「シンデレラのその後」ANORA アノーラ かばこさんの映画レビュー(感想・評価)
シンデレラのその後
リアルなシンデレラストーリーでしょう。
玉の輿に乗って、めでたしめでたしで終わるわけがない。
絶対後から「調整」が入る。
事故にあった、命を取られなかっただけマシと思うしかない。
監督のショーン・ベイカーは、「レッドロケット」の人。
いわゆる「底辺」と呼ばれ、ひとまとめで蔑まれる人たちの、ところがどっこいな「人」としての誇りを見せつけてくれる。
新興財閥の、金だけは持っているが息子のしつけすらできない「上流階級」の人々と、どっちが下衆かと言ったら、圧倒的に金しか持っていない「上流の」方だ。
全体の7割位で誰かが喚いていてやかましい映画だが、可笑しさが漂っていてうんざりしないし飽きない。
御曹司はああいうことになると思ったんだ。
アノーラが本気で彼と結婚生活を続けられると思っていたところ、セックス産業に身を置くプロなのに、と意外だったが、彼女はうぶな少女の心を持っていたんだと気付いて切なくなった。
寡黙で不器用で、表情で語るイゴールがなんとも良い。
あの包容力と思いやりは、おばあちゃんから教わったんだろうか。
「コンパートメント#6」の好演が印象に残っていて、彼だとすぐ分かった。
世の中理不尽だが我慢するしかないことは絶対あるし、彼らはそういうことに多めに遭遇しがちだけど、それでも、自分たちなりに幸せに生きることはできる、と思えるラストは、余韻が残りました。
コメントありがとうございます。
パワー、
そして何よりラスト15分か、20分の
イゴールでしたね。
凄い好きになりました。
「コンパートメント#6」に出ているんですか?
観たいと思います。観れると良いなと、楽しみです。
ちなみに息子に甘い母親はSugar Momと言います。カナダ人の離婚率の高さはSugar Mom のせいだと聞いたことがありますw
かばこさん、アイコンのせいで男性と思われがちですが、実際男らしいですwww
>いわゆる「底辺」と呼ばれ、ひとまとめで蔑まれる人たちの、ところがどっこいな「人」としての誇りを見せつけてくれる。
まさにアノーラから「人としての誇り」を感じる映画でした。
そういうのを描く監督さんなんですね。
>どっちが下衆かと言ったら、圧倒的に金しか持っていない「上流の」方だ。
同意!「金しか持っていない」←このフレーズいい!
>彼女はうぶな少女の心を持っていたんだと気付いて切なくなった。
そう、うぶな少女の心だ。切なかった。。。
>寡黙で不器用で、表情で語るイゴールがなんとも良い。
あの包容力と思いやりは、おばあちゃんから教わったんだろうか。
なるほど!それならあの優しさも納得だ。