ANORA アノーラのレビュー・感想・評価
全472件中、201~220件目を表示
これが作品賞かぁ
面白くなくもなかったけど、結構予想通りでしたよね。
アニーは別に愛があったわけではなくて、乗りかけた玉の輿と、ミエ、プライドから引き返せないだけだと思います。ラストは本当にイヴァンと愛し合って幸せな人生を送れたら、、、という夢を見た自分への哀れさと、イゴールへの優しさに対してアニーが出来る代償の払い方だったと思います。ビジネスだけの関係と分かっていたはずなのに、、と。だってイヴァンの良いところって何も描写がなかったしね。
そこそこ面白かったし、役者も良かったのですが、ショーン•ベイカー作品ですから、個人的にもう一歩足りない感じでした。オスカー受賞というのもちょっと驚きです。もう少しアニーの内面や、生い立ちを描いてくれればもっと理解できたのかもしれないなぁ。
裏プリティウーマン
アカデミー賞作品としての評価は理解できなかった
私にも、そこそこ映画を見る力はついてきたと思いたかったが、本作をアカデミー賞級の作品として理解し評価することは私にはできなかった。
まだまだ、未熟者であると思いつつ、まだまだ映画を楽しむ伸びしろがあるのかと思うところ。まぁ、そう難しく構えて映画見るのも何ですが。
さて。
本作の画づくりは好きであり高評価ですが、音・役者などなど普通に感じました。主演女優賞というのも・・・。
作品賞も何故になのか分からなかった。言語をロシアに設定したことや金持ちをアルメニア人としたあたりに、強烈な風刺が効いているとかなのだろうか?分からない。
映像 ★★★★ なんか良い
音 ★★★ 悪くないが特に印象にも残らない
物語 ★★ うーん、ちょっと
役者 ★★★ 悪くはないが、これがアカデミー級なのって感じ?
編集 ★★★ 変な物語ながら飽きずに観れたのは編集の力か
粗さ ★★★ 粗々だと思うが何故か気にならないという不思議
総合 3.2
画は色彩も含め良く、見飽きず、全体としてつまらなかった訳でもない。
しかし、私的には2018年の「シェイプ・オブ・ウォター」をアカデミーが評価したのに続き、ちょっと分からない作品でした。
納まらない
貧富差からの幸せの結婚、だがリアルな権力は残酷
身体を売る娼婦のアノーラことアニーはアメリカ旅行のロシアの大富豪の長男との出会いで、たった数週間で旅行先のラスベガスでゴールイン。前半までは順風満帆、だがしかし現実はそう甘くは無かった。
結婚は当然ロシア側の親にも伝わり、その側近であるトロスはアメリカで教会勤めをしながら長男の結婚について破棄するよう親から告げられる。ガードマンの男2人を連れトロスは長男説得に向かうも長男逃亡、アニーは離婚させようとするトロスらに反抗するも逃亡した長男を探しに4人で夜中まで街へ捜索へ。個人的にここのパートが1番面白い。アニーの心情もさることながら、道中レッカーされたり仲間に嘔吐されたりのトロス、ガードマンの2人もアニーとの衝突でくたびれており、狭い車内はカオスで面白すぎる。その後長男を発見するも、ラスベガス婚のため合流した大富豪両親と共にラスベガスへ。向こうの母親は当然のことながらアニーを嫌悪し、最終的に敵対するアニー。
最後にはガードマンの1人イゴールさんの協力のもと、結婚前の日々に帰ってゆくのだった。
このイゴールさんもアニー側についてくれ、無償の愛情で慰めるのは当初お金目当てのアニーにとってどうしようもならない悔しさと虚しさで終わるラストでした。
カップル爆誕→爆散 映画NO1
アニーと呼ばれたいアノーラ、そこに本質があるのかな。
