エミリア・ペレスのレビュー・感想・評価
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外側分厚く、中身が見えない。外側だけで楽しめるかどうか?
麻薬王が性転換して女性として人生をやり直す姿をミュージカルで描く!
何事かと思うし、トンデモ映画になるしかないものを人の生き様として描く。
設定からして感情移入できるキャラはいないし、特に弁護士のリタの内面が空っぽにしか思えない。
エミリア・ペレスの複雑な感情の起伏、移り変わりをミュージカルという手法を使わずダイナミックに描いたほうが深みある悲喜劇になったのではないか。
アカデミー賞を取れた映画
因果は巡る
終わってまず感じたことは、因果は巡る。
麻薬組織が国の隅々まで根を下ろしているメキシコ社会の闇。エミリアの存在は、それに対する希望の光であって欲しいと思うが、一筋縄では行かない無力感も同時に感じる。
エミリア ・ペレスを演じたカルラ・ソフィア・ガスコン自身がトランスジェンダーでありながら、差別主義者であるという矛盾を抱えている。
だからこそ、マフィアの首領でありながら性転換をするというはちゃめちゃな人物を演じることができたのではないかと。
普通のセリフからシームレスにミュージカルへチェンジする斬新な演出には驚く。
それだけでなく、互いに異なる意見をハモリながら歌い上げるシーンもあり、ミュージカル好きの自分にはたまらない。
贖罪すればいいってもんじゃない。その気持ちを持っていながら迎えたラストは、呆然。
なんとも考えさられる物語でございます。
ミュージカルで本音を吐き出す
予想以上に楽しめた ミュージカル色はそんなに感じず、雰囲気タランティーノ映画の様な印象を受けた
所々ツッコミどころはあったけど、荒唐無稽で先の読めないストーリー展開にグイグイ引き込まれ、時間を感じず あっと言う間の130分、想像以上に面白かった
主人公エミリアを演じるカルラ・ソフィア・ガスコンさん、冒頭の男性の時とは打って変わって女性になってからはすごく綺麗でビックリしました、声も素敵だったし、身のこなしというか所作と言えばいいのかな、すごくエレガントに見え素晴らしかったです
そして先日の米アカデミー賞で助演女優賞を受賞したゾーイ・ソルダナさんも頑張ってました、先の見えない人生にウンザリするあまり、とんでもないリスキーな依頼に身を投じていく役を熱演し良かったです
メインの舞台となるメキシコの風景が素晴らしかった
山の裾野にギュウギュウに建つ住宅街の上をロープウェイが通っているなど、見たことない景色が広がりとても興味深い映像も印象的でした
贖罪
性転換をして一般女性として生き様とする麻薬王と、その協力をさせられる女性弁護士の話。
明らかな犯罪者でも無実にしてしまい葛藤する有能弁護士リタが、怪しい電話で呼び出され拉致されて、マニタスに足のつかない場所での性転換手術と新たな名前、嫁ジェシカと息子たちの身柄の安全の確保を頼まれて巻き起こっていくストーリー。
設定のユニークさは確かにコメディだけれど、内容は結構シリアスだしサスペンスフルだしで、ミュージカル要素がなかったら結構重めな序盤。
そして4年後は、まさかの人情ドラマに嫁の暴走が載っかって、なかなかお見事なクライム展開。
歌で説明がしやすいからミュージカルにしたのかね…普通の劇映画でみせてくれたらもっとテンポが良かったし、ラストの曲もめっちゃ響きそうだったんだけどね…なんて思ったし、そもそもの性転換の切っ掛けが良く判らなかったけれど、とても面白かった。
そういえば、懐かしのアルペンレーサーに、昇り鯉シャツに、息子くんは日本好きですかねw
オチと音質以外は良かった
伝説が生まれる時のエネルギー
メキシコの麻薬王が、性別適合手術を経て新たな人生を手に入れる様を描いたミュージカルドラマ。
メキシコシティの弁護士リタは日々絶望と向き合っていた。クズのようなクライアントと無能な上司、街は誘拐・殺人のニュースばかり。そんな中、麻薬王マニタスと運命の出会いをする。マニタスの絶望の深さは底知れぬ。彼が全てを捨て生まれ変わる事を彼女が仲介することで物語は始まる。
見所は、映画全体に流れる圧倒的なエネルギー感だ。物語では対比の存在は対立、融合は一つの理想形、として描かれる。映画では、男と女、体と魂、富と貧困等の軋轢は緊張状態をもたらし主人公達は物理的な解決を強いられる。逆に融和の存在は静寂に包まれた安定として描かれる。
動的と静的のうねるエネルギーの渦を、インド映画顔負けの各所に流れるリズミカルな心情歌に乗せ、三人の女性が熱意こめて歌い上げる。エミリア・ペレスという一つの伝説が生まれるエネルギーを感じた。
ノリノリのミュージカル映画としても楽しめますし、いろんな視点で考えながら観ても楽しめます。エンタメ作品なので安心してご覧いただけます。
自分自身を貫き通したエミリア・ペレス
アノーラかこっちか?さすがアカデミー作品賞候補
極悪麻薬王から、慈善団体の女神へ。
かなり面白い題材で、ゾーイでてるしミュージカルだし、、、、どうやって料理されてるのか興味があった。
