ANORA アノーラのレビュー・感想・評価
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今後マイキー・マディソンを楽しみに待つ日が来そうだ
ひたすらマイキー・マディソンを見つめる映画でした。
映画のドアップにも耐えられるお顔がとても美しかったです。
前半は布面積が少ない場面ばかりですが、中盤からお顔から想像できない強さ(前半でチラッと見せてて終盤に伏線回収?みたいにはなってたけど)を見せてくれて痛快で面白かったです。
ストーリーの柱としてはそれほど珍しさもなく、恐らくほとんどの人の想像通りに進んでいく感じですが(旦那のクズっぷりは想像以上でしたが笑)、肉付けのしかたとマイキー・マディソンの演技で面白い映画になった良い例だと思います。
最後は「やっぱりそうなったか」と一瞬思いましたが、「結局自分はこういう風にしか生きられない」と感じさせる感じでちょっと悲しくなったね。
その先?
バカだなあ
マイキー・マディソンの独壇場!
終始アニー(アノーラ)を演じたマイキー・マディソンの
独壇場だった。
体当たりで全身で出し切る演技の迫力が
スクリーンを通してビシビシと伝わり心に響いた。
前半のセックスワーカーのアニーが
イヴァンと出会い、仕事から愛情が生まれ、結婚へという
なんともシンデレラストーリーだったところへ
一転してイヴァンの両親の手先が家を訪れるコンクリフト
からの怒涛のやりとりが、本作最大のみどころ!
大いに笑わせていただきました。楽しかった。
そこからまさか逃げたイヴァンを4人で追いかける展開に
なるとは!この追走劇における4人のやりとりが
実にコミカルでここでも笑わせていただいた。
イヴァンを見つけ両親と対峙する場面でも感じるのが
格差社会における差別的蔑視、
それをアメリカ人とロシア人で描いているのも
ユニークで本作ならではな気がする。
そしてアニーを見守り続けたイゴール
(ユーリー・ボリソフ)の優しさも微笑ましいし、
アニーとふたりでお互いの名前の意味を話す場面も
じわりと心が温かくなった。
ラストシーンにおける車中で聴こえるワイパーの音、
冒頭のアニーらしい行動をとりながらも、
感情が溢れでてしまうアニーをそっと抱きしめるイゴール
に感動した。
でも、イヴァンはクソでクズ!
ここまでのクズはなかなかいなさそう(笑)
中盤からの展開に良い意味で意表をつかれたし、
鑑賞後感も素晴らしい作品だと思う。
アカデミー賞に是非からんでほしい!!
立ち向かうアニーに感動
予告編を見た限りでは、ロシアの御曹司と勢いで結婚したストリップダンサーが、御曹司の家族からの反対に抵抗する話という印象。そんな場面ももちろんある。でも実際は結構笑えたし、思ったよりも悲しく切ない気持ちになった。
序盤は金持ちの若い男が、豪勢に遊び騒ぎセックスする姿を見せられる。アニーとの結婚はたしかに勢いで決まったことだけど、一応の理由があった。男としてのメリットもあったということ。で、その結婚が判明した後に、結婚を無効にしようとする夫の両親の取り巻きと、それに抵抗するアニーが描かれるのだが、これが面白かった。途中からロードムービーを観ているような感覚。お互いの気持ちが少し理解できるようになったりするのも悪くない。
ダンサーをしている20代の女性が、ロシアの大富豪とやり合うのは大変なことに違いない。ラストシーンで見せるアニーの姿に切なくなったが、同時に壮絶な試合を終えたアスリートを観たときのような感動も覚えた。
人間のいろんな感情がおもしろい
欲望、打算、嫉妬、諦め、逃避…
ロシアのダメ御曹司が、父親の会社で働く前のアメリカ旅行で起こす騒動。
アメリカではっちゃけすぎて…いろんな騒動が起きます。
どれもこれもバカバカすぎておもしろい。
アカデミー賞作品賞受賞おめでとうございます✨
日本との文化の違いを感じるアメリカのストリップダンサー。日本だとH...