ロシア系大財閥のボンボンに見初められた娼婦・アノーラの、どん底人生一発大逆転の、でも鼻につく金満的シンデレラストーリーな前半と、高みに高まったところから急角度で一気に叩きつけられる後半の落差に、胸が躍ってしまった。アニーごめん。
まー前半のこれでもかの嫌味な描写は、この落差を楽しませるためだよなーと思いつつ、アノーラの強欲で傲慢な振る舞いもあって、そりゃーこちらとしては大財閥の両親の肩を持っちゃいますよ。
でもね。
ラストシーンの「これおばあちゃんのお下がりなんだ」からの流れで一変。この落差は、「単に上がった分だけ下がっての元の場所に収まった」のではなくて、数世代を重ねても「這い上がることができない冷酷な現実」を描いたものなんだな。
そう。あのボンボンの母親への取り入られようとする強引な態度も、厚顔無恥ではなく必死の表れだったわけだ。
不器用だけど心優しいロシア系チンピラの抜け出せていない境遇に、慰め合うが故にアニーの心が折れる様は、救いがなくことごとく切ない。
タイトルなし(ネタバレ)
これで今年のアカデミー賞助演男優賞にノミネートされたもの全部観ましたがこの映画のイゴール役のユーリ・ボリソフをはじめノミネートされた人全員素晴らしく、もし年度がばらけてたら各人受賞出来るのではと思うほど。
車のワイパー音だけが響くラストシーンからの無音のエンドロールだけで5億点の映画だった。
長さは半分でいい
女性のための女性の作品
[60代男です]
前半は、若い二人がひたすらセックスしては贅沢な暮らしを満喫しているのを見せられるだけ。そのセックスも、愛し合う恋人同士のものではなく、娼婦がお金をもらったお返しとして男を喜ばせるためにやるセックスだ。
この前半は退屈。
中盤、バカ息子が勝手に結婚したことを知った親が激怒し、別れさせようと手先を送り込んでくる。その手先3人が現れたとたん、なんと男は妻を放り出して一人で逃げる。
そこから主人公が手先3人と一緒に、ひたすら男を探しまわるだけなのが後半。
この後半も退屈。
そして終盤、男を見つけ出し、男の両親もやってきてから急に引き込まれて観れた。ここから結末までは面白かった。
この終盤がなければ、正直、僕にはまったく楽しめなかった。
観終わって、一番に感じたのは、これは一貫して女性にストレスを感じさせないという姿勢で作られた作品だということ。
それは女性のための女性の作品だからだ。
気性の荒い主人公の感情だけを追って物語が進み、それに対する敵対者の正体も女性だ。
結婚相手の男すら後半になると姿を消し、その男も、一族の手先たちも、主人公の周囲で主人公を振り回す脇役たちみんな、結局は最後に出てくる母親の意志で動かされている駒にすぎない。
自分の感情で、自分の意思で、自分のために主体性を持って行動しているのは、主人公とこの母親。あとは主人公をイビる同僚もだが、なんにしても全員女性だ。
劇中では男の一族が主人公をこばんでいるかのような印象を与えているが、もし母親が主人公に好意的であったなら、普通にハッピーエンドになる話なのだ。
父親のほうは主人公の言動に気持ち良ささえ感じているふうなシーンさえあった。
そして幼稚な精神で主人公を苦しめるバカ息子も、この母親が生み出した存在なのだ。
つまり本作は、主人公の女性が、別の女性が支配する世界の中で翻弄され、あがき、対決する物語なのだ。
男たちはみな、その敵対している女性が支配する世界の一部でしかない。
考えてみれば、前半でしつこいほど繰り返される二人のセックスも、通常の男主導のラブシーンとは違い、受け取ったお金の対価として受け身の男を喜ばせるために能動的に行う、女性が支配するセックスだった。
うんざりするほど具体的なセックス描写をするのに、レイプはもちろん、女性がいやいや行うセックスは出てこない。
