「リアルみとコメディの切ないハーモニー」ANORA アノーラ 石岡将さんの映画レビュー(感想・評価)
リアルみとコメディの切ないハーモニー
金持ち御曹司に気に入られた踊り子のひと騒動。
人間臭い小ドラマが軽めのタッチで描かれるSベイカーの作風に、予算と舞台(NY&ベガス)の派手さが加味されメジャーのオーラが付加した本作。
揉めてる時のグダグダ感を意図的に等身大で見せてくるのが面白くて、嬉しい。
主演の女優さんは身も心も張ってる。「コンパートメント〜」と似た様なキャラのYボリソフもずるい感じに魅力的で印象強かった。
ひょっとして、サフディ兄弟の作品とか本作とか、人間の場当たり的な混沌模様を意識的に見せていく事が今後の映画の新たな流れになるのかな。。
物語はラストの数分間の流れも素敵で、作品全体の煩雑さをストンと綺麗に落としてくれる。
コメントする