきれない部分も多く、余韻とともに考え続けたくなるタイプの映画です。
「映画は芸術である」というコッポラ監督の強い信念が全編に込められており、贅沢な世界観と大胆な演出で、映画の未来に対する問いや可能性を突きつけてくるようでした。
すべてを“理解”するより“感じる”ことに重きを置いて、もう一度じっくり観たくなる。そんな唯一無二の作品です。
鑑賞中に寝落ちするのは久々It’s been a while since I fell asleep during a movie.
観賞後パンフレットを見て
かろうじてストーリーは追えていた模様。
前半の方の会話劇のところで
何度か寝落ちしてしまう。
英語のヒアリングが出来ないので、
大事な台詞は把握しきれていないと思う。
英語ネイティブの人は
刺さる台詞がたくさんあったんだろう。
映画館での鑑賞で寝落ちするのは
40年以上映画見てきた中で
数えるほどしかない。
あとどれくらいだろう?
と時間を確認したのは初めてだ。
個人的には長く感じてしまった。
予告編とのギャップを感じてしまった。
この日はこの後もう一本観た。
それで寝落ちすれば、
単純に前日の歩き疲れが原因だろう
となるかと思ったが、
残念ながら、そうはならなかった。
ごくごく個人的な印象だが、
使いたい俳優を使った
監督が撮りたいシーンを集めた
それを繋げたように感じてしまった。
私の理解が追いついていなくて
分かっていないだけかもしれない。
ただ一人の頭で考え表現するには
映画という器は大きすぎるのかもな
と思わずにはいられなかった。
After the screening, I looked through the pamphlet and confirmed that, despite dozing off, I had more or less grasped the storyline.
I dozed off a few times during the dialogue-heavy scenes in the first half.
Since I can’t understand spoken English very well, I probably missed a lot of important lines.
I imagine native English speakers caught many lines that really resonated.
In over 40 years of watching films, I can count on one hand the number of times I’ve fallen asleep in a theater.
This was the first time I found myself checking the time, wondering, “How much longer is left?”
Personally, it felt long.
There was a noticeable gap between the trailer and the actual film.
I watched another film later that same day — if I had fallen asleep during that one too, I could’ve just said it was because I was tired from walking the day before.
But as it turned out, I stayed wide awake through that second film.
This is purely my personal impression, but it felt like the director had just gathered the actors he wanted to use, shot the scenes he wanted to film, and stitched them together.
Maybe I just didn’t fully understand it.
Still, I couldn’t help but feel that a film might simply be too vast a vessel for one person’s vision to express on their own.
希望の未来を作るのは建築家でなく、時を止められても動くことを止めない赤ちゃんだ
言葉の海を泳いだ思い。衣装もヘアスタイルもメイクもアクセサリーも靴も古代ローマ風で美しかった。アダム・ドライバーは、ヘアメイクと服で全くタイプが異なる人になれる白いキャンバスみたいな俳優だ。美術や未来都市の映像は使い古されたイメージで残念だった。
「文明という狂い咲き」の摩天楼に溢れた都会では、雑誌TIMEが同じフォントでTEMPUSという誌名でデジタルサイネージに映っていて笑えた。笑えなかったのは、目隠しをした法の女神が崩れ落ち、コロッセオで残虐な見せ物とランウェイを歩く女と「清純な」女が歌う様子に馬鹿みたいに盛り上がる偽善者セレブ。そして朝食とは思えない無駄にゴージャスな食卓にいるカエサル(アダム・ドライバー)。建築家カエサルは権力者側で生まれて育った人間だ。カエサルは、かなり単純化した分かりやすい言葉で今の世界を批判する:「お金がない人に要らない物を売りつけ金を使わせ、不要な物を作り続けている」。未来については抽象的だ:「未知に飛び込むことは自由の証だ」「みんなでとにかく会話をする」。彼が夢見る未来社会として映されるのは、子ども達が遊び楽しみ何かを常に創造している様子だ。モンテッソーリか?シュタイナーか?「結婚」が何より大事!的な発言もあり、そこか?!とがっくりした。
カエサル由来やその他の有名な言葉が続くが、並べただけの印象が強かった:「賽は投げられた」「来て、見て」(過去形でなく「勝って」もなかった)。ハムレットの悩み。ファウストとメフィストとのディールでの表現(時を止めてそれで何?)。映像では「ムッソリーニ吊り」があった。ソ連の宇宙飛行船(ボロボロ)が飛んでるシーンはスプートニク・ショックのトラウマか?
絶望しない、未来に希望を持とう!みんなで話そう!ナイーヴなメッセージだけど、一応わかったー!