お金のための場合でも、不快さを耐えたりするような演出はカケラもなく、女性たちは楽しんでやっている。
暴力的なお客どころか、女性に屈辱的なこと、不快なことを強要する男も出てこない。
日本で風俗店を舞台にした映画を作ればそういう描写が中心になるのとは正反対だ。
僕は男なので断言はできないが、現実世界だと、いくら男女平等と言っても腕力で勝てない女性は、二人きりの空間で目の前に迫られたりすれば確実に心理的なストレスがあると思う。
本作はそういうものが一切、排除されている。
男の女性への暴力が出てこない。
それが一番表れているのが、中盤の、押しかけてきた手先たちを相手に繰り広げる主人公の乱闘シーンだ。主人公は殴る蹴る噛みつくとやり放題に暴れるが、男の側は押さえつけようとするだけ。ひたすら痛い目をみるのは男のほうだけだ。
いくら傷つけるなと言われていたからと言っても、顔面を足の裏で蹴られて鼻の骨を折られたなら、男はカッとなって相手の顔面を殴り返すだろう。しかし本作では、痛がって情けない顔をするだけだ。
この現実とは違う描写も、女性にはストレスなく映画を楽しめ、現実では味わえない解放感すら感じる部分ではないだろうか。あくまで男の僕の想像だけどね。
主人公は常に、まったく我慢などすることはなく、言いたいことを言い、やりたいことをやり、自由に思うままに行動する。これほど伸び伸びとした女性主人公の作品ってちょっとないかもしれない。
ここがアカデミー会員たちの心に響いたのではないかと思う。
一族の3人の手先の中の一人が主人公を見るまなざしに、観客の目を誘導していく終盤が良かった。
離婚が成立し、主人公が相手親子と最後の別れのとき、その手先の一人が脇から初めて雇い主に意見する。息子は謝るべきじゃないかと。ここが一番の見せ場。僕にとってはね。女性から見れば違うのだろうが。
それに対して息子が反応する前に、母親が絶対に謝らせないと宣言する。バカ息子は母親の所有物にすぎない幼児なのだ。とても一人の男として、自分の選んだ女性と結婚できるような人間ではないという、主人公にとって絶望的な現実を再確認させる。
ラスト、主人公が、自分に好意をよせてくれる男を相手にしない態度だったのもリアルで良かった。たった1日で気分を切り替えられるほど裏切られた主人公の心の傷は小さくないのだ。
二人の間にこの先、進展があるのかどうかは分からない。安易にくっつけて終わらせていたら、主人公の感情にリアルさがなくなっていたところだった。
本作の主人公は、作者の都合で気持ちが操作されているような作り物っぽさがない。
感情がリアルで、本当に生きている生身の人間に見えるのがいい。
役者が演技しているということが意識から消えて本当のことを見ているかのように楽しめた。
追記)
ラストシーンの意味が分からない方のために解説
主人公は心の中はまだ愛した男のことでいっぱいで、他の男など相手にする気持ちになれないが、目の前の男から、金銭的にも重大な恩をもらったので、それまでやってきたように、対価を体で返しはじめる。
行為の最中に男からキスをされそうになる。
結婚前までなら当然、キスなどお金を払ってくれる相手とならいくらでもしていたが、結婚したときから相手は愛する男ひとりだけという気持ちになって過ごしていたため、キスはしたくなかった。
キスを拒んでいるうちに、自分が唯一、愛情を込めたキスをする相手、その愛する男はもういないこと、その男の方には愛などなかったことが頭の中によみがえってきて、たまらずに泣き出した。
おしまい。
ラストシーンの主人公の心情が複雑すぎる