あっという間に見終わりました
アノーラを演じ切ったマイキー・マディソン
この映画が待ち遠しかった。たった2本しか見ていないのにショーン・ベイカー監督の映画が大好きになっていたからだ。今回も自分の想像を遥かに超えた展開の映画でベイカー監督がますます好きになった。
アノーラ役のマイキーはタランティーノの映画に出ていたらしいが気がつかなかった。この映画では見事に素晴らしいエロティック・ダンサーを演じた。美しいダンスと体の動き、客とのコミュニケーション能力のレベルが半端なく高く仕事に真面目な女性。経緯は語られないが頭がよく職場では一人を除き皆から愛され信用されている。一方で健康保険も年金その他もろもろの権利無視の職場であることをアノーラは分かっている。
イヴァン可愛い!ベイカー監督のキャスティングはうまい。
アニーが言ったなかで一番刺さった言葉を自分はこう理解した:女にとって男は二種類しかない;1)女をレイプする男、2)性愛の対象が女でなく男である男性。
要するに異性を求める男はみんなレイプ魔ってことだ。レイプ魔でない男性と出会うことがなかったアニーに涙が出た。私達観客が見る映像では男性客は皆さんジェントルに映されている。そんなの嘘っぱちってことがリアルに伝わる。
「アノーラ」という名前の意味から話を始めて彼女を最後まで見守ったのは、あの最初から無言の、アニーを縛った男性イゴール。そのイゴールは無口の代わりに全てを見ている人だった。彼へのお礼として仕事の延長しか出来ないアノーラを受けとめながら、彼女を温かく優しく抱擁したイゴール。初めてやっとアノーラはたくさん泣くことができた。
おまけ
1)イゴール役は「コンパートメントNo.6」に出ていたあの彼なんだ!今回も適役で素敵だった。
2)今日2回目鑑賞。アルメニア人コンビのトロスとガルニク&ロシア人用心棒イゴールが登場してからの場面もこんがらずに見ることができて、色んなこと考えた。アメリカの東海岸と西海岸の真逆の天候。アニーを囲む色彩;赤や青や黒。そして年齢;イヴァン21才、アノーラ23才、イゴール30才。20代は快楽や笑いが沢山、悩みと苦しみも沢山あって辛くてしんどい。30代になると少し楽になってメチャクチャ度合いはだんだん低くなっていく。重要な登場人物3名全員にさり気なく年齢を言わせる映画ってそうないかもしれないと思った。(2025.03.13.)
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(2025.03.03)
ANORAいっぱいアカデミー賞とりました❗️
作品賞:ANORA❗️
監督賞・脚本賞・編集賞:ベイカー❗️
主演女優賞:アノーラ=マイキー❗️
おめでとうございます
ドラ息子に翻弄される者たちの、ほんのわずかな共感
ストリッパーと御曹司の許されざる関係の映画かと思ったら、そもそも恋とか愛とかこの世にありましたっけ、とでもいうような苦い話だった。
第1幕。主人公アノーラは金持ちの若者イヴァンの玉の輿に乗りたい、イヴァンのほうはロシアに帰りたくないからアメリカで結婚したい、という打算でスピード結婚。ロシアの両親にバレるとイヴァンは逃走し、あっけなく画面からも姿を消す。
第2幕。代わりにアノーラの前に現れたのは、両親に代わってイヴァンのお世話をするアルメニア人の男性3人だ。イヴァンを探すという目的のためにアノーラと4人で珍道中を繰りひろげる。ここで映画にぐっと活気が出てくる。
しかし第3幕、イヴァンやその両親と結婚を取り消すシーンはとてもあっけない。イヴァンがしれっと手のひら返ししても大した怒りを見せないアノーラ、両親相手に裁判を起こすという威勢の良さもやがてはしぼんでいく。
結局、住む世界が違うということなのだろうか。アノーラが感情をむき出しにして取っ組み合い、本音を漏らすのは、むしろアルメニア人たちやストリップ仲間なのだ。ちょうど「金持ちに翻弄される身分」どうしで共感しあうように。
しかしその関係のなかにも温かさはなく、傷つけあう様子が痛々しい。(最後まで寄り添ったアルメニア人をレイプ犯呼ばわりまでする必要、よくわからなかった。)
エンドロールには音楽もなく、白黒の画面でスライドショーみたいなスタッフロールが映されるだけ。「娯楽大作」のようなポスターから、いったいこういう結末を予想した人がいるだろうか。
