エミリア・ペレスのレビュー・感想・評価
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何よりメキシコ怖すぎて!!
様々な要素がてんこ盛り でも根っこにあるのは愛の物語
メキシコの麻薬王が性転換して女性として生き直す物語にてミュージカル。いったいどんなジャンルなの、となるし、まあ、いろんな要素が詰め込まれておりましたが、オーディアール監督が名ジャグラーよろしくきれいにさばいてみせます(いったい何個のボールを回していたのやら)。
でも、この作品の本質は様々な形の愛を描いた愛の物語だと思っています。エミリアの子供への愛、エミリアとエピファニアの間の愛、ジェシーの実は変わらぬ夫への愛……そういった中でも私が気に入っているのはエミリアとリタのシスターフッド、姉妹のような愛と信頼関係です。リタとエピファニアの初対面のシーンは、双方に「お噂はかねがね」みたいな感じがあって本作屈指の名場面だと思っているのですが。
あと、リタを演じたゾーイ•サルダナはやはり助演なんでしょうね。物語を引っ張ったのは、信じられないほど特異な人物であるエミリア•ペレスで、これが主人公、リタはその紹介をする語り手といったところでしょうか。このパターンは結構あると思います。とりあえず思いついた例は『華麗なるギャツビー』で怪人物ギャツビーを語るニック・キャラウェイです。
感動と不快が半々
マフィアのボスが性転換手術するDEIミュージカルと聞いて、一発芸のウケ狙いっぽくて観る気はほとんど起きなかったけど、ゾーイ・サルダナがアカデミー賞を獲って、実際に観た人の評価もそこそこ良いので、気になってしまい観てきました。
安心したのは助演と言いながら、ゾーイ・サルダナ主演と言っても良いくらいで、冒頭からの彼女のミュージカルで映画のリズムに乗せらてしまい、予想していたよりずっと楽しい展開に安心しました。
ただこの映画が何を言いたいのが分かるまでの時間がかかり過ぎる。そのため性転換はどこに話が向かって行くのか分からないので退屈で間延び。
正直アカデミー賞13部門にもノミネートされるレベル作品ではない。脚本が練り切れていないのだ。もっと脚本が良かったらとんでもない傑作になって、世界の映画賞を総ナメにしてたと思う。
観終わって、あの結末もなーで、感動と不快の気持ちが半々になった、まさにエミリア・ペレス的な気持ちなったよ。
ミュージカルでなくてよかったのでは
食材をごっちゃ混ぜすると素晴らしい料理が出来上がる。
問題ワチャワチャ
賞を総なめ!的な文言がポスターにあったので気になっていた作品。予定のない日曜日にフラッと。
普通に面白かったですが、感動!とか共感!とかそういうのはなかったかな…
トランスジェンダーや麻薬組織や人種や女性蔑視、ありとあらゆる社会問題がワチャワチャ。
日本にいるとあまり馴染みのない問題ですが、麻薬組織のボスがトランスジェンダーということもあり得るのかもしれない。
どんな終わり方するのかなぁ、と終盤に差し掛かり思いましたが、あんな形で終わるとは…
後味は少々悪いです。
個人的には誰かには幸せになって欲しかった。
ただ女優陣の演技は素晴らしいです。
冒頭ミュージカルシーンで多少驚きというか違和感はありましたが途中から全く気になりませんでした。
この映画もあまりデートにはオススメできません。
タイトルに悩みましたが...あえて言う「是非に及ばず」
ひとりで「多様性」
「多様性」多用されすぎ、ってか入れないと意識低いと思われる、トレンドから弾かれる、作品として評価が下がるようにも思える昨今、それじゃこれでどうだ、と「多様性」のショッピングモールみたいな映画を作ってみました、という、フランス映画らしい挑戦的な、シャレか風刺(または皮肉)の作品なんじゃないかと思いました。
クライム、コメディ、ミュージカル、社会派などジャンルの多様性に、主人公マニタス=エミリアがこれまた多様性をひとりで表現したような人物。
体は男性だが心は女性、そしてトランスジェンダーになったがセックスの相手は女性、そもそも泣く子もちびる麻薬王だったのに、行方不明者家族に心の底からシンパシーを覚えて(そう見える)家族を支援する団体を立ち上げて活発な活動をするって。冷血冷徹な人間かと思えば、夢が叶って女性になったが、寂しくて愛を与え愛に応えてもらう関係に飢えて、泣くほど家族を取り戻したいと願ったり。
一見矛盾した複雑な性格に見えるが、そうではないよう。
女性の心とカラダが欲しいがセックスの相手は女性が良い、目に見えない相手にはとことん非情だが、顔が目に見え名前を知ってシンパシーを抱く相手には仏様のように広く深い愛を示す、汚いことで儲けた金は、生まれ変わった後は贖罪と愛する人たちのためにじゃぶじゃぶ使ってしまう、というそれなりに筋は通っているので矛盾というより、これでもかと「多様」なのだと思う。