アノーラはとても頭のいい女の子。離婚と婚姻無効の違いも分かるし、法的問題では弁護士を要求する権利があることも知っている。
クズ男のために勝てない争いをする必要もない。1万ドルもらって、自分を好きになってるおじさんを頼った方が効率がいいに決まってる。
こんなことは全部分かった上で、手に入れかけた夢のような金持ちの生活をあきらめきれない、子供でも大人でもない23歳のアノーラが見事に描かれている。
このジャンルの映画を普段観ないので、過去作との比較はできないけど、主人公の心理がシーンごとに移り変わっていく様子が見事に表現されていて、間違いなく名作といえる映画。
ここまで丁寧に描いておいて、ラストシーンは主人公の心情を観客にゆだねているのが印象的で新しい。
ざっと挙げてみると、
①真の愛に出会えた安藤(たぶん違う)
②手に入れかけた夢の生活への未練
③現場の生活に戻ることの苦悩
④新たな相手をつなぎとめる為に、結局セックスに頼るしかない不甲斐なさ
いろいろ考えられるけど、自分の人生経験では最後の主人公の心理が分からないので、星四つ。
もらい泣き・・
最初、この映画のサブタイトルかと思った「BITTERS END」は配給会社でした♪・・・。
シリアスでもあり・・ドタバタコメディーの要素もありの・・R-18のオスカー作品賞映画♪
成金のボンボンは、どこの国でも似たようなボンクラなのでしょう・・。
イゴール役ユーリーボリソフさん、助演男優賞ノミネートに相応しい、素晴らしい表情の演技♪
表情の一挙手一投足に、イゴールさんの真の心の内が滲み出ているようで・
アニーがプライベートジェットに搭乗拒否した時の繊細な表情など・・♪
ラスト・・やはりそういう人でした♪
もう「プリティウーマン」や「シンデレラ」は、おとぎの国の話なのかもね・・・。
本当に悔しくて悲しくて・・そんな時は・・あのように号泣するのでしょう・オスカーの主演女優賞も納得のシーン
・・心中思い計って、思わずもらい泣き・・
パリ五輪の、阿部詩さんを思い出しました。
でも・・涙を受け止めてくれる人がいて良かった・・。
ハリウッドも色々と問題もあるでしょうけど・・アメリカのショービジネスの懐の深さを感じ取れる映画でした♪
タイトルなし
ひとつの映画にふたつの物語があるみたいだった
アニーことアノーラの仕事、出会い、享楽にふけるだけの日々、結婚…
ここまででひとつの夢物語
そこに当然現れる現実
その現実を連れてくる人々
ここからもうひとつ
その日々の元資金はどこから?と考えるまでもなく、そこ抜きではその先はない、という現実がやってくる
とはいえ、予想よりコメディだった二幕目の役者が出揃い始めてのしばしドタバタ劇
予想を裏切ることのない御曹司の御曹司っぷり
分かってたけど、どうしようもないわ、こいつ(笑)
ただ、アニーがたくましいし、賢い
若さ故の現実見えてない部分はあっても、あの状況で、あのたくましさ、弁が立つ抵抗っぷり
そして、エンディングへ向かう心の動き
ダイヤモンドの嫉妬がうっとおしいくらいだけど、アニーも見えてなかったわけではないんだろうな
だから、余計に腹立ったんだろうな
そんなことも分からないバカな小娘ではない
でも、しばし、夢を見たんだろう
両親出て来てからのアニーの様子は見ていて切なくなるし、腹立たしいし、、
けれど、ちょいちょい啖呵切ってくれるとこがよい
しようもない親、しようもない息子
イゴールが、なにげにこの人、悪い人じゃないよな感があったけど、いいキャラだったな
ラストのラスト、そう終わったかー
ワイパーの音かー
オープニングとは真逆な静かで色のないエンディング
なんだ、これ?
めちゃくちゃ面白いじゃないか!!!