おまけ
カエサルの母親をタリア・シャイアが演じていた(コッポラ監督は身内を使うのが好きだ)。ママと息子は愛情深くつながり、帝王切開に関する言説は全て俗説、というメッセージなら素敵だな~と勝手に思った。
2時間に収まってない笑
ラジー賞 最低作品賞ノミネート、見事最低監督賞受賞という前評判が最悪な本作「メガロポリス」笑
映画界のゴッドファーザーであるコッポラが自腹を切って製作をしたという作品は本作に限らずあったことだが、自慢のワイン畑の大半を手放して何とか捻出したという制作費。
1.2億ドルも払ってラジー賞受賞というアメリカ映画界の容赦のなさはまるで本作の描くディストピアのようだ笑
さらに出演する俳優陣も超豪華で主演のアダム・ドライバーもコッポラ作品に主演ということだが容赦なく高額な出演料だったそう笑
構想40年という長きにわたって作りたかったという本作。コッポラが描きたかったのはもちろん総合芸術としての映画、映像としての素晴らしさもそうだが、そこに自信の哲学的なテーマを盛り込みたかったということだ。
マルクスの引用やコッポラ自身の問題提起も何となくわかるが、寓話として描いた古代ローマとニューヨークをミックスさせた退廃的な世界観が、格差の広がる現代社会の皮肉としても捉えられてしまい、よくある風刺映画的なテーマにも見えてしまうのは少し勿体無く感じた。
また、コッポラが長年に渡り描いてきた権力争いと家族の物語から浮かび上がらせるアメリカそのものの姿。義理と人情の家父長制社会か、血も涙もない資本主義か。「ゴッドファーザー PART Ⅰ, PART Ⅱ」を通してまさにアメリカの過去と現実を垣間見た。
本作では往年のコッポラ作品らしく、銀行家の家に生まれた建築家カサエルを中心とした兄弟間の権力争いや、汚職にまみれた政治家などが描かれ懐かしさを感じたが、あくまでも記号的な役割になっており、やはり「ゴッドファーザー」ほどの深みはない。
長年フィルム撮影にこだわってきたコッポラだが、前監督作でエル・ファニングちゃん主演のホラー映画「Virginia/ヴァージニア」からデジタル撮影で3Dに挑戦したり、ノーランほど頑なではなくなっている。
しかし、本作の映像はまるでフィルム撮影をしたかのような質感、照明でしかもIMAX規格となっている。(さすがに予算上IMAXカメラは借りれなかったようだが。)
本作は簡単にいうと「どうすれば人間はより良い社会を築けるか。」ということである。理想か現実か、選択を迫られる。本作は理想の力を信じた。時間を止められる能力を使うカサエルが最後にもう一度時間を止め、我々に選択する猶予を与えてくれる。
主人公カサエルの掲げる理想郷メガロポリスが果たして社会の分断の解決策になっているのか、貧困層を救う一手になったのかは疑問である。
それでも余りある実験的な画面割りや見た事ない照明効果で本作の映像作品としての見応えは十分ある。
なんだったんだろうコレ
いつも行っている劇場では上映しておらず、久しぶりにみなとみらいまで行きました。
IMAX!そして、戸田奈津子さんの字幕で見れば!きっと前評判なんて!…と意気込んでいたのですが…。
あーごめんなさい。サッパリ意味わからないんです。
あまりにもブツぎり過ぎませんかね…。
コッポラ監督に庶民視点を理解しろと言っても無理があるのかもしれませんが、それにしても富裕層視点ですし。
終始何を伝えたいのかよくわからないまま(でも美しいのはわかる)いつの間にかハッピーエンドになってた感じです。
この映画制作のために私財をはたいたと聞いてますが、単純に資金提供してくれふスポンサーがいなかっただけで、美談ではない可能性を感じてしまいました。
まぁ、興行成績の不振から日本公開が危ない説もあったので、見れただけ良かったのかな…。
メガロンでメガロポリス?