狂言回しのリタが、弁護士のマークの天秤のように「標準」「一般の常識」を、口には出さなくても絶えず表情で示すので、マニタス=エミリアの多様性が際立って見えるよう。
ごついおじさんがごついおばさんになり、おおきなおっぱいをゆさゆささせてハイヒールを履きこなす姿はちょっと異様(すぐ見慣れます)だが、時々こういう人を見かけるし、彼女は自分の存在への喜びに溢れ堂々としており、心底満足そうで良かった。
こういう映画を大真面目に高評価してオスカー候補にまでする評論家や映画のプロと言われる皆さんの反応までをひっくるめて風刺(皮肉?)した映画では、と思いました。
奇想天外な人物なんだけど、こういう人いそう、と思いました。
自分の欲求に忠実で、他人のことはまるで考えないので思いやりゼロ、だからこういう末路になるのは必然。
そして、「お金で買えないものがある」とつくづく思わされました。
カタルシスなし
女優陣の演技が圧巻、起承転結のわかりやすいストーリーをしっかりとまとめ上げた秀作
メキシコの麻薬カルテルのトップであったマニタス・デル・モンテが、過去を捨て性別適合手術を受け、エミリア・ペレスという女性としての新たな人生が動き始める。そして彼女を取り巻く者たちの人生をも変えていく。
序盤は、世界の様々な土地に舞台を移す、ダイナミックな展開。その後舞台はメキシコに戻り、次々と物語が広がっていく。
スペイン語によるミュージカルシーンが要所要所に取り上げられるが、その度合いが程よく、台詞のみならず、歌声によりスペイン語が持つ音色に引き込まれる。
起承転結が明解なストーリー展開は、カメラワークも巧みで、テンポ良く一切中弛みがない。特筆すべきは女優陣の演技の素晴らしさ。4人揃ってカンヌ映画祭女優賞を受賞がことがよくわかる。
物語は終盤切なさを感じさせつつ、しっかり締め括っているので、逆に余韻はあまり残さないが、映画としての造りがとてもしっかりしており、わかりやすいストーリーにも裏打ちされた秀作。
個人的には、今年のアカデミー賞を総舐めした「ANORA アノーラ」より好きなタイプの映画。
予測不能な贖罪と因果のエンタメ作品
ゴールデングローブ賞作品賞やアカデミー賞の13部門ノミネートという情報のみを知ってる状態で拝見しました。
いや、面白い!!
とても面白かった。
予測不能のストーリーに加え、ミュージカル演出も個人的には新鮮でとても楽しめました。リタとエミリア、という二人の女性の贖罪と因果を描いた作品でした。
リタもエミリアも贖罪の意味で「正しい事業」を展開しつつも、その資金源は闇社会との関係を絶つことはできなかったようです。
エミリアは社会的には聖人として人生を終え、リタはそれらの「遺産」を継承することができたわけです。非常に辛辣な意味でのハッピーエンドを迎えます。
アカデミー賞関連の中でも非常に見応えのある作品でした。
派手なようで地味におもしろかった
ミュージカル、メキシコの極悪治安、麻薬組織、トランスジェンダー、性転換手術、家族モノ、女性の社会進出…
これだけいろいろあっても渋滞せずに観られたのは、映画自体がおもしろかったからでしょう
人間関係の移ろいや人間の心情を基本軸に丁寧に描いていたからだと思います。
ただ、そういう人間の心情などを描こうとすると、湿度が高めになり飽きてしまうことが多いのですけれど、そこはメキシコの乾いた空気感でさりげなく中和されていたのだと思います。
以下ネタバレ
エミリアとリコが、性転換前とはある意味真逆の、行方不明者消息調査事業みたいなのを開設して「人助け」みたいなことになっていくんですけど、
その事業を展開していくのに役立つ「強み」っていうのは、男性時代に培っていた?ギャング組織でのノウハウやネットワークをフルに利用していたことは、ある程度想像できますよね。
エミリアたちの新規事業の「光」の部分は、ギャング組織時代の「闇」が生み出していたことになります。
オープニングに流れていたの歌詞(具体的には覚えてないけど)と繋がっているようで、おもしろかったです。
派手なようで地味におもしろかった映画でした。
なぜミュージカル?
何が言いたかったのか?
本当の私?シリアスなのか?コメディなのか?
ミュージカルって、言葉で全て説明できるので便利です。しかしオスカー受賞してる割に、全く耳に残る曲はなく、真面目なテーマ?なのにぶち壊してます。
ラストまでは何の問題もなく順調でちょっと退屈になります。話がどこに向かってるのか分かりにくく飽きてきます。
カミさんの不満もよくわからず。最後の銃撃戦もなんで脱出出来た?
これがオスカー候補?わけわかりません。個人的な感想です。
とってもミュージカル!
ジャンル分け難しい
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