前半エロ後半コメディの傑作
2025年劇場鑑賞74本目。
エンドロール後映像無し。
アカデミー賞獲ったというので、堅苦しい陰鬱としたストリッパーの映画かと思いきや、まぁ前半はエロエロで、いや脱いでダンスで満足できるなんて皆さん紳士だね、と思ってたらやっぱり裏オプションがある子もいますよね。主演の子がとにかくエロかわいくて、ベッドシーンも何回も出てきます。シーン自体は短いのですが、もうなんかおつまみ感覚で随所に提供されます。ぼかしが入るような野暮な撮り方はしていなくて、なんかこううまく見えない感じでパンパンパンという流れです。
このまま肉欲に溺れた感じでいくのかな、と思う頃にロシアから送られたずっこけトリオの登場で一気にコメディになります。みんなハゲ頭のイゴール君に頑張れ!くじけるな!と声援を送っていたのではないでしょうか。
シンデレラ
シンデレラが一番好きと話すアノーラ。
派手な結婚を祝うドレスと笑顔。
その後ろには華やかな花火が短い瞬間にも見える。
毛皮を本物かどうかも分からない。
最後に残ったのは心の傷と顔の傷。そして涙。
切ないシンデレラになった。
滅茶苦茶な行動に出るが彼女の前に出てくる
キャラクターは全員、愛おしい。
監督が愛を込めてるのだろう。
Fの言葉が半端無く多かった。
まさかの479回もあるとは笑。
あの赤いスカーフ。
口に巻かれた後は、お洒落なマフラーに。
アノーラがイゴールにかけた毛布も赤。
まるで彼女の生きざまと生きる象徴の赤色。
似てると思ったら、イゴールはコンパートメントNO,6のの方だったのかぁ。
ユーリー・ボリソフ覚えておきます。
タフでクールで破天荒なアノーラ。
彼女の負った傷を寄り添うイゴール。
彼の愚直な男のさりげない優しさは素敵。
降りしきる雪の冷たさと優しさが
入り交じって、やっと泣けて良かったね。
また沈黙のエンドロールが涙をそそる。
なぜこんなに評価が高いのかわからなかった
長い
見る気ないけど、どんな話か知りたい方の為に、令和版プリティウーマンのバッドエンドverです。
正味45分もあれば完結する話なんだが、無駄にセックス描写が多くて、散々擦り倒されてきた話だし。
パパ活女子の金銭感覚バグらせるために豪遊させるおっさんの話思い出した。
道楽のために人の人生を振り回して何とも思わない人間なんてざらにいるしなぁってなっちゃって、、全く良さが見出せなかった。
うんうんほんで?って話だと思う。
40分くらいであの話描いて残りの60分でその後のアノーラを描かないと令和の時代ではあのままで別にいいとか何も変わらない現実とかも描かないときちんと理解できる人少ないのでは?という気がしてならない。
良い意味で期待外れ
「期待外れ」と言う言葉が適確かどうかは分かりませんが、正直なところ、鑑賞前の想像を大きく越えてきました。ありていな言い方をすれば「最高に面白い」でした。
予告編、チラシデザイン、宣伝文句から想像していたのは、1人の女の子の華やかなサクセスストーリーを描く「プリティ・ウーマン」ぽい内容かな、と。ただし「シンデレラストーリーのその先の〜」というのが、私自身の貧困な想像力ではとても思い描けませんでした。
実際鑑賞を始めてみると、これは思った通り、普通でない(?)女の子がでてきて、金持ちのアホボンボンと恋仲になり、ボンボンの友達も巻き込んだ「パリピ」な様子が映し出れていきます。
私にはその「パリピ」なシーンがやや冗長に感じられ、途中から少し飽きてきていました。まさか、このままパリピなシーンが延々と続くはずがないよね?何かが起こるよね?何が起こるのか分からないけど…と思っていたら、アホボンが逃げ出した辺りから急にアクセルを全開したかのように、俄然目が離せなくなりました。
怪しげなお目付け役の牧師と、一見コワモテのその2人の部下が絡んでくると更に面白さのスピードが加速します。なぜかと言うと3人のキャラクターが見た目と違いとても魅力的だからです。
牧師なのにマフィアみたいな雰囲気で、言葉の悪さと脅し文句も筋金入り。部下もいかにも何のためらいもなく暴力を振るいそうで、特に若い方(イゴール)が何をしでかすか分からないような不気味な雰囲気を醸し出していました。