(追記)以上のように結構皮肉な映画だと思うのだが、それにしてもいろいろ無理がありませんかね。
あんな両親なら「ストリッパーと結婚」で驚く以前に、息子がアメリカで遊ぶ間、24時間監視役を付けて見張っているのでは。
アノーラを強い女として描くなら、ちょっとイヴァンに対して無防備すぎる。
唯一「人の心」を持つアルメニア人も、御曹司に対し「彼女に謝るべきだ」とか、ちょっととってつけたような感じが。
🏆今年のアカデミー賞5部門受賞って凄いなオイ🏆
ストリッパーの話が今年のアカデミー賞の主要部門独占でしたね🥳R-18でストリッパーが大富豪のバカ息子と結婚する話でカンヌパルムドール作品?一体なんなの?ってところからのスタートなんですねえ🧐🤨
そもそも定番の王道ハッピーエンドを求めるならほぼアウトな話です🤣(共感至上主義者には1ミリ足りとも面白く無い内容ですがラストの後に幸福が訪れる可能性はあるんだよねえ🥹)
結局観る人ってストリッパーや大富豪の息子とか近い存在で居ないしかけ離れた世界の話だからイマイチって意見はかなりあると思いますよ!
この作品てクズを見せる作品なんだけど韓国作品とかにある一部のハードで超絶嫌〜なあの感じに一切ならないってのが(アノーラを拉致するシーンとか散々笑ったけど演出次第ではアノーラを思いっきりブン殴って言う事聞かせたりバカ息子の母親がアノーラに詰め寄るシーンも最高に嫌な気分になるような言い方とかの演出に出来たはずですから🧐)自分は逆に新鮮で粘着質なドロっとした感じがゼロって監督の作家性なんでしょうね👍(だからこそラストのあのシーンが効いてくるんすよ✊🥹)
あとファッ〇のシーンが何回もあるんだけど不思議なんだけどアッサリサッパリしていてエロさが全く無くて🙅♀️🙅♂️❌単なるワンシーンて感じでみれましたね👀🙁
この作品は没入間が凄まじくてパーティや人を探すシーンなど完全に体感型の映像でその場にいるような臨場感で(パーティシーンも実際にその場にいるような臨場感と人探してる場面とかかなり色々探し回るから観てる観客も疲れるし探す場面で中だるみみたいになるのも計算されていますよアレは!(何件探しに行くのよ?って思うくらいしつこくやってる時点で間違いなく確信犯ですね)という訳で体感させるのが相当上手いです😵💫)マジで4dxに向いてるツイスターズ🌪️や1917レベルの映像だったよ🥰(つうかマジで4dxでやれよって思ってしまったしファッ〇シーンで4dxがどうなるのか実に興味深いですね🤔)
あと笑わせるセンスが神で前半のバカ息子の仕草や刺客が送りこまれてからの一連のカオスな展開が超面白くて笑い過ぎのせいで異常に疲労しましたよ😂🤣(他の客がピクリとも笑って無いのが逆にめちゃくちゃ怖かったし🥶)
結局金がある超ドクズより金なんて無くても人としてまともで気をちゃんと使える人の方が良いよねって言う内容なのも良かったし役者の演技も細かい微表情とか凄いし‼️
ここが凄かったポイントなんですがオチの演出がめちゃくちゃ強いです💯(エンドクレジットも含めて凄いですよマジで✊)最後のあの家🏠でのアノーラとイゴールの会話と🗣️指輪の件と最後にアノーラが泣いて(あそこで抑えていた感情が一気に爆発するんだよねえ🥹)画面が暗転して静寂の中でクルマのワイパー音のみでのエンドクレジットでその後シーンとする流れなんですが💥(前半あれだけうるさかったのに静寂で終わるって中々凄いですよ!普通なら最初がうるさい映画ならずーっとうるさいまま最後まで行きますから)マジかよ‼️凄え終わり方考えついたな💥監督パネえなオイって唸らされましたよ💥(ラストの神具合はパストライブスに近いかも)
結局ラスト10分を凄いと思うか何も思わないのかが評価の分かれる境界線じゃね⤴️⤵️
あと体感時間が短く感じて(139分の作品なのに90分を切るくらいに感じましたよ)テンポが良くて前半の若さに任せて遊びまくってヤリまくる部分のカメラの躍動感のあるスピーディーな動きと 後半のカメラの動きが全く違っていてアノーラの心情に合わせたカメラの動きになっていてそこも見事だったし(カメラワークの変化がめちゃくちゃ面白いしカット割りの前半の速さと後半のゆっくりした感じで全く違う映画ってくらい違いがあって編集も凝ってるんだよなあ)まさかのアイツとの話でオチにするとか全くこちらは考えて居ないから展開としては読みずらいし最初から最後まで楽しく見れましたよ!