ミュージカルはファンタジーと親和性がある。恋愛は相手を美化するからそうだし、フランス革命も古い話とドラマチックさで可能だ。しかし南米のこんな殺伐とした設定でどうやって、、、と思ったが上手いことやってて驚いた。特に初めの方の歌い出し、周りとの絡みや複雑な仕掛け、ミュージカルやり慣れた監督じゃないから新鮮な音楽とのやり取りが楽しめた。ゾーイもがんがん歌えてて楽しそうでよい、作ってる時は皆んなこんなに賞取れるとは思ってなかっただろうなぁ。
話も良いし、エンディングもなかなかである。
初のトランスジェンダー俳優の過去の差別発言が多少ミソつけた感あったが、映画賞受賞には影響なかったみたいだし、本人も激しく反省してるみたいだし良しとしよう。
自分勝手な人たち
エミリアペレスが激しく自分勝手な人に見える。家族と今までの人生を捨てて新しい人生をスタートさせたのに、でもあれが欲しい、でもこれがやりたい、理由は理解できるけど腹が立った。セレーナ・ゴメス演じるダメ親も、どいつもこいつも自分勝手。「自分の人生を生きよう」的なフレーズが何度も出てくるけど、自分主義の美化が極まった映画といってもいいんじゃないか。結局しわよせがいくのは子ども、不憫すぎ。
けど、ここでもう一人の主人公である弁護士リタの存在。彼女こそこの映画の良心であり、唯一感情移入できる人物だった。誰かの人生の中で生きて、現実に打ちひしがれ、一発逆転に成功したけどまた誰かの人生に振り回されて。それは彼女の選択と意志で巡り巡った結果なんだろうけど、なぜか哀れで寂しく感じる。最初はリタの物語から始まったけど、いつの間にかエミリアペレスの物語になっているように、結局リタはエミリアペレスの人生の中で生きているように思えた。
ゾーイ・サルナダはアカデミー賞も納得の演技!失礼な話こんなに上手い女優さんだとは思わなかった。主演のカルラ・ソフィア・ガスコンには引き込まれた、私生活では色々とあったようだけど、素直にまたスクリーンでみたい!アノーラよりこっちの方が好き。
設定の斬新さは唸らされたが、好みは分かれそう。
なるほどアカデミー賞作品賞など多くノミネートされることだけある。
設定がいかにも斬新さがありなかなかいい。別にミュージカル調にしなくても
いいのはと思ったが、この作品はミュージカル調で正解。すべての要素で斬新が
際立った。
ゾーイ・サルタナの演技は素晴らしかった。
前半は平凡なストーリーばかりだが、後半はびっくりするぐらい場面が変わる。
ラストはいかにもメキシコらしい。
この作品の好みは分かれそう。
ゾーイ・サルダナ
女性映画Zero
2024年。ジャック・オーディアール監督。メキシコの麻薬カルテルを仕切る男が、幼少期からの女性になりたいという願望を抑え難く、若くて優秀だが恵まれていない女性弁護士を雇い、家族にも内緒で性転換手術を行い、まったく新しい人生を歩もうとする話。
思い切った手段に打って出て人生を変えようとするという映画的な物語の枠に沿いつつ、主人公というべき女性が2人いたり、ミュージカル的に踊り出したりしており、現代映画の趨勢にも乗っている。女性が主役となって喜びや悲しみや苦しみを描く映画を女性映画とすれば、トランスジェンダーの女性が主役の1人になっているだけで、性も愛も仕事も貧困も描かれた正統的な女性映画と言えるだろう。むしろ、別の性から女性になるところから丁寧に描かれるのだから、女性映画のZero地点に立つ画期的な映画だ。
意外性たっぷり
意外性たっぷりにスペイン語で展開される予測不能なミュージカル。
メキシコの現実を背景に、それがもたらす抑圧とそこからのそれぞれの解放をノリノリで。歌が心情や事実を明らかにする作りで、ミュージカルなのに歌が映画を止めない!そこはとても良い。
そして登場人物がみんな懸命に自分の人生のコントロールを自分のものにしようと必死に頑張るし、足掻く。自分に正直に。
ただ、エミリアは欲張りだなぁ…とは思ったよね。そしてそれがもたらす結果が…
カルラ・ソフィア・ガスコンも彼女じゃなきゃ出来ない役だし、セレーナ・ゴメスも、アドリアーナ・パスも素晴らしかった、知らなかったけど。
ただ、本作はゾーイ・サルダナだよね。アカデミーでは最優秀助演で見事に受賞したけど、実質主演。圧倒的な演技力と存在感と、歌とダンス。素晴らしい。
男の人生から女の人生にスイッチした映画。
人生は一度きり
どの人も生き辛さも欲もある。
でももしそれを来世に期待ではなく、今生で自分が求める生き方を最大限に叶えられるとしたら?
そしてその夢が叶った後の人生を其々がどう生きるのか、という壮大な話。
彼の渇望が成就した事で変化した世界は、彼を取り囲む女性達の運命も変えていく。
彼女達の本当の自分への道が果たして幸せで終わるのか。
面白かった!!
夢が叶うという正に夢のようなお話だけど、生きている限りそこがゴールではない。
登場人物全員、ある意味夢を叶えていくけど、どれも一筋縄では行かない雲行き。
彼から彼女になった主人公に至っては、その後今までの軌跡とは真逆の人生を歩むことに。
自分らしい生き方を、最大限に求めると必ず幸せになるかはわからない。人間の欲には天井も底もない。
人生は一度きり、ご利用は計画的に。
でも計画通りに進んでも、生きてる限りは色んなものの更新が続く事を忘れずに。
学ぶわー。
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