フランシス・フォード・コッポラ監督の映画愛と構想ん十年の執念ともとれる製作意欲には只々尊敬の念しかない、ので★甘いです 御年86‼ 映画監督が撮りたい作品とウケる作品というのは往々にして違うのかな? 内容は期待通りトンチキ、でも劇場公開映画館で見れて良かったーそれに尽きる
建物はヒッチコックみたい、旧ソ連の衛星とかディープフェイク、万能素材など新旧入り混じってました、そして足が竦む、竦むよ シャイア・ラブーフが一番作風にあっていたんじゃなかろうか ワオさんはファッションといいガガ様か?と思っちゃった
技術の壮大な無駄遣いによるゴージャスなビジュアルトリップ
コッポラのイマジネーションを、ダイレクトにビジュアルでぶつけてくる作品でした。
ぶっちゃけ、エンタメ映画としては大失敗作。
金持ちの道楽で散財し、技術の壮大な無駄遣いをした、自主制作映画でしかない、と切り捨てていいレベルではありました…が。
それでも、嫌いになれないどころか、なんだか爽快感がありました。
この行き当たりばったりの一貫しない思いつきの羅列みたいなフィルムに、どこか見覚えがあって心地よくもあったのです。
ストーリーは難解じゃなくシンプルですが、連続した見せ方をしてないので、頭に入ってきません。
決して「難解さを打ち出して高尚だと勘ちがいさせる、評論家向け文芸作」でもありませんでした。
魅かれたのはあくまでもビジュアルと構成。
観終わって考えて、しばらくして気づきました。
・『君たちはどう生きるか』をはじめとする、画とレイアウトと演出の力で押し切る宮崎駿監督のイメージの畳み掛け(宮崎さんは昔から『魔女宅』『千と千尋』『ポニョ』『風立ちぬ』も、みんな前半と全く繋がらないラストだけど、観る側が満足しちゃうアレ)
・晩年の大林宣彦監督『花筐』『海辺の映画館』にあった思いついた断片的シーンの羅列
・『イージー・ライダー』幻覚トリップシーン
これらが延々138分連続する、CGアニメーションと実写のハイブリッド幻覚なんだこれ!
だから、観ていて「よくわかんないけど、なんかわかった」という気になるし、壮大なゴージャスな映像の奔流に身を任せるだけで溺れながら酔う、合法的な麻薬トリップみたいな効果がある(気がする)。
人によっては、その豪快なふり幅に、小型漁船に乗ったときの船酔いみたいになるかもしれませんw
妄想を見せるための画面比率も変幻自在。
1.43:1のフルサイズIMAXも一部ありでした。
そのトリップを味わうには、109シネマズ大阪エキスポシティやグランドシネマサンシャイン池袋の巨大なIMAXレーザーあたりがおすすめです…が、IMAXにかかってる期間は短かそうでした。
メッセージ性を強く出した作品
初めてのフランシス・コッポラ監督作品だが、ゴッドファーザーシリーズ、地獄の黙示録も観ていない。エンタメも何も考えないで観たが、なるほどかなりフランシス・コッポラの未来へのメッセージを強く出した作品だなと感じた。確かにストーリーは混乱するし、着地点はない。しかし、ナレーションや登場人物のセリフにこの作品で我々観客に伝えたい事が出ている。40年前に構想した作品が、まさか今のアメリカいや世界でここまでリンクするとは
思わなかった。ラストのカエサルのメッセージは色々、考えさせられた。希望も感じる事ができたラストは良かった。カエサル役のアダム・ドライバーの演技は素晴らしかった。0.5点おまけは戸田奈津子の字幕。見事❗️
アダム・ドライバー、ナタリー・エマニュエル、オーブリー・プラザの魅...
アダム・ドライバー、ナタリー・エマニュエル、オーブリー・プラザの魅力が爆発の、理解に苦しむ内容の映画。劇中では2つのの不思議な世界観がある。1つ目は "古代ローマ" で2つ目は "未来技術" で、どちらも行き過ぎてない。凄く 過去チックで無く 凄く未来チックでも無い。しかし掴めない。
コッポラが私財1億2000万ドルを投じて製作したと聞いたが、最初は「そんなに製作費が掛かってるか?」と思ったが進むにつれて「これは、手抜き感が全く無くて大変な撮影だ」と感じた。豪華俳優陣と凝ったセットとCGに経費が掛かったのだろう。
しかし「なんでこうなる?」と言うよりも「何処に向かっている?」と言う感想で見ていた。
コッポラが造りたかった "物" を観れたが、みんなで「あれは、なんで?」とか話し合うのが楽しいかも。
※アダム・ドライバーが演じるカエサル・カティリナ。劇中に「シーザー」と聞こえる。ドイツ語で皇帝は「カイザー」と言い「カエサル」が語源。 カエサル(CAESAR)の英語読みが「シーザー」で、ユリウス・カエサルを英語読みすると「ジュリアス・シーザー」となる。
個人的に数々の衣装がとても良かった。
一度で理解は難しかった
うーん、えっとぉ…
映像は完璧。役者もいい。演出はさすが。
もしかすると、芸術作品としては素晴らしいのかもしれない。
しかし、だ。
こちとら楽しみたいのだ、SFを。
わかりやすいものが観たい。