まあ結局はあのバカ息子とバカな母親以外はそこまでズレたバカは居なかったりするんですねえ(お父さんがバカな母親と息子の事で死ぬほど笑ってるシーンに悪意しか感じられ無くて超良いシーンだと思いましたよ😂🤣
あと送り込まれた刺客たちが実は悪い事は一切して無くてアノーラが大暴れして逆に被害者って展開も(バカバカバカ息子に今まで散々振り回されていて可哀想🥹)良くできていたしカンヌでパルムドール作品になったのも納得の脚本と映像でしたが人に勧める時に簡略的に伝えずらい内容ですがこれは観て感じてもらうしか無いと思いますよ🔥(アカデミー賞のノミネートも6つくらいされているので色々と楽しみではありますね😇)(追加しますがアカデミー5部門受賞したから書き足してます)
最後に一言🗣️イゴールがめちゃくちゃ良い味出していて最高だったで(あんなに美味しそうにハンバーガー食べるシーン見た事ないし🍔)🥹😘🫡映画を観る前にオチで途中から出てくるイゴールが最高ってなるとは普通は思わないと言うか そうなるって予想とか不可能でしょ☺️
結局映画祭で賞🏆をとる作品は観客がどう思うのかは別として映画としての質が高いんですよねえ(質の高さと面白さが比例してない関心領域みたいな作品もあるんですねえ)
アカデミー効果で週末とか劇場に殺到するだろうけど
観る価値あるしみんなの高評価の信頼度も高いし手堅いとおもいますよ✊カンヌとアカデミーの主要部門を取った記念に4dxでの上映やるしかないですねローソンユナイテッドシネマ🎥は🫡(この監督の過去作品みますわ✊)
頑張れ、アノーラ‼️
ニューヨークでストリップ・ダンサーをしているアノーラは、職場でロシアの富豪の御曹司であるイヴァンと知り合い、「契約彼女」として彼と過ごすうちに、衝動的に結婚してしまうが・・・‼️「プリティ・ウーマン」のようなシンデレラ・ストーリーかと思ったのですが、全然違ってました‼️この作品は、一人の女性が己の幸せを勝ち取るため、様々な障害を前に全力で奮闘する映画‼️そしてそんな主人公アノーラを全力で応援したくなる、人生賛歌な映画‼️映画はアノーラとイヴァンが知り合い、二人でパーティー、ショッピングなど贅沢三昧の末に衝動的に結婚してしまうまでの前半と、イヴァンのアメリカでの世話役や両親たちなど、二人の結婚に反対する者たちとのドタバタが展開する後半に分けての構成‼️前半はアノーラの仕事ぶりや、イヴァンとの贅沢三昧の日々が、音楽や華やかな映像でPOPに展開‼️ギリギリの生活をしながらも、活き活きと人生を楽しんでるアノーラがホントに魅力的ですね‼️そしてイヴァンとの出会い‼️最初は明るく誠実なキャラだったイヴァン‼️ところが後半、両親がアメリカに来ると知ったイヴァンの変貌ぶり‼️甘やかされて育ったワガママなだけのクソガキだと分かった時、アノーラはイヴァンとその両親、そしてその腹心らを相手に、自らの幸せを摑もうと宣戦布告‼️階級差別や職業差別、偏見といったモノに必死で抵抗するアノーラ‼️物語の根底には、そんな深ーいテーマがあって考えさせられます‼️そしてそんなアノーラに寄り添う腹心の一人、イゴール‼️アノーラは、愛、不信、怒り、裏切り、戸惑い、安らぎといった様々な感情を経て夢破れる‼️ラスト、車の中でイゴールに跨がって泣き崩れるアノーラの涙は夢破れた涙か⁉️それともイゴールという存在を意識し始めた涙なのか⁉️アノーラの夢が別の形で実現するんじゃないかなぁと思わせられるステキなラストでした‼️
笑えなかったが、たぶんコメディ。
