「ここ最近で、最も余韻に浸れた映画」ANORA アノーラ sow_miyaさんの映画レビュー(感想・評価)
ここ最近で、最も余韻に浸れた映画
いわゆる「シンデレラストーリー」という枠組みをちょっと捻って活用しながら語られる、主人公アノーラの物語。
圧倒的な貧富の格差、資本主義社会でのマネーパワーの暴力性、アメリカ内でのロシアンコミュニティとロシアとアルメニアの関係性といった大きなものから、セックスワークや非正規雇用の仕事に対する見下しや偏見、労働倫理、世代間の価値観差、親子関係のあり方、セクシャリティの違いや障害に対する蔑み、職場内の人間関係に生じる嫉妬や連帯などの一人一人の内心に関わるような個人的なものまでが、リアルかつニュートラルに描かれているが、説教くささはなく、どちらかといえばコミカルで、観終わった後にほんのり温かな余韻が残る作品。
とにかく、アノーラ役のマイキー・マディソンが魅力的だが、それ以上にユーリー・ボリソフ演じる用心棒のイゴールが渋い!
どうしたら、あのように強くて包容力のある人物に育つのか。
何より、自分はラストシーンが大好き。
ここ最近の映画では、最もエンドロールで余韻に浸れた映画だった。
sow_miyaさん
コメント頂戴しありがとうございました。
アノーラのあの地団駄と怒り、そして愛を欲するエネルギーにやられてしまって、
僕もレビューで世の中に八つ当たりして怒ってしまいました😞💦
アノーラのように自分の喜怒哀楽を大切にしたいし、イゴールのように包み込む愛の人になりたいです・・。
sow_miyaさん
共感ありがとうございます。
終わってみれば、イゴールの暖かさの映画でしたね。
全く話の展開を知らずに観て、後からクレジットを見たら
2番目とか3番目にユーリー・ボリソフですものね。
隠し玉だったんですね。
sow_miyaさん、共感ありがとうございます。・_・
レビューに書かれている内容を、作品を鑑賞する前に
理解したうえで鑑賞していたならば、この作品の評価
も違って来ていたような、そんな気がします。・-・
鑑賞後2週間近く経過したのですが、ドタバタとした
場面の記憶は薄くなってきて、ラストシーンの余韻だ
けが頭にずーっと残っている。そんな感じがします。
何とも不思議な味わいの作品だったという気分です。
共感ありがとうございます。
自分はラストにかけては、ひしひしと敗北感が広がった口でした。捨て台詞にちょいウケを貰ったものの、豪邸は明朝出て行かねばならない、優しい男の体温に初めて号泣、底辺同士・・キツさしか無かったです。
イゴール、芯のある優しさが渋くてよかったですね〜。
ラストシーンの静かな雪もアノーラの傷を包むようでいい感じでした。
アノーラも痛い経験だったけど、勉強になったんだろうなぁ。
それにしても魅力的でした。
かばこさん、コンパートメント観てないので、これから楽しみに観ようと思います。
talismanさん、そうなんですよね。遠かったソファの座り位置から、段々と近づいてくる演出とか、よかったですね(^^)
morihideさん、バカ息子の世間の舐めっぷりがエグかったですね。ラスベガスの金持ち優先のキッパリした姿勢も見事でした。
コメントありがとうございます。まともな男に出会ったことがなかったアノーラに泣かされました。イゴールに会えてよかった。イゴール、最初は無口で「たただそこに居るだけ」(観客からもほぼ見えない存在)。そこからゆっくりと彼を大事な役割にしていく監督の手腕に感動❗️
イゴール、良いですよね
「コンパートメント#6」で好演していて、すぐ彼だとわかりました。
>どうしたら、あのように強くて包容力のある人物に育つのか。
わたしもそれを思いました。
不器用で口下手なところもなんとも言えず「いいやつ」なんですよね。