私にとって、映画とは娯楽なのだ。
1時間半はガマンした。
「オレはいま、ものすごい映画を観ているはずだ」
と。
でもね、しんどくなってきたのよ。
だって、ワケわからんのだもん。
夢の中の不条理な世界観とでもいうのだろうか。
それならそうと、鑑賞前にでも教えてほしい。
結果、途中で退席した。
こんな経験、数十年前の『死霊のはらわた3』以来だ。
要約すると、娯楽を期待しては行かないほうがいい。
映画を芸術としてもとらえられる人には、もしかすると最高な作品かもしれない。
時よ止まれ
時間も愛も、見ることも触ることもできない不可知なものを過去からの引用で問いかけてくるのは、大事なのは問題解決でなく問題提起だから
"Time, stop." 逆説的に時は止まらないから、人の営みも人類の歩みも。常軌を逸した人の間で、一人ひとりが主体性・当事者意識を持って未来についてとことん議論すべきだ。過去の引用から、"歴史から学ぶ"か"歴史は繰り返す"はあなた次第?神を創造した人間の英知そのパワーを直に利用して、未知に飛び込むことは自由の証。止まらない時の中で、最大の敵にもなり得る文明=人類の歩みと如何に折り合いをつけて、未来へ進んでいくか。
『レインメーカー』を最後に従来の商業映画の枠組みから逸脱した形で映画を撮り続けてきた巨匠コッポラが40年もの月日をかけ1億2000万ドルもの莫大な私財を投入した本作はヘンテコで、ましてや『ゴッドファーザー』でも『地獄の黙示録』でも『カンバセーション』でもない。執事ローレンス・フィッシュバーンを背景にした(+甥のジェイソン・シュワルツマンに役を与えることにも成功した)混沌としたカオスは、怪作だとか耄碌したなどと揶揄するものではなくアートとして味わい議論されるべきものなのかもしれない。ただ、そう言ってもやっぱり何をしたいのかよく分からん。
シーザー(カエサル)最大の発明は、動く歩道だ!カエサル突然の神々しいメガロン・カットが変にチープで笑った。そんなふうに時に意図的に、時に意図せぬ形で笑いを誘う。男性陣はボタンを一番上まで留めているのに、女性陣は性的に描かれる。女性の純潔・処女性を商品に、市政の財政難を立て直そうとするのクソヤバすぎ。オーブリー・プラザ演じるワオのルックスも、白黒映画から飛び出したようだ(それこそヒッチコック映画のファムファタールとか?)。
『テリー・ギリアムのドンキホーテ』に続いて、監督長年の企画にアダム・ドライバー。ジョン・ヴォイト新作で久しぶりに見たし、ジャンカルロ・エスポジートは安定。ニューローマと言うだけあって覚えにくキャラ名や、どこか古びた未来像と共にアナクロニズムに、世界のメカニズム・成り立ちに、イデオロギーや哲学・倫理、権力の腐敗、セックススキャンダル、暴政などあらゆる要素を詰め込んだ本作。MAGAヨロシク、"グレート"な現代社会も反映する形で、あまりにも壮大なことを描こうとするあまり、キャラクターが社会的な役割に始終しているように思えた。トリップしている主人公の葛藤がいまひとつ伝わってこない。
理想主義で何が悪い!最後がどう解決したのかよく分からんが、多分法廷モノの最終弁論みたいに皆の胸を打つものがあったのだろう。後年、カルト的な人気を得そうな作品(映画体験でありアート)。
Wait. Go.
ぜったいIMAXで観た方がいい。ラグジュアリーな映像に脳がブン殴られる。
とてつもなくラグジュアリーな映像体験。ファンタジックなネオローマを全力でビルドした力業。
この美術品のような2時間20分をつくりあげたのなら、ワイナリーの売却も充分に割に合うだしょう。
圧倒的な映像魔術。これはマジで解像度命なので、鑑賞するならできるだけ大画面のIMAXで観た方がいいです。
展覧会の図録はあくまで図録であって、美術館で実物みないと展示物のよさ味が分からない、というのと同じように、メガロポリスもおうちの配信でみるのは展覧会の図録みたいな縮小版とかんがえてよいです。でけえ豪華な画面にブン殴られる映像体験こそが醍醐味ですこれは。
素晴らしい。ド傑作。コッポラやりよった。
ただ、なんの話なのかはよくわかんねえ。メガロンてなんなん。
【巨匠、フランシス・F・コッポラがカエサル支配時の古代ローマを模倣した現代ニューヨークを舞台にしたSF寓話。今作はフェイクに塗れた且つては強き国であった斜陽の現代アメリカを懸念、揶揄した作品である。】
■貧富の格差が広がっている大都市ニューローマで、建築家のカエサル(アダム・ドライバー)は、自ら開発した新素材メガトロンを用い、理想の都市”メガポリス”を建設しようとするが、市長のキケロ(ジャンカルロ・エスポジート)が、様々な妨害をする。
キケロの娘、ジュリア(ナタリー・エマニュエル)はカエサルの志に共鳴し、彼を支えるが、カエサルはある日、少年の凶弾を右目に受け生死の境を彷徨うのである。
◆感想<Caution!内容に触れているかな?>
・序盤は、若干分かりにくく、脳内フル回転で鑑賞する。疲れたよ!