あるヌードダンサーが、店に来た若いロシアの金持ちのボンボンと恋人契約?することから始まるドタバタストーリー。
私は波長が合わなくてほとんど笑えなかったんですけど・・・・たぶんこの作品は欧米じゃコメディ作品なんだろうな、と思います。
激昂した綺麗なお姉さんが大口開けて日本でいう放送禁止用語に当たる下品極まりない言葉(笑)をひたすら連呼するのは、もしかしたら笑い所だったのかもしれませんが、ソフトに上品に日本語字幕化されちゃうからいまいちニュアンスが伝わりませんでした。
主人公のアニーは、ボンボンの恋人として狂喜乱舞、酒池肉林(笑)の豪遊の末、降って湧いた様な幸福?を掴むわけなんですけど、途中から嫌な空気になってまるで決まり事の様に転落していきます。おそらく笑うべきシーンは沢山挿入されてはいたんでしょうけど、彼女が足掻けば足掻くほどなんだか可哀想で切なくなってきちゃいました。
アニーを演じた女優さんはシーンごとにその表情を猫の目の様にクルクル変えて時に愛らしく、時に凶暴でもあり・・・良い脱ぎっぷりも含めてかなかなか素晴らしかったと思います。
では。
ラスト10分の凄み
前半1時間くらいまでは無駄に長いし、無暗に騒がしい。
というかしつこいくらいにうるさい。
と思ってたのに、ラスト10分に凝縮されたアノーラの心情表現に、ガツンと持っていかれました。
ストーリーだけなら200字もかけずに語れるほど。
たとえば、こんな感じ。
「ストリップダンサーのアノーラが、気まぐれに遊びに来たロシアの大富豪のバカ息子と意気投合、1週間の専属契約を結び、セックス三昧の勢いのままラスベガスで結婚。お互いに本気だと信じていたのに、体面を重んじるバカ息子の親の介入で結婚はご破算に。アノーラのやり切れない涙の原因は、果たして、彼の裏切り行為への怒りなのか、自分本位な大人たちの介入に対するものなのか。」
20代前半の幼くて危なっかしい恋愛とか、悪友・親友たちとの度を超したやんちゃな遊び……良識ある大人からすれば、本当に馬鹿げていて、くだらない時間にしか見えない。
でも、誰にもなかったことにはできない。
自分たちにとってはかけがいのない、みんなが本気で楽しんだ時間。
〝確かにそこにあった〟何かを〝無かったことにしてしまう〟権威者たち。
学校でも、会社でも、集団があれば必ずそこには権威をもった人間がいて、何か問題があれば、立ちどころに元々なかったものとして解決してしまえる人たちがいる。
自分のことなのに「無かったことにする」行為に加担してしまったことへの怒りと悲しみとふがいなさ。その他諸々のやるせない感情がラスト10分で怒涛の如く、こちらの胸に入り込んできます。
前半とは打って変わって、騒がさしさを排除した無音のエンドロールが、とても余韻に残ります。
アニーが魅力的
ストーリーはシンプル。
でもアニーが魅力的で共感できるキャラなので、応援したくなる。
男性からみてもそうなので、女性ならなおさらでは?
観客の誰しも期待するような大逆転というか、相手をギャフンと言わせる瞬間は残念ながら訪れないのだが、それがこのシンデレラストーリーという究極のファンタジーにとって最大の「現実」ということ。
それが切ない。
アニーが彼氏の母親をギャフンと言わせる、言い負かす瞬間が見たかったなぁ。
でもまあ、「夢の世界に行って、戻って来る物語」と捉えることも出来る。
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