わ〜、これは女の子がボコボコにされる陰惨な場面が出てくるのかな?嫌だな、と思いながら観ていたのですが、ボコボコにされるどころか暴れ放題、叫び放題の女の子に3人ともタジタジで、むしろ3人のほうが可哀想に思えてくるぐらい。鼻を折られたり、サイコ呼ばわりされたりそれはもうめちゃくちゃ。それでも、キレることなく女の子に暴力を振るったらだめ、という彼らの出で立ちにしては謎(?)の信念があるようでじっと耐えてる姿、特にイゴール君がとても印象的で気になりました。
実際、女の子ともうひとりの男が言い合ってるシーンでも、なぜかイゴール君にフォーカスが当たっていたりと、何かを匂わすようなシーンはありました。
すると本当にイゴール君がキャラ立ちし始め、おとなしいのかと思っていたら、聞き込みをしたお店を容赦なくバットでぶち壊したり、女の子を常に気遣うような素振りも見せ、本当に途中から彼から目が離せなくなりました。とにかく、彼のアノーラに対する眼差しがとても優しい。
またおばあちゃんの話しを時々したり、もうひとりの仲間のために薬を持ってきたりと、何かしら行動や言動に生真面目さがにじみ出ている。
とにかくいいキャラだなあ、と思ってたら、案の定最後においしいところをもっていってしまいましたね。
彼を絶讃していますが、牧師ももうひとりの仲間も憎めない愛らしいキャラで、アホボン探しの夜間珍道中は笑いっぱなしでした。
アノーラもなかなか強烈で憎めなかったですが、それに勝るとも劣らず、他の人たちもとても魅力的で良かったです。
変な例えですが、ボケとツッコミがバランスよく描かれた何か壮大な「吉本新喜劇」みたいな作品でした。
今回は数少ない女性のフォロワーに見捨てられてしまう男の本音を語るぞ❤️
監督のアカデミー賞の、映画館で映画を見る体験は必要だ!という発言に感銘を受けて、片道二時間半遠征して鑑賞したのすけ。
監督が色んな人に感謝していたけど、セックスワーカーにも感謝をしていて、
公の場で珍しい事言うなぁ?確か、主人公はストリップダンサーなんだから、いわゆるシモの世話はしないだろ?
と、思っていたのだが、あっちのストリップって、間近で見た踊り子を選んで、チョメチョメできるんだぁ?
日本みたいに、パネマジ( 分からない人、ググれ!) で、写真のおにゃのことは、全く別人が出てきて、店員に抗議するも、返金は出来ないと突っぱねられて、何度、枕を濡らした事か。
更に俺が体験したパネマジは、出てきたおにゃのこが、何と小人で( あまりにも、恐ろしい思い出なので割愛)
さて、ストリップダンサーのアノーラだが、客のロシア人のゲスい金持ちの若造に専属契約を持ちかけられて、値段を吊り上げたりする。
金持ちからしたら、一発ごとに料金が掛からなくて( まぁ、お下品!) サブスク感覚、料金定額で、やり放題だか( 酷すぎるので省略)
ここから、しばらくパリピ共の乱痴気騒ぎが展開されて、ウンザリしてくる。
また、こいつらが発情期のハムスターや、ウサギの如く、ヤリまくる。20分くらいヤリまくる。もう、ウンザリしすぎてぐったりしてくる。
おい!監督!あの感動的なスピーチは何だったんだ?
まだ、この時は、只の太客だったのだが、何やかんやあって、その場のノリでラスベガスで結婚をする。
さー、問題はこれからだ。プリティー・ウーマンのリチャード・ギアは自分のチカラで稼いでる金持ちだたが、このロシア人のガキは豪邸に住んではいるものの、名義は父親で、高級車も本人の持ち物ではない。つまり、こいつには何も無い。
そんな、ヒロシに騙されたアノーラは、当然、ロシアの両親に結婚を大反対される。そして、アノーラのなかった事にする為に、父親の手下の番頭さんと、屈強な二人の殺し屋にしか見えない男がやってくるのだが...。
極真空手の故・大山倍達総裁の名言、
アメリカには、バレエダンサーとは、喧嘩はするな!という、ことわざがある!
との発言の通り、自分を取り押さえに来た屈強な男二人と番頭さんをアノーラがジェイソン・ボーンのようになぶり殺しにするのだw
もうね?アノーラが強いったら、もう!圧倒!
ようやく、はげちゃびんの男がアノーラを後ろ手を縛るも怯む事無く、FUCK、FUCK、と言いながら、もう一人のヒゲのオールバックの男の顔面を両足でドロップキックをかます。
おい!監督!面白いじゃないか!?