巨匠の久方ぶりの最新作なのに、上映館が異常に少ない事も懸念事項であったが、これはそうなるよな、と思いながら急遽、鑑賞方法を変えて対応する。
・何しろ、古代ローマのカエサル支配時代の人物関係がある程度、頭に入っていないと厳しいのではないかな、と思ったもんな。
・だが、この作品の随所で”時よ、止まれ!”という台詞が使われるのだが、これを聴き私は”嗚呼、成程。フランシス・F・コッポラ監督は、フェイクに塗れた、且つては強き国であった斜陽の現代アメリカを懸念してこの作品を作ったのだな。”と思ったのである。
そして、その後に謳われる、”ユートピア、ディストピア”という言葉。
・あとは、映画界に燦然と輝く「地獄の黙示録」が、公開時には賛否が渦巻いたという記事を読んだ事を思い出したのも、大きかったかな。
<そこからは、流れを掴み、フランシス・F・コッポラ監督が今作で伝えたかった事が、自然に頭に入って来たのである。
故に、時間も長くは感じなかったし、独特のどこか懐かしい感じのSF描写も面白かったのである。
今作は、巨匠、フランシス・F・コッポラのカエサル支配時の古代ローマを模倣した現代ニューヨークを舞台にしたSF寓話であり、フェイクに塗れた、且つては強きアメリカであった斜陽の現代アメリカを懸念した作品なのである。>
難解すぎるぜ…w
誰も見たことがない映画
コッポラ監督の集大成でしょう。
家族、敵対する者、ファンタジー、人類の歴史、バイオレンス、、、過去の監督のいろんな要素を盛り込んだ、コッポラ監督のブレない執念を感じました。
観客は単にストーリーを追いかけるのではなく、スクリーンの映像美に隠された監督のメッセージを感じる事ができたら、監督の製作の意図が伝わって来ると思います。
ゴッドファーザー、ワン・フロム・ザ・ハート、地獄の黙示録、コットンクラブ・・過去のコッポラ監督の作品が蘇ってきました。
前評判は興行的に良くないかもしれないが、確かにあのフランシス・フォード・コッポラ監督作品であることに間違いは無い。興味を持ったなら、早めに劇場へ行くことをお勧めします。
物語を引っ掻き回す馬鹿が気に入りました。
ニューヨークを架空のローマ帝国に見立てて、コッポラ自身の人生を投影し、彼の経験や知識、未来への希望などを詰め込んだ作品。
架空の世界とはいえローマ帝国を下地にしている為、どのキャラも大変魅力的に描かれておりました。
端役にすぎない馬鹿な孫娘たちでさえ画面の隅っこでポーズを取らせたり、車の上でアホ丸出しの踊りを踊らせたりと画面を効果的に使ってキャラを深掘りしていく事に余念がありませんでした。
個人的にはシャイア・ラブーフが演じたクローディオが大のお気に入りです。
物語を引っ掻き回す馬鹿として描かれており、彼の存在が架空都市ローマの雰囲気を醸し出す事に一役も二役もかっていたと思います。
天井桟敷のようなセットで市長とカエサルが演説し合い互いを罵るシーンなどはローマ帝国の評議会を思わせるし、銀行頭取の結婚式はローマのコロッセオそのものでした。
ですが、そこでも人物描写がものをいっておりました。
ヨボヨボになりながらも、喜んだり、叫んだりするジョン・ボイドに数々の映画で描かれてきた権威しか残っていないローマ皇帝の姿が被ってしまいました。
大スターたちが繰り広げるローマ帝国興亡史。
その実、監督の死生観を全面に出した作品となっているので監督の映画作品よりも監督自身に興味を抱くコアな人が楽しめる作品だと感じました。
点数のつけようがない。
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