オールバックの男は、
鼻が折れちゃったー!冷やすモノが無いよー!
と、喚きまくる。あまりにも、痛かったので、冷蔵庫から冷やすモノを探して、冷やして、ようやく落ち着く。
この乱闘シーンは10分くらい続き、全員が、FUCK、FUCKとタランティーノの映画よりも叫びまくる、この乱闘シーンが面白いんだよ?場内のお客さんも大笑いしてました。
ちなみに、ロシア人彼氏は、アノーラを守りもせずに逃走しています。
さてさて、逃げたロシア人彼氏を、番頭さんと、二人組がアノーラを人質にして追うのだが、ここでも喧嘩は終わるわけもなく、ずっとFUCK混じりの口喧嘩が続く。
追跡途中で、オールバックが絶妙なタイミングでゲロを吐く。お子さんがはしゃぎすぎてゲロを吐くみたいに。ここでも、お客さん、大爆笑。突然、ゲロを吐く登場人物は監督のお約束のようだ。
番頭さんは、
ふざけんな?!この車は明日、女房が使うんだ!どうしてくれるんだ!?
と、キレるw この珍道中、とにかく、いつも誰かがキレている。ここでも、客席、大爆笑。何だ?このモンティ・パイソンは?
そして、ようやく彼氏を見つけるのだが、その場所がアノーラが踊っていたあの店という事が分かるのだ。おい、どこまで肉欲まみれなんだ?おまいは?
彼氏を相手したのは、アノーラが結婚したとはしゃいでいた時に、
もって、二週間だね?
と、素敵な予言をした踊り子のダイヤモンド姉さん( 何て、源氏名だ) が、彼氏を見つけるや、速攻でパックンチョしちゃう❤️
激怒プンプン丸のアノーラは、ダイヤモンド姉さんを一発で仕留める。覚悟、完了!!
そして、一向はロシア人両親が待つ空港に辿り着く。待ち構えるは、最大の難関、悪意しかない義理の母。
当然、嫌われまくっているので、暴言のナイフで傷つけられるアノーラ。彼氏は、何も喋らず味方をしてくれない。
結婚したから、財産を半分貰う!
とアノーラは言うが、鼻で笑われる。でも、ここまで人間の尊厳を蔑ろにされたアノーラは反撃に出る。
お母さん、彼が、貴女が嫌いなタイプの女の子ばかり選ぶのは貴女が大嫌いだから、貴女の嫌がる事をするんじゃないですか?
と、人として言っちゃいけない事を言うと、母親は激怒するが、隣にいる旦那はそれを聞いて大爆笑するのだ。何て、恐ろしい光景なんだ...。
はげちゃびんも黙ってはいない。お金持ちの息子に向かって、
貴方は、アノーラに謝るべきだ!
と、その一言でクビになるかもしれないのに、息子に問いかけるのだが、それでも息子は何も言わないのだ...。
お前にとっては、只の風俗嬢だったかもしれないが、まず人間なんだぜ?職業差別すんなよ?っと、思った。
全てを失ったアノーラを自宅まで送るはげちゃびん。車内でアノーラを慰めようとするもとんからりん空回りするのだがー?
ここから、今までの前半ド下ネタ、中盤お笑い喧嘩道場からは想像できない。心暖まる二人の会話が始まるのだ。うん、これはアカデミー賞を取るべき映画だ!
散々、はげちゃびんに迷惑かけたのに、優しい言葉をくれるので感謝の気持ちを込めて、アノーラは自分の身体を差し出す。アノーラは、生い立ちが不幸だったから、他にお礼の仕方を知らないのだ。
その時、はげちゃびんのとった行動は?
その後は、劇場でお楽しみください!ありがとう!浜村淳でした!!
前半がアレなので、普通のカップルにはお勧めしかねます。乱行ばかりやっているカップルwにだけお勧め。
あと、エマニュエルの映画に絶望した人な?シネフィルは絶対に見るべき!面白いぞぉー?!
全472件中、201~220